こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とさらばレンタル映画屋さんというテーマで
溺れるナイフ(2016)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力とさらばレンタル映画屋さん?
本シリーズは令和5年10月31日を以て閉店となるSHIBUYA TSUTAYAのレンタルDVD事業への感謝をこめてお送りする特別企画。
2万6000本もの在庫を用意し、渋谷系というカルチャーの萌芽期から若者たちの映画の図書館のような存在だったSHIBUYA TSUTAYAさんに敬意を表し、閉店直前まで4階の特設コーナーで企画されていた作品群をご紹介させて頂ければと思います😉
10月3日現在、TSUTAYA SHIBUYA4階で開催されている企画の一つに「第34回 東京学生映画祭」というコーナーがございます。
東京学生映画祭さんのホームページを引用させて頂くと…
東京学生映画祭とは「東学祭」の名で知られる、日本で最も長い歴史を持つ国内最大規模の学生映画祭です。
学生の製作した映像作品を全国から募集し、コンペティション形式でグランプリを決定しています。
当映画祭は、学生ならではの自由な発想や感覚を大切にするため、多くの方々のご協力をいただきながら、学生のみで企画・運営を行っています。
との事ですので、学生ならでは感性や想いや情熱を感じさせるような作品がエントリーされる映画祭ではないかと考えられます。
そんな「東京学生映画祭」のコーナーでは、過去に同賞で受賞された映画監督の皆様の作品たちもご紹介されています。
ですので本日は、学生時代から天才的な才能を開花させていらっしゃっていた山戸結希監督が撮られた大人気俳優の出演作をご紹介させて頂ければと思っております😆
皆様ご存知の大人気俳優お二人が
出演されている作品です😊
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
はい。
解説にもあるように本作は、ジョージ朝倉氏の伝説的少女コミック「溺れるナイフ」を実写化した作品なのですが、原作は全17巻もある長編ですので、映画一作で表現するためには「テーマ」を絞り込む必要があったのではないかと思われます。
原作は全17巻の長編コミックです!
尚、そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① 東京で雑誌モデルをしていた15歳の望月夏芽は、父親が祖母の旅館を継ぐ事となったためモデル仕事を中断辞し、浮雲町という海辺の町へと引っ越して来ました。
15歳で雑誌の表紙の常連だった夏芽は
父親の都合で地方の小さな町へ!
② 今までとは全くちがう環境に不満を抱いていた夏芽は、親戚一同が集まって開催されていた歓迎会を中座し、近くの海岸に遊びに行き、何とはなしに立入禁止の場所へと足を踏み入れてしまいました。
歓迎会にうんざりして逃げ出した夏芽は…
立ち入り禁止の場所に踏み込んでしまいます。
③ 立入禁止のエリアは波が荒い海岸ですが、海の色はとても美しく、美しい景色に見とれていた夏芽は、水の中に漂っていた金髪の青年に出会います。
夏芽が入った立入禁止区域には
美しい海岸が広がっており
海には金髪の若者が漂っていました。
④ 長谷川航一朗という名の青年は、ここは自分の土地だから勝手に入るなと夏芽を怒鳴りますが、翌日、転校した中学に航一朗が在籍しているのを知った夏芽は、何故、自分が怒鳴られなければならないのか納得できず、クラスメイトがコウちゃんと呼ぶ航一郎に、対抗心のような関心を持つようになっていったのです…
読モの夏芽が転校した事で
大騒ぎになっていたクラスの中で
全く興味がなさそうなコウ。
今までのように主役でなくなり
コウにイラッとする夏芽!
むむむ。
正に王道のラブストリーですね!
さて、果たしてし夏芽とコウは、どのような関係になっていったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
個人的にコウに会うために
立ち入り禁止エリアに入った夏芽を
海の中に突き落とすコウ。
果たして夏芽の明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は多感な時期の少女たちの心に寄り添うようなファンタジックな恋愛を描いた作品。
映画のキャッチコピーにも「一生分ふん、恋をした。」と記されておりますので、前回ご紹介させて頂いた山戸結希監督作品の「おとぎ話みたい」と通底するテーマが描かれた作品ではないかと思われます。
孤独を感じていた少女が
はじめて理解者に出会った時の
恋心を描いた「おとぎ話みたい」。
そんな作品を撮った山戸結希監督が
少女にとっての一生ぶんの恋を描いたのが
本作なのです。
では、少女が考える一生ぶんの恋とは、一体どんなものなのでしょう?
それはもちろん、少女でなければ体験する事も理解する事もできない、心の中のワンダーランドのような世界なのです!
そう。
思春期の少女の恋とは、千々に乱れて混乱するもの。
男性のストレートな恋愛感情とは異なり、自分の想いだけでなく、相手の想いをも忖度する夏芽の恋は、不思議の国で恋愛をしてしまったアリスのように、現実と幻想が入り混じったような状況でさ迷う事となるのです。
浮雲町の神主の末裔のコウは、
どう足掻いても町を出れない運命の少年。
そんな土地の神様のような存在に
ライバル意識を抱いたり、
振り向いてもらいたかったりする夏芽は
東京にいた時より何倍も
ドラマティックな人生を経験し
成長してゆくのです!
私見ですがそんな本作は男性諸氏には一生分かる事がない多感な少女の恋心を映像化した作品であると同時に、2014年に公開された中島哲也監督の「渇き。」によって、男性のイメージする絶望少女のような存在となっていた小松菜奈さんのキャラクターが、山戸結希監督の手によって少女たちの理想の姿へと回帰していった作品ではないかとと考えるのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
大傑作である「渇き。」は
親から愛される事がなかった娘が
人間でない何かへと変貌する
"人と人が繋がれない悲劇"を
描いた作品でしたが…
本作では逆に、恋をする事で
様々な体験をする事で
生きる事の魅力に気づいて行く
"人と人が繋がる物語"!
ちなみにそんな本作で共演した
小松菜奈さんと菅田将暉さんは
2021年にご結婚なされた事で
本作は予期せず
映画と現実を結び付けた
入れ子構造のような作品となりました😊
どうぞ末永くお幸せに!
という訳で次回は
東京学生映画⑨
というテーマで
わたしは光をにぎっている
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆