ずっしり
訪問歯科のパートが始まって以来
ずっと
訪問するのが楽しみな方がいらっしゃった。
重度の失語症のその方は、
声掛けに対して頷いたり首を傾げたりして反応してくださる。
いくらか伝わらないこともあるけれど、
でもしっかり、覚えていてくださり、みているし、聞いてくださる。
歯磨きをされるのは、基本的にお嫌いの様子だけれども、
どうにかこうにか、毎回工夫して、協力してくださったり、不機嫌ながらもケアさせていただいたりしてきた。
前回訪問の時に体調を崩していらっしゃり、体調どうでしょうね、と先生とお話しながら
いつものように施設へ赴いたこの日、
介入前に「その方は、もう息を引き取られるのは何時とも知れない、という状態」と施設の方に告げられた。
お部屋へ伺い、
様子をうかがうと、
乾燥が相まって、口腔内には明らかにがっつりと、汚れが付着していた。
これを取るのは、する方もされる方も、これはなかなかだ、と思った。
先生は、「これが最後の(口腔)ケアになるかもしれないんですね!」と、気合を入れ、そしてケアをはじめられた。
一つ一つ手順を踏んで、
辛抱強く。
終了時には
開始前についていたごっぺりとした汚れは取り除かれ、
とても爽やかそうな、保清されたお口の中になった。
酸素も脈の状態も、OK。
私にはできない仕事だった、と思った。
終末期の方に口腔ケア中、呼吸停止された経験もあってなのか、(その方は持ち直されたけれど)
ケアしているのが、負担にならないか、酸素の状態が低くなってしまわないか、
そもそもいつも歯磨きが大嫌いで拒否される方だから、こんな時に不快な思いをさせてしまわないか…等々
そんな風に心配ばかりしてしまう。
先生に改めて、心の底から、尊敬の念を感じた。
車の中で先生にお話したら
「いやいや、もっと大変だよ~?手術とか」といつもながらの調子でお返事された。
そうかぁ…と改めて、先生のお仕事をすごいなぁと敬意。
この仕事をしていると、
本当に、先生方や衛生士さんのお仕事に「すごいなぁ」と感じることが多い。
やっぱり、「口腔のプロ」と感じる。
自分に対してこんなでいいのかと思う気持ち・そう思うなら励んで精進したらいいと思う気持ち
自分をあまり鞭で攻撃すまいという気持ちと
その方への感情と
そしてその後の仕事と
とにかくずっしり
ひとつ、
良かったと感じたのは、
プロとしての
先生への敬意が一段と深くなった。
(いつも敬意を感じないわけでは決してなくて、いつもご一緒できてありがたいと感じているけれど、
それがますます強まった。)
これこそ!と思っているのに使えずにきた口腔ケア剤2種類を手にもっていた日。
まとまらないし
なんともいえないけど
とにかく
記載しておきたいと思ったので
書きました。