母が子どもの時の話。

私の曾祖父(母の祖父)の家に泊まった時の事。

 

夜、母が寝ようと電気を消そうとした時であった。

部屋に馬鹿でかい蜘蛛が這っているのを母は見つけてしまったのだ。

 

母はそこまで虫に対して苦手意識はないが、相手は田舎特有のビッグサイズの蜘蛛。流石に自力で対処するのは困難であった。

その為隣の部屋にいた曾祖父を呼び、対処してもらうことにした。

 

話を聞いた曾祖父は「ちょっと待ってな」と母に言うと、一度部屋を出て何かを取りに行った。

母は『殺虫剤でも持ってくるのかな』と思っていた。

 

しかし、戻ってきた曾祖父が手にしていたのは殺虫剤などではなかった。

 

 

 

錐だった。

 

 

 

穴を開ける時とかに使用する、道具の錐だった。

 

 

「蜘蛛どこや」

 

錐を片手に曾祖父は母に尋ねた。

 

 

「あ、あっち」

曾祖父に母はビビりつつ、蜘蛛のいる方を指さした。

 

「そこか。ほれ。」

 

そう言うと、曾祖父は片手に持った錐で蜘蛛をぶっ刺した。

 

暫く蜘蛛は暴れていたが、やがて動かなくなった。

 

「夜の蜘蛛はな、縁起悪いから〇さなアカン」

 

そう言うと曾祖父は錐を一度引き抜き、もう一度蜘蛛をぶっ刺して持ち上げた。そして、蜘蛛を捨てに部屋を出て行った。

 

 

 

母は数十年経った今でも、この時の光景が忘れられないそうだ。

 

必殺仕事人すぎる曾祖父であった。