こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで
ウィラード(1971)
(原題:WILLARD)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
今月のラインナップはコチラ↑
本作は1971年に公開されたアメリカ映画。
TSUTAYA発掘良品の第85弾には「ベン」と「ウィラード」いう2作品がセレクトされています。
発掘良品シリーズでは「ベン」「ウィラード」の順番で紹介されているのですが、「ベン」は1972年に作られた「ウィラード」の続編ですので、私のブログでは「ウィラード」→「ベン」の順番でご紹介させて頂くたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
発掘良品第85弾の紹介コーナーはコチラ
尚、発掘良品の紹介文にもあるように「ベン」と「ウィラード」は、本物のネズミが無数に登場する作品ですので、ネズミのお嫌いな方は、本ブログを含め、十分ご留意頂けるようお願い申し上げます😓
この映像をご覧になって観るかどうかを
判断して頂ければ幸いです。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
な、なるほど!!
本作は「小動物の突然の集団異変による恐怖を描いた作品」=「70年代に多産された小動物パニック映画」だと考える事も可能な作品!!
「ゴカイ(環形動物)が襲って来た~!」
という小動物パニック映画
「スクワーム」は1976年作品!
「カエルが襲って来た~!」
という小動物パニック映画
「吸血の群れ」は1972年作品!
「アリが襲って来た~!」という小動物パニック映画
「キラー・アーンツ/殺人蟻軍団・リゾートホテル大襲撃!」は
1977年作品!
…ですが、これらの作品の原題は「スクワーム=SQUIRM(ゴカイ)」「吸血の群れ=FROG(カエル)」「キラー・アンツ=ANTS(蟻)」という、襲撃して来る生物が明瞭なものばかり!!
「ハチが襲って来た~!」という小動物パニック映画
「キラー・ビー」の原題も「THE SAVAGE BEES」
という分かりやすいタイトル(1976年作品)!
ですが本作の原題は「マウス」や「ラット」ではなく「ウィラード(WILLARD)」。
ウィラードは本作の主人公の青年の名前ですので、本作は小動物パニック映画ではなく「ウィラード青年の物語」と考えても良いのではないかと思います😊
そんな主人公のウィラードは、古い屋敷で暮らしている内向的な青年。
大きな屋敷に住んでいるウィラード。
一見すると裕福に見えるウィラードですが、彼の住んでいる屋敷は、会社を創業した亡き父親が建て、母親が相続したものなので、ウィラードの財産ではありません
そんなウィラードの母親は自分勝手な性格で、ウィラードが家にいる間は彼を召使いのようにこき使い、父親の会社に勤めているウィラードに早く重役になるよう小言を言います。
足の悪い母親はウィラードを呼ぶ時に
召使いの呼び鈴を使用!!
「ウィラード!どこにいるの!?」
「裏庭を掃除して!」
「水道管も修理して!!」
「早くお父さんの会社で出世して!!!」
ですが、父親の会社を受け継いで社長となったアルは、内向的なウィラードに辛く当たり、彼のプライドをズタズタにして笑いものにするような意地悪な性格!
創業者の息子のウィラードに敬意を払わず
厄介者扱いするアルは超パワハラ上司!!
家でも会社でも安らげないウィラードは、ある日母親から「裏庭に出没するネズミを退治しろ」という命令を受け、ネズミの家族を水攻めにして殺す事を思いつきます。
残忍な微笑みを浮かべて、ネズミが溺死するのを見物していたウィラードでしたが、ネズミの家族が必死で生き延びようとする姿に自分と同じ境遇を感じ、母親の命令を無視してネズミを助け、こっそりと地下室で飼う事にします。
枯れた池の中央に餌をおいて
ネズミの一家をおびき寄せたウィラードは
池に水を満たしてネズミたちを
溺死させようとしますが…
成すすべもなく死に瀕したネズミたちに
同じ境遇を感じたウィラードは
ネズミを助けて地下室で飼う事にします。
ネズミたちは世話をしてくれるウィラードに懐き、どんどん子供を産んで増えていきますが、ウィラードは、そんなネズミたちの中でも温厚で聡明な白ネズミにソクラテス、機械の構造を理解する聡明な黒ネズミにベンをという名をつけ、親友のような関係となっていったのです!
温厚で懐っこいソクラテス
機械の操作ができるベン!
2匹と親友になったウィラードの笑顔😄
皆様が作品をご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は、社会に適合できない青年ウィラードの苦悩を描いた作品。
ウィラードは人の好い青年ですが、現代社会においては残念ながら、人が良いからと言って成功する訳ではありません
人の好い人間だからこそ、母親に召使いのように扱われ、アルに侮辱される人生を送ってきたウィラードにとっては、人間と暮らす人生よりも、ソクラテスやベンと共に理想の王国を築く人生の方がずっと幸せだったのです…
人々が忌み嫌うネズミと共にいる方が
悪意ある人間と過ごすより、ずっと幸福だ…
そう。
尊厳無き人生にを送ってきた人間にとっては、人間社会なんて無価値なものなのかもしれないのです…
私見ですがそんな本作は「小動物の突然の集団異変による恐怖を描いた作品」ではなく「ずっと虐げられてきた青年の心の奥に蠢くルサンチマンを描いた作品」ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
ベンと会話するウィラードが異常なのか?
それとも、ウィラードをベンとしか
話せないような人間してしまった現代社会が
異常なのでしょうか…
という訳で次回は
今度は戦争だ!
というテーマで
ベン
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品!
「不意打ち」
本作は、ウィラードと母との関係に似た母子が登場しますが、息子はウィラードとは異なる選択をして母の元から去ってしまいます。
本作は息子にとって良い行いをしていたと思っていた母親が、自宅のエレベーター中に閉じ込められて地獄のような境遇を味わう恐ろしい寓話のような作品なのです!