今日は動物の胃袋について、お話したいと思います。
まずは草食動物の代表選手「牛」さんです。
牛には胃袋が4つあります。
第1の胃は消化酵素を分泌しません。食物に含まれる酵素自体で
食物を分解します。そのために微生物がたくさん居て食べた食べ物
を発酵分解しています。だから「発酵胃」と言えると思います。
第2の胃は、もう一度口に戻す胃で、「反芻胃」って言います。
牛さんがいつもモグモグやっているのは、そのためなんですよ。
第3の胃は「酵素胃」です。ここで分泌される酵素で食べ物を
細かくします。
第4の胃が「消化胃」です。ここに来てようやく胃液で消化されます。
次に「リス」さんの話をします。
リスには、プゥとふくれて食べ物を詰め込む「ほほ袋」があります。
食べ物を一時的に貯め込むほほ袋は、巣に持ち帰るための買物袋
のようですが、運ぶだけではなく食物酵素を利用して分解しています。
食物の力を借りて酵素分解して胃袋の消化を助けているわけです。
じゃ、肉食獣の代表「ライオン」さんはというと、食べ物を丸ごと
飲み込んで一気に胃袋へ運びます。肉食獣以外の動物は、唾液
と交ぜて噛むことで酵素分解して細かくするのですが、
肉食獣はキバで切り裂くだけです。その代わりに胃袋からは強力な
濃縮塩酸が分泌されており、たんぱく質を分解しています。
だから肉食獣の消化器官は他の動物の1/3程度しかなく、消化が
不十分だから、うんちがとっても臭いんだそうです。
人間はまず、唾液に含まれるアミラーゼと食べ物を交ぜて酵素分解
します。「よく噛みなさい」というのは、よく噛めば胃腸への負担が柔らぐ
という理由からですね。
人間の胃袋はひとつに見えますが、実際にはふたつあるんです。
胃の前段部分には消化酵素がなく、食物酵素の力を借りて分解して
います。消化酵素を分泌しているのは胃の後段部分です。
酵素胃と消化胃という機能の全く異なる2つの胃が、くびれなく
ひとつにまとまっているという感じでしょうか。