こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と恋に恋する恋人たち2022というテーマで

 

運転手の恋(2000)

(原題:運転手之戀)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と恋に恋する恋人たち2022とは?

 

今月のテーマは、恋の、恋する、恋は、恋した、恋人たちなどの邦題に恋がついた作品をセレクトして、実際はどんな内容の映画なのかをご紹介されて頂く"タイトルに恋という文字がつく映画"特集😍

 

星の数ほどある"恋"の映画のアレコレを楽しんで頂ければ幸いです!

 

 

 

 

 

運転手の恋の映画のハズなのに…


本作は2000年に公開された台湾映画。

 

原題も邦題と同様の「運転手之戀」というタイトルですので、本作はまちがいなく「運転手の恋の映画」であると言えると思います😊

 

 

 

ですがポスターには運転手が映っておらず、拳銃を向けた女性警官の姿だけ!!

 

ちなみにこの婦人警官は刑事ではなく交通課に勤めている警察官。

 

そして、この婦人警官を演じているのは、女優の宮沢りえさんだったのです😄

 

サスペンス映画のようですが、

本作は運転手の恋を描いたラブストーリーです。

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「たそがれ清兵衛」(02)でキネマ旬報ベストテン主演女優賞をはじめ各映画賞の女優賞を独占した宮沢りえが、2000年に台湾で主演した恋愛コメディ。

婦人警官に一目惚れしたタクシー運転手が、彼女の気を惹こうとあの手この手で交通違反を繰り返す姿をユーモラスに描く。

本国台湾では第37回台湾金馬奨審査員大賞を受賞した。

 

 

 

はい。

 
解説にある通り、宮沢りえさんが「たそがれ清兵衛」で日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を受賞をしたのが2002年であり、本作は「たそがれ清兵衛」の公開より2年前に彼女の才能を開花させた作品であると言えます!
 
 
そんな本作は、1990年代にアジア各国で流行していた、登場人物の心の中の語らぬ想いを映像やモノローグによって表現したスタイルの作品。
 
雰囲気的にはウォン・カーウァイ監督の諸作品や、エドワード・ヤン監督の「恐怖分子」などと似たテイストだと理解頂ければと思います😉
 
想いが伝わらないもどかしさを描いた
「恐怖分子」は、侘しい恋愛映画です…
 
主人公のアチュアンはタクシーの運転手。
 
父親の経営するタクシー会社に勤めているアチュアンでしたが、運転技術は中学生の頃から無免許運転で鍛えたスタントマン顔負けの領域!!
 
 
自分の父母が、全く性格違いなのにも関わらず、奇跡的な出会いで結婚した事を知っていたアチュアンは、自分にはそんな奇跡は起こらないと考え、結婚はせず、大好きな車の運転だけをして一生を終わりたいと願っていました。
 
運転技術にしか興味が無い僕を
愛してくれる人なんていないから
僕は結婚しない事にする…
 
 
ですがそんなある日、アチュアンは自分の運転に興味を持ってくれた女性に出会う事になるのです!!
 
その女性は、アチュアンのスピード違反を取り締まった婦人警官のジンウェン。
 
 
 
自分の超過スピード超過をチェックして違反切符を切りに来たジンウェンを見た瞬間、彼は恋に堕ちてしまったのです😍

 

 

アチュアンは自分の運転に興味を持ってくれた…
 
ジンウェンに恋してしまったのですラブラブ
 
 
嬉しくなったアチュアンは、なんとかジンウェンに想いを伝えようとしますが、口下手なアチュアンは、自分の想いを言葉で伝える事ができません!!
 
だからアチュアンは毎日、ジンウェンが取り締まりをしている道路を探し出し、目の前で違反行為を繰り返し、彼女との出会いの時間を作る事にしたのです😅
 
今日もジンウェンの目の前で
愛の蛇行運転を敢行するアチュアン!
 
 
 
さて、果たして運転手アチュアンのジンウェンへの恋は、成就する事となったのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
「毎日お仕事ご苦労様です😍」
「…あなた、ふざけてるのむかっむかっむかっ
アチュアンの想いはジンウェンに届くのか?
 

 

 

【私の感想】私たちは台湾の女優さんを知っているか?

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は、助演である宮沢りえさんを主役のように扱ってくれている作品!

 

エンドロールにトップで紹介される宮沢りえさん。

 

 

1992年以降、公私でトラブルに見舞われた宮沢りえを応援し、初の海外映画出演の業績を作ってくれたのは台湾のチャン・ホアクン監督。

 

 

ですが本作の日本版ウィキペディアの概説は…

 

宮沢りえが台湾に渡った際に撮ったラブコメディ映画である。

ビデオのパッケージでは宮沢りえがいかにも主演という扱いだが、

実際はそれほど大きい役ではなく、台詞も現地の声優による吹き替えである。

 

という酷い内容であり、チャン・ホアクン監督のウィキペディアの項目も存在しません。

 

 

 

 

またallcinemaさんのサイトでは、チャン・ホアクン監督に関して…

 

これまで多くのプロデュース業に携わってきた監督

 

と解説されているにも関わらず、彼の項目には本作しか紹介されておらず、日本の映画界が台湾の映画業界の方々をリスペクトしていない事がうかがえるのです…

 

 

 

 

そう。

 

人間関係というのは、相互にリスペクトがあるから存続できるもの。

 

 

 

本作には、アチュアンの妹役として蔡燦得(ヴェガ・ツァイ)というカワイイ女優さんが出ているのですが、日本では彼女が出演している事すら記載されていないのです!!

 

当時は妹キャラだった蔡燦得さんですが

今では美人女優としてブレイクされているのです…

 

 

 

私見ですがそんな本作は、他者とのつながる事が難しくなった1990年代の世相を描きつつ、「車の運転」というキッカケがあれば、アチュアンとジンウェンが繋がれたように、「宮沢りえ」という共通認識があれば、日本と台湾の映画関係者ももっと繋がれるのではいう想いで作られた作品だと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

言葉では伝わらないアチュアンの想い。

ですが危険運転で接触できるなら

ジンウェンへの想いは伝えられるかも…

 

これは不器用ですが、

とてもストイックな愛の伝え方!

 

では我々日本人が、

台湾の方々への好意を伝えるには

どうしたら良いのでしょうか?

 

私としては、近隣の国と友好を深めるには

国策として必ず年20本以上、

その国の人気映画を上映し

映画を通して共通認識を深めてゆく事も

良いのではないかと思いますが

皆様はどう思われますでしょうか?

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

親が滅ぼす恋(女性編)

 

というテーマで

 

恋とスフレと娘とわたし

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"恋"の作品
「ブライト・スター ~いちばん美しい恋の詩~」

 

本作は、「ピアノ・レッスン」で女性の心の中の想いを映像化させる事ができたジェーン・カンピオン監督による、薄命の詩人と、そんな詩人に恋した女性の世界を描いた、詩的な美しさが堪能できる映画😊

 

赤貧に苦しみながら、わずか25歳で夭折したジョン・キーツは、繊細にして情熱的なオードと呼ばれる長い抒情詩(頌歌)を得意とした英国の詩人。

英語で綴られた抒情詩を、日本人が感覚として理解する事はかなり難しい事だと思いますが、本作でカンピオン監督によって生み出したジョン・キーツの世界観、言葉を超えてキーツの詩をご覧頂く事で、リリカルなキーツの詩の魅力がご理解できるのではないかと思います😊

 

本作もまた、相手への想いが伝わらない苦しみを描いた作品なのです…