こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑳というテーマで
生れながらの無宿者(1958)
(原題:THE LAST OF THE FAST GUNS)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
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本作は1958年に公開されたアメリカの西部劇。
アメリカ国内を舞台にした話が多いアメリカの西部劇の中で、本作は主人公がメキシコの奥深くへと旅してゆく1950年代にしては珍しい作品。
前回ご紹介させて頂いた「決闘者」は社会派の西部劇でしたが、本作は1950年代の墨西哥(メキシコ)を映像に残した幻想的なミステリー作品なのです😊
オープニング以外のシーンすへてが
メキシコで撮影された本作は
私達の知らない墨西哥へ観客を誘うのです🤠
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り!
① 映画の冒頭、メキシコ近くの小さな町の外からやって来たブラッド・エリソンという黒ずくめのガンマンが、町にいたガンマンと一騎打ちをしますが、銃声一発で相手を倒してしまいます。
かなり距離のある決闘を制した
黒づくめのブラッドは早撃ちガンマン
② ブラッドが男を殺害した理由は敵討ちでしたが、西部時代が終わりつつある状況下においてガンマンの居場所はなくなりつつあり、ブラッドも賞金稼ぎを辞めて牧場で働きたいと考えていました。
仇討をしても金にはならず
ガンマン人生に虚しさを感じていた
ブラッドは引退を考え始めていました…
③ ですがそんなブラッドの前に、ジョン・フォーブスという老人が現れ2万5千ドルの報酬で仕事を依頼したいと申し出ます。非合法な仕事は受け付けないと断ろうとするブラッドに対してジョンは、依頼内容は死期が近づいている自分の遺産を相続させるためにエドワードという名の弟を探して欲しいというものであり、エドワードは2年前にメキシコにいる事が確認されているが、前に派遣した2人の捜索者は、メキシコ内で死亡してしまったので、今回はブラッドのような腕の立つガンマンを雇いたかったのだと言われたため依頼を引き受ける事にしました。
年老いたジョンは足が不自由になり
自身で弟を探せなくなっており
寿命も長くありません。
ブラウンは、ジョンが生きている間に
弟を見つけるよう依頼されます。
④ メキシコに入国したブラッドは、食いつめたアメリカ人のガンマンたちが定宿にしているディアブロという町の宿屋で店主をしているサム・グリプトンという男にエドワードの行方を尋ねると何年も前に死んだと教えられますが、ブラッドがエドワードを探しているという情報は、翌日にはメキシコ中に知れ渡っており、行く先々でエドワードの捜索をあきらめるよう忠告されるようになるのです!
廃墟を勝手に占拠して
宿屋にしているサム・クリプトン。
一見するとのどかな風景ですが
招かれざる客は即射殺されてしまいそうな
狙撃手のいる宿屋はまるで異世界!
むむむ。
なんだかエドワードの死には謎がありそうですね。
さて、果たしてエドワードは本当に死んでしまっていたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
アイルランド人の牧場主である
キング・オレイリーが
エドワードの行方を知っていると聞き
キングの居城に向かうブラッド。
あれれ?
メキシコって貧しいと思ったけど
キングの屋敷もグリプトンの宿屋と同様
お城のような場所じゃないか!
そんなメキシコ異聞帯に迷い込んだ
ブラッドの明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はエドワードを探すためにメキシコ中を旅したブラッドが次第に、この世にはアメリカとは別の価値観があるという事に気づいてゆく、ロードムービーのような後味の西部劇。
グリプトンの宿でガンマンたちが話していたのは、凄腕ガンマンのビリー・ザ・キッドが保安官のパット・ギャレットによって殺害されたという西部時代の終わりを象徴するような寂しい話ばかり。
そう。
近代化によって失われるのは、若い頃に自分が夢見ていた理想の世界。
ですがブラッドがメキシコの奥地に行くと、そこには地方を牛耳る無法者や、義理堅い人々、そして純朴な美女との出会いが待っており、それはブラッドが愛して止まなかった「アメリカで失われつつあった西部の時代」が現存していたのです…
「え?ビリーって死んだの?」
もう俺たちの時代は終わったんだと
寂しげに語るガンマンたち。
それに比べてメキシコには
冒険があり、敵がおり、友がいる。
俺はこれからのアメリカを
望んでいたのだろうか?
私見ですがそんな本作はキネマ旬報社さんの解説通り金持ちの鉱山主から消息不明の弟探しをたのまれ、メキシコを舞台に数奇な運命にまきこまれる西部の名拳銃手の物語であると同時にまもなくやって来るカウンターカルチャーの60年代の足音を察した人々が、西部劇が全盛だった50年代の失われつつある美徳を懐かしむようなテイストで作られたウェスタン版帰去来の辞(帰去来辞)のような作品としても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
皆様にとって欲しいのは
巨万の富ですか?
それとも自分の居場所ですか?
という訳で次回は
ワックワクの80年代①
というテーマで
マスターズ 超空の覇者
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆