こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力とさらばレンタル映画屋さんというテーマで

 

ダブル・サスペクツ(2019)

(原題:ROUBAIX, UNE LUMIERE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力とさらばレンタル映画屋さん?

 

本シリーズは令和5年10月31日を以て閉店となるSHIBUYA TSUTAYAのレンタルDVD事業への感謝をこめてお送りする特別企画。

 

2万6000本もの在庫を用意し、渋谷系というカルチャーの萌芽期から若者たちの映画の図書館のような存在だったSHIBUYA TSUTAYAさんに敬意を表し、閉店直前まで4階の特設コーナーで企画されていた作品群をご紹介させて頂ければと思います😉

 

 

 

 
 
私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター公開特集

 

10月17日以降TSUTAYA SHIBUYAのレンタル階は侵入禁止となっており、レンタル業務は遂に終了となりました。

 

ですので4階で開催されていたTSUTAYA SHIBUYAkの特集コーナーも既に存在しておりませんが、本ブログでは閉店直前まで行われていた、最後の企画の一つである「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター公開特集」について解説させて頂いております。

 

 

 

「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」とは、2023年9月15日に公開されたフランスの映画。

 

「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」

(FRERE ET SOEUR)

 

 

私のブログは、公開中の作品を紹介するのは差し控えさせて頂いているのですが「「クリスマス・ストーリー」「あの頃エッフェル塔の下で」のアルノー・デプレシャン監督がマリオン・コティヤールとメルヴィル・プポーを主演に迎え、ずっと憎しみ合ってきた姉と弟の愛憎の行方を描いた家族ドラマ。」という解説にある通り、この作品は家族間の近親憎悪を描いたものだと考えられます。

 

ですので本日は、そんな「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」関連作品の一つとして紹介されていた「ダブル・サスペクツ」という作品をご紹介させて頂ければと思います。

 

「ダブル・サスペクツ」というタイトルは

ハードなアクション映画を連想させますが

本作は、移民だらけになった

フランスの地方都市ルーベで発生した

残酷な殺人事件の捜査を描いた

淡々としたテイストの作品です。

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

暴力と麻薬が蔓延るフランス北部の貧民街を舞台にしたミステリーサスペンス。

署長のダウードが率いるルーベ警察は、放火事件の捜査を行っていた。

しかし、目撃者・クロードの証言は曖昧で、捜査は難航していた。

そんな中、クロードが遺体を発見し…。

監督・脚本:アルノー・デプレシャン 脚本:レア・ミシュー 撮影:イリナ・ルブチャンスキー 音楽:グレゴワール・エッツェル 出演:ロシュディ・ゼム/レア・セドゥ/サラ・フォレスティエ/アントワーヌ・レナルツ

 

 

 

 

 

そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り 。

 

① フランスのルーベ市は、ベルギーの国境に隣接する古い町。かつてはフランス人の町だったルーベでしたが、今ではイタリア人、アルジェリア人。アラブ人などの移民が大半を占める貧困地域となっていました。

 

深夜に車が放火されているのが

ルーベ市の日常でした。

 

 

② 移民たちによる暴行や暴動や強盗事件が頻発しているルーベ市の警察署長のダウードは、フランス生まれの北アフリカ(アルジェリア?)系の黒人。フランスで満足な仕事にありつけなかったダウードの家族や親せきは、みんな北アフリカへと帰っていきましたが、フランスで産まれルーベで育ったダウードは、北アフリカに帰る事もできず、結果として危険なルーベ市の警察に勤務していたのです。

 

家族のいなくなった家で

北アフリカの絵を一人眺める

ダウードの胸中は如何に?

 

 

③ そんなルード市に新たに着任したコートレル警部補はフランス人の青年。警察の仕事に燃えていたコートレルでしたが、初仕事として任されたヴィーニュ通りの放火事件は、目撃者もおらず、複数の容疑者に尋問しても非協力的であったり嘘をつかれたりして、すっかり精神的に参ってしまいます。

 

ダウードから初仕事をもらい

現場に向かったコートレルでしたが…

 

空き家が燃えた事件なので

被害者もいないため

捜査は難航してしまいます。

 

 

④ ですがその後しばらくして、放火されたのど同じ地区で83歳の老婆が絞殺される事件が発生し、コートレルと共に現場に向かったダウードは、犯人は放火された家の隣家に棲んでいたクロードとマリーという二人の女性だと断定しますが、放火の目撃者探しの時に会話をした事があるクロードたちと話したことがあるコートレルは、彼女たちが犯人である理由が分からず、困惑してしまうのでした。

 

放火の目撃者捜しの時に会った

クロードとマリーに

怪しいところはなかったのですが

ダウードは2人が殺人犯だと断定したのです。

 

 

 

さて、何故ダウードは初見でクロード達を犯人だと判断したのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

クロードとマリーを

別々に尋問するよう命じたダウード。

果たしてダウードの真意は!?

 

 

 

【私の感想】移民の心が分かるのは…

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は移民大国フランスの現状を知る上でとても参考になる作品なのですが、逆に言えば、移民問題に関心がない方にとっては、何がどうなっているのか分からず、難解な印象を受けるであろう作品。

 

 

本作の冒頭、この映画で描かれている事は、全て実際に起こった事だという注釈が出ますので、本作はルード市の現状を描いた警察24時のような作品としても観ることができ、車の保険金欲しさに自分の車に放火した男や、家族間で喧嘩になり刃物を振り回す男、監視カメラの死角に潜み補助暴行を5回も繰り返している男、自分の父親から逃亡して偽名を名乗っている少女や、警察に兵器でうその証言を繰り返す男など、メインストーリーとは関係のない移民とのトラブルの実例を目にする事ができるのです。

 

 

そう。

 

人には人の生き方がある。

 

 

フランス人のコートレルは移民ではないために、移民の考え方や心情を理解する事はできませんが、幼いころからルード市で育ったダウードは、移民の娘であるクロードとマリーが、どんな関係であり、何故殺人を犯そうと思ったのかも理解できてしまっていたのです…

 

警察の屋上で自分の身の上を

コートレルに向かって話すダウード。

 

国境を越えたベルギーはキラキラなのに

ダウードの生まれたルードは

電気もほとんど点灯していないのです汗

 

 

 

私見ですがそんな本作は、キネマ旬報社さんの解説にある暴力と麻薬が蔓延るフランス北部の貧民街を舞台にしたミステリーサスペンスという作品と観ることもできるかもしれませんが北アフリカの移民の血をひいていながら警察署長となったダウードの目を通して、ルードに暮らしている貧困層の移民を姿を描いた異邦人視点の刑事物語としても観ることできるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

美人のクロードは

学生時代は人気ものだったはず。

なのに今では貧民街でシングルマザー。

そんな女性を多く観て来たダウード。

 

一方の地味なマリーは

美人のマリーと一緒にいる事で

心が癒される依存体質。

そんな女性も多く観て来たダウードは

彼女たちの行動を

予測できてしまったのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

大嫌いな弟へ②

 

というテーマで

 

スケアクロウ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆