===> クローン 病 コロナ <=== 新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言の対象が全国に拡大された。小康状態を保っている地域でも、大都市圏への往復や迷惑な流入で感染拡大が起きる可能性があり、感染対策は重要だ。新型コロナウイルス感染症の重症化リスクがある人としては、高齢者、基礎疾患(糖尿病、高血圧、心疾患)がある場合、免疫を抑える治療をしている場合などとメディアで伝えられていて、免疫調整剤はもちろん、生物学的製剤を使用しているクローン病患者も\"免疫を抑えている\"のではないかと気にして過ごしているのでは無いだろうか?その答えになるようなものとして、厚労省の補助金で活動している炎症性腸疾患の研究班HP*1に、炎症性腸疾患患者とコロナウイルス感染リスクについての文章が挙げられている。ECCOの3次インタビュー(英語記事)と、その要約(日本語)があり、両方とも読んでみたが、英語記事の気になる部分(Questions and Answersの1つ目や2つ目の一部)は日本語の文章でしっかり要約(というよりほぼ全訳)されているので原文を読む意味は薄い。おおよその内容は、生物学的製剤を使用しているとコロナウイルスに罹りやすくなるというようなデータは得られていない。これまで同様、感染症に注意しながら治療を続けるべき高齢の患者については、もともと感染症リスクが高いことが報告されているので、これまで同様に慎重に考慮しながら治療を行い、社会的距離(ソーシャルディスタンシング)の厳格化など推奨される感染予防策を講じる必要がある炎症が感染症のリスクとなり得るのでそのコントロールが大事である。現時点では『治療の継続による恩恵 > IBD治療に伴う感染リスク』である。現時点では免疫抑制薬や生物学的製剤などの免疫抑制治療を受けている方がCOVID-19にかかり易くなるというデータはありません。と明記しており、病気の種類にかかわらず、生物学的製剤を使っているからといって、特別罹りやすいわけではないようだ。過剰におびえる必要は無さそうだ。新型コロナウイルスとは直接関係ないが、抗TNF製剤とウイルス感染の関係をレヴューした論文(Kim and Solomon, 2010*3)でも複数のウイルスとの感染リスクについて検討しているが、「リスクが高くなる可能性がある」のような歯切れが悪い書き方になっている。まとめの部分でも、明確に示されているのは結核と日和見感染のみで、抗TNF-α製剤とウイルス感染は体系的に研究されていないのでシステマティックレヴューやメタ解析は良い情報を提供できるというような書き方にとどまっている。つまり、他の一般的なウイルス性感染症についても、抗TNF-α製剤の使用が原因で「すぐにわかるほど明瞭にかかりやすくなることは無い」と言えるのだろう。ただし、日本リウマチ学会のHPでは重症化の可能性があることについても触れており、感染症の症状がある場合には主治医に相談するようにとも明記している。感染するリスクは特別高くは無いが、重症化の可能性は否定できないので、感染してしまった場合は、免疫を抑える治療をしていることを早期に明かし、非常に慎重に対応した方が良さそうだ。この記事の続報は↓cd-mo.hatenablog.com
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