こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とビヨンド自己実現!というテーマで

 

ANNA/アナ(2019)

(原題 ANNA)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★ビヨンド自己実現!とは?

 

自己実現とは、別名「マズローの欲求5段階説」とも言われている"人間は豊かになってゆくステップで、欲しいものの質が変わってゆく"という考え方!

 

5段階目に到達すると「自己実現の欲求(自分が望んだような人生を送りたい!)」という欲求に至るようです。

 

本シリーズは、映画の中で描かれいる自己実現に至った人々は、どんな行動をしているのかを検証してみようといシリーズです。

 

さて、自己実現は人生に幸福をもたらすものなのでしょうか?

 

↑抑圧ある国家での自己実現とは!?

 

自由のない国での自己実現とは?


本作は2018年に作られたソ連のKGBスパイを主人公にした「レッド・スパロー」とよく似た内容の作品!

 

KGBの女スパイ映画「レッド・スパロー」!

 

 

ですが「レッド・スパロー」の主演がアメリカ出身のジェニファー・ローレンスなのに対して、本作の主人公はロシア出身のスーパーモデルであるサッシャ・ルス!!

 

↑サッシャ・ルス(Sasha Luss)さん。

 

 

 

 

ロシアの源流とも言えるソビエト連邦は、個人の自由を徹底的に抑圧していた圧政国家!!

 

そんな抑圧国家における自己実現とは、一体どんなものだったのかを考える上で、本作のようなソ連時代を描いた作品は、今、観ておくべき作品なのかもしれません…

 

↑自由を与えられない国の自己実現とは?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

リュック・ベッソンが製作・監督・脚本を務め、女暗殺者の死闘を描いたアクション。

1990年、ソ連諜報機関KGBの女暗殺者アナは、数々の任務を遂行する一方、持ち前の美貌でトップモデルに上り詰める。

だがある日、米国のCIAの罠に落ちてしまう。

主演は数々の高級ブランドのモデルを務めるロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルス。「ワイルド・スピード ICE BREAK2」のルーク・ウィルソン、「ダンケルク」のキリアン・マーフィ、「グッドライアー 偽りのゲーム」のヘレン・ミレンが共演。

 

 

わぉ。
 
かなりラストの方の展開まで、サラッと解説してしまってますね汗汗
 
 
 
本作は、劇中でショッキングな出来事が発生した後、何故それが起こったのかを遡って描いて行く「演繹法的な演出」が繰り返される作品となっておりますので、あまり展開を説明してしない方が良い作品。
 
ですが作品を雰囲気をご理解いたくために、序盤の展開だけ解説させて頂ければと思います(ただし、スタート直後のエクストリームな展開につていは、あえて割愛させて頂きました!)
 
 
最初のショッキングなシーンが終わると「それから5年後」というテロップが流れた後の展開は…
 
①パリのモデルエージェントに勤めている男が、モデルになりそうな女の子を探すためにモスクワの市場にやって来ます。
 
↑モデル候補を物色しに来たモデル・エージェント。
 
 
②男はマトリョーシカを売っているアナに目を付けて声をかけ、言葉巧みに言いくるめて、アナをパリへと連れて行ってしまいます。
 
↑マトリョーシカ売りのアナ、モデルになる!!
 
 
③90年代のモデルの世界は混沌としていたがねアナはそんなモデル業界で頭角を現し、人気者となっていきます!!
 
↑タコ部屋のような場所で暮らしている
 90年代のモデルたちの中で…
 
↑アナは注目の人気モデルに!!
 
 
④人気モデルとなったアナは。フランスでビジネスをしているソ連の実業家と知り合いとなりますが、自分の恋人になって欲しいという男に対してアナは「本気で私を愛しているなら、本当の職業を教えて」と囁き、男は自分がロシアにも西洋諸国にも武器を売ってる死の商人である事を告白します。
 
↑エッフェル塔が見える豪華な部屋で
 愛の告白を受けたアナは
 男が死の商人である事を告げられます。
 
 
⑤男の告白を聞いたアナは微笑み、トイレに行ってくると言って席を立った後、トイレから銃を構えて飛び出し、男を射殺してしまったのです!!
 
↑トイレから出て来たアナは男を射殺!!
 
 
 
ええっ?
 
 
どうして、マトリョーシカ売りだったモデルのアナが、男を射殺しちゃったの?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
↑モデルになったのは偶然?
 という事はモデルエージェントは秘密組織?
 それともアナは個人で動く殺し屋?
 

 

 

【私の感想】自己実現はささやかな願い

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はリュック・ベンソン監督らしいミステリー仕立てのアクション映画ですので、難解な作品ではなく、登場人物たちの一挙手一投足が、次の展開のヒントとなっていた事があとでわかるという、チェスの勝負のような作品!

 

 

自分が優位だと思っていた相手自身の行動が、実はチェックメイトの遠因となってしまう事があるチェスは、盤上で起こる全ての事が結果に繋がってゆくゲームなのです😆

 

↑本作がチェスのような映画だという事は

 アナが幼い頃からチェスの名手だったという

 設定からもお分かり頂けると思います。

 

 

 

ですので、これ以上作品内容を説明するのは控えさせて頂きますが、最後にアナの自己実現とはどういうものなのかについて考察させて頂ければと思います。

 

 

多くのスパイ映画では、スパイたちはそれぞれの自己実現のために、危険な任務に身を投じています。

 

 

国家の安全を守るため…

 

莫大な報酬のため…

 

自分が考える正義を執行するため…

 

敬愛している雇い主への忠誠心のため…

 

家族や愛する人間を人質に取られているため…

 

世界に破壊や混乱を招くため…

 

 

 

そう。

 

実はスパイ映画とは、自己実現と自己実現がぶつかり合う事で戦いとなる、アイデンティー・バトルの映画なのです😉

 

 

 

私見ですがそんなスパイ映画である本作は、アナが目指している自己実現は、数あるスパイ映画の中でも、私たち日本人がごく普通に行使している、とてもささやかなもの。

 

ですが抑圧的な国家で暮らす人々にとっては、そんなささやかな幸せを望む事すら命懸けの行為なのかもしれないという事に想いを馳せた時、現在のような平和な国であり続けられるよう考える事は、決して無意味な事ではないと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

 

2022年4月7日現在、アナを演じたサッシャ・ルスのInstagramの更新は止まっており、彼女もまた、祖国の行為によって自己実現を抑圧されている状況にあると思われます…

 

 

↑果たしてこれから先、ロシア系の映画や

 俳優やモデルは、どうなってしまうのでしょうか?

 

 自己実現というものは、何かのキッカケで

 あっという間に失われてしまうものなのかも

 しれません…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ロシアになった日

 

というテーマで

 

グッバイ、レーニン!

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せてソ連時代の女スパイ映画
「レッド・スパロー」

 

バレエダンサーの未来を失ったドミニカは、特権を失わないためにロシアの秘密諜報部員となり、国内にいる裏切り者の名前を知るために

アメリカの諜報部員に近づき、極秘情報を奪うために己の肉体を差し出す覚悟を決めるのです!

 

ドミニカにっとての自己実現は、特権的な地位の維持だったのです。