人間様を犬猫と一緒にするとは何事だという人もいるだろうから、人間の病気でいうと、表題のフェニルケトン尿症がある。
フェニルケトン尿症を調べると、髪の毛が赤っぽくなって、色白でちょっと発達がゆっくりになったり自閉的な傾向が出たりして、おしっこがネズミのおしっこの匂いがするなんて書いてある。
このフェニルケトン尿症は肝臓でフェニルアラニンというアミノ酸をチロシンというアミノ酸に変換するタンパクの働きが悪くなることで起こる。フェニルアラニンがチロシンに変わらないのでチロシンが足りなくなり、フェニルアラニンが溢れてしまうわけだ。このチロシンはメラニン色素の原料なので色素を作れなくなって髪の毛が脱色され、色白になる。
けれども、今このフェニルケトン尿症の症状を示す人は日本には多分いない。フェニルアラニンを少なくするような特別食を食べることで症状は完全に抑制できる。新生児マススクリーニングという制度により、生まれた赤ちゃんは全員採血され、その血液は濾紙に染み込ませて検査センターに送られる。そこで異常値を示す赤ちゃんの血液が見つかればすぐに赤ちゃんの主治医に連絡され、赤ちゃんは精密検査を受けることになる。そこで病気が確定すれば、特別な食事(ミルク)を開始されることになる。その結果、赤ちゃんは症状を示すことなく適切な食事療法で育つことになる。
この人たちは食事制限以外は全く普通に生活できているわけで、海外ではお医者さんになった人もいる。こういう人たちを病人だとか障害を持つ人と呼んで区別しなければならないだろうか。食事療法という少しの調整で「健常人」と変わらない生活を送っているし、社会参加も可能である。
最近では軽症のフェニルケトン尿症の中にはテトラヒドロビオプテリンという薬を飲む事で食事療法が不要になる人もいる。