こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑳というテーマで

 

魂のジュリエッタ(1964)

(原題:GIULIETTA DEGLI SPIRITI)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズの最終回となっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 
 

 

異様なポスター群の作品!

 

本作は1964年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督作品。

 

これまで発掘良品でセレクトされていたフェデリコ・フェリーニ監督作品といえば「8 1/2」「カサノバ」「フェリーニのアマルコルド」という3作品だけでしたが、発掘良品最終回となる第139弾では「魂のジュリエッタ」「青春群像」そして「甘い生活」の3作品が追加され有終の美を飾っております😘

 

 

尚そんな本作は、公開時の日本のポスターと海外のポスターのギャップがものすごく大きい、ややサイコサスペンス寄りの恋愛映画なのです!!

 

日本のポスターは、淡いタッチの

かわいい仕上がりですが…

 

海外のポスターには変な人が映っていたり…

 

なんか狂気じみていたり…

 

ホラーっぽかったりするのです😨

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

フェデリコ・フェリーニとトゥリオ・ピネリの原案を、この二人とエンニオ・フライアーノ、ブルネロ・ロンディら、「甘い生活」「81/2」などフェリーニの諸作に協力しているグループの共同脚色、「81/2」についで製作されたフェリーニ監督初めてのカラー作品である。

撮影は「81/2」の故ジャンニ・ディ・ヴェナンツォで、これが彼の最後の作品。

音楽はフェリーニとは名コンビのニーノ・ロータが担当した。

出演は「カビリアの夜」のジュリエッタ・マシーナ、「81/2」のサンドラ・ミーロ、「イスタンブール」のシルヴァ・コシナ、「81/2」のマリオ・ピス、「女ともだち(1956)」のヴァレンティナ・コルテーゼなど。

製作はアンジェロ・リッツォーリ。
 

 

 

 
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り!

 

① 映画の冒頭、ローマ郊外の閑静な住宅地で、夫のジョルジュが帰って来るのを待っているジュリエッタは、結婚記念日を二人だけで祝うためにイソイソと準備をしていました。

 

ものすごく凝ったカメラワークで

映されているのは、結婚記念日の準備を

しているジュリエッタの後ろ姿!

 

 

② その後、そとで車が止まる音がしたため、ジュリエッタはロウソクを灯して部屋の電気を消し、ジョルジュが部屋に入って来るのを待っていましたが、帰ってきたジョルジュは、大勢の友達を引き連れていたため、二人だけのパーティはご破算となってしまいます。

 

ムード満点でジョルジュを迎えた

ジュリエッタでしたが…

 

ジョルジュは大勢の(自分の)友達を

連れて帰って来たのです!

 

 

③ ジョルジュの友達は好き勝手にパーティを始め、ジュリエッタも巻き込んで交霊術を始めますが、マエストロという霊媒師が呼び寄せたイリスとオラフという2つの霊を呼び寄せます。

 イリスは「ここにいる皆さんに愛を」と言っていたと聞きジュリエッタはうれしくなりますが、オラフは来客たちに向かって「淫売」と言い、ジュリエッタに対しては「退屈で価値のない女」だと告げたためジュリエッタは失神し、交霊術はおひらきとなりました。

 

交霊術で呼び出した霊に

「退屈で無価値な女」と言われて

失神したジュリエッタ。

 

 

④ 翌日ジュリエッタが起きると既に夫は仕事へ行っており、一人残されたジュリエッタは庭へと向かい、置いてあった交霊会用のテーブルに向って「イリス、いるんでしょ」と言って微笑んだのです。

 

昨晩交霊術に使ったテーブルが

外にあるのに気がついたジュリエッタは…

 

机に向かって微笑みながら

「イリス、そこにいるんでしょ」と

話しかけていたのです。

 

 

 

むむむ。

 

冒頭から、奇妙な展開の作品ですね。

 

 

さて、果たして夫と結婚記念日を祝う事ができなかったジュリエッタは、この後、どんな経験をする事になったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

その後、海岸で日光浴をしていた

ジュリエッタが見たのは

サーカスのような奇妙な人たち!

 

彼らはジュリエッタの近所に住む

人たちのはずなのですが…

 

その後、少しまどろんだ

ジュリエッタが目覚めた時に見たのは

揚陸艦に乗って上陸しようとする

怪しげな人々でした!

 

これはジュリエッタの夢なの?

それとも現実なの??

 

 

 

【私の感想】愛という名の地獄①

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は純粋で夫想いのジュリエッタが、気がつけば現実と幻想の境界線をさ迷うような精神状態へとなってゆく「ミッドサマー」や「ベティ・サイズモア」「脳内ポイズンベリー」などに似た精神の錯乱を描いた作品。

 

劇中で詳しくは語られませんが、恋愛経験に乏しいままジョルジュと結婚ししまったジュリエッタは、夫が自分との距離を持ち始め事に不安を感じつつも、どう対処して良いか分からないまま、脳内にある体験情報を無秩序に引き出すようになり、次第に解離性同一性障害のような状態へと陥ってしまうのです…

 

ジュリエッタにとっての恋の経験は

祖父がサーカスの美女と恋に堕ちてしまい

失踪してしまった事!

恋は、突然奪われるものかも!?

 

 

そう。

 

人間の思考とは、経験に準じているもの。

 

 

 

夫との心の距離感の埋め方が分からないまま、夫の帰りを待ち続けていたジュリエッタは、気が付けば妄想の世界の住人となってしまっていたのです…

 

記憶が混濁し、幼い頃に自分が演じた

火炙りの刑にされ天に召される

ジャンヌ・ダルクと自分を重ねてしまう

ジュリエッタの心中とは…

 

 

 

私見ですがそんな本作は浮気性の夫に心を壊されてゆくジュリエッタの心中を描いた作品であると同時に夫の身勝手な行動によって心に傷を負う女性が登場するフェデリコ・フェリーニ監督の映画は「道」や「8 1/2」など多数あり、これは監督自身の心情の吐露のようなものであり、同時にライフワークなのではないか?という可能性を補完するような作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

夫が楽しく外で浮気している時

良妻は家の中で静かに

狂っているかもしれなのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

愛という名の地獄②

 

というテーマで

 

青春群像

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆