こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とビヨンド自己実現!というテーマで

 

イングリッド

ネットストーカーの女(2017)

(原題 INGRID GOES WEST)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★ビヨンド自己実現!とは?

 

自己実現とは、別名「マズローの欲求5段階説」とも言われている"人間は豊かになってゆくステップで、欲しいものの質が変わってゆく"という考え方!

 

5段階目に到達すると「自己実現の欲求(自分が望んだような人生を送りたい!)」という欲求に至るようです。

 

本シリーズは、映画の中で描かれいる自己実現に至った人々は、どんな行動をしているのかを検証してみようといシリーズです。

 

さて、自己実現は人生に幸福をもたらすものなのでしょうか?

 

↑SNS発信による自己実現は幸福をもたらす?

 

 

 

サスペンスではなく自己実現の映画です。


本作は2017年のアメリカ映画。

 

当時、既に話題となっていたInstagramで"映える"写真を投稿する若者たちを扱った本作は、現代における自己実現(5段階目)とは何かについて考えるキッカケとなるような作品!

 

 

現実での幸福を優先させるへきか?SNSの世界での幸福を優先させるべきなのかは、現代の若者たちにとって、とても深厚な問題なのだと思います…

 

↑地面に伏せて撮ってね!

 その角度からの写真がサイコーなの🤩

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ネットストーカーの恐怖を描いたサスペンス。

友人の披露宴に乱入し、施設に収容されたイングリッド。

退所後、SNSで華やかな生活を披露するテイラーのファンになった彼女は、友だちになろうとテイラーの暮らす街へ向かうが…。

監督:マット・スパイサー 脚本:デヴィッド・ブロンソン・スミス/マット・スパイサー 出演:オーブリー・プラザ/オシェア・ジャクソン・Jr/エリザベス・オルセン/ビリー・マグヌッセン

 

 

 

ん?

 

ネットストーカーの恐怖を描いたサスペンス作品??

 

 

 

…いえ汗

 

本作はサスペンス的な展開ではありません。

 

 

主人公のイングリッドは、友人の結婚式が開催されてる事をInstagramで知り、自分が招待されなかった事に激怒して会場に乱入し、新婦を襲撃した結果、病院に措置入院された女性!

 

↑花嫁に催涙スプレーを噴射したイングリッドは…

 

↑精神疾患だと診断され措置入院。

 

 

退院後、自宅に戻ったイングリッドでしたが、保護者であった母親は既に亡くなっており家に帰ってもひとりぼっち。

 

その上、結婚式場での奇行は周囲に知れ渡っているために、町で買い物をしていても後ろ指を差される生活にうんざりしたイングリッドは、一念発起して新しい場所で、人生をやり直そうと決意します。

 

↑買い物しているだけでも

 白い目で見られてしまうイングリッド。

 もう、こんな街にいたくないあせる

 

 

イングリッドが興味を持ったのはカリフォルニア!

 

退院後、一人部屋でInstagramを眺めていたイングリットは、カリフォルニアで夫のオズラと充実した生活を送っていたテイラー・スローというインスタグラマーと仲良くなりたいと思い、引っ越す事にしたのです。

 

↑テイラーのInstagramはセンス抜群!!

 「料理おいしそう!」とツイートしたら

 返事を描いてくれました😆

 そうだ。カリフォルニアに行こう!!

 

 

イングリッドは無職でしたが、母親が遺産として残してくれた約6万ドルを全て現金化してリュックに背負ってカリフォルニアに向かい、テイラーがSNSで発信している情報から、彼女の住んでいる場所を突き止めていったのです!!

 

↑母さんの遺産が6万ドル!!

 これでカリフォルニアでテイラーと仲良くなって

 新しい人生を始めよう!!

 

 

 

 

さて、イングリッドはどのような方法で、テイラーと仲良くなろうとしたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑カリフォルニアの朝日と共に、

 Instagramの新アカウントを作るイングリッド!

 ここから新しい人生が始まるのラブラブ

 

 

 

【私の感想】 悪意あるストーキングではなく…

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、ここまてせの解説だと、イングリッドが悪質なストーカーのように思えるかもしれませんが、本作の細部を検証してゆくと、イングリッドはストーカーではなく、統合失調症の一種である事が分かってきます。

 

 

統合失調症とは、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、現代のような複雑化してた社会においては誰にでも起こり得る症状。

 

イングリッドの場合、「ありえないことを信じる」という症状と「自分と他人の境界があいまいになる」という症状が該当すると思われます。

 

 

 

イングリッドが信じてしまった「ありえないこ」は、「テイラーが自分と友達になってくれるはず」という妄想

 

テイラーが雑誌のインタビューで「世界中の人と友達になるのが大好き(I love making friends with people all over the world.)」と言っているのを読んだイングリッドは、テイラーは自分の友達になっていれる人間だと(無邪気に)確信してしまったのです!

 

↑あ…。友達になってくれる人発見!!

 

 

そして、そんなイングリッドがテイラーに近づくために友達として実行した事が「自分と他人の境界があいまいになる」ような行為。

 

Instagramを通してテイラーの日常を知ったイングリッドは、テイラーと同じ店で朝食をとり、テイラーと同じ美容室で同じようにブロンド・ヘアにして、テイラーが愛読していると言ったノーマン・メイラーの「鹿の園」という小説を読みふけります。

 

↑(会った事ないけど)テイラーに

 共感してもらいたいからヘアカラーするわ!

 

 

 

はい。

 

これは、女の子が同じTV番組を観たり、同じブランドを着たり、同じアイドルを応援するような無邪気な行為と同じですね😊

 

 

 

けれど、統合失調症であるイングリッドは、そんな行為が不気味がられて、人から避けられてしまったいた可哀そうな女性だったのです…

 

↑あっテイラーが麦わら帽子買ってる!!

 だったら私も!

 これできっとテイラーが友達になってくれる😄

 

 

 

私見ですがそんな本作は、イングリッドをストーカー扱いして避けてしまう私たち一般人に対して作られた、心が痛んでいる人の気持ちを分かってあげられていますか?という優しい眼差しで作られた作品ではないかと思います。

 

ですが大変残念な事に日本の配給会社は、イングリッドの気持ちを察してあげる事ができず邦題を「イングリッド ネットストーカーの女」という悪意に満ちたタイトルにしてしまいました…

 

ちなみに原題は「INGRID GOES WEST(イングリッド 西へ行く)」

 

 

このタイトルの由来は、カリフォルニアでイングリッドが新しく作ったInstagramのアカウント名!

 

今度こそ、本当の友達ができると考えて西に向かったイングリッドですが、もしタイトルが「イングリッド もっと西へ行く」というタイトルで、日本まで来ていたとしたら、私たちは統合失調症の彼女の事を理解して、優しく接してあげる事ができたのでしょうか?

 

 

自己実現が「友達を作る」という極めてシンプルなものだとしても、それを実行するのが容易でない場合もある現代は、自己実現の夢が砕かれる可能性がある残酷な時代でもあるような気がするのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

↑テイラーと仲良くなれたにも関わらず

 奇行が目立つイングリッドは

 また誤解され変人扱いされ、そして…

 

 悪意も害意もないのに、

 誤解されて攻撃され続けるイングリッドは

 自己実現できない悲しい女性なのです…

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

フェティシズムに耽溺して

 

というテーマで

 

恋する遊園地

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい統合失調症の辛さが伝わる映画
「恋愛睡眠のすすめ」

 

隣室のステファニーが、自分の事が好きだと信じて疑わない統合失調症のステファンは、今日も夢の中で妄想のハッピーエンドを思い描き続けます…

 

天才ミシェル・ゴンドリー監督が描いた、統合失調症の人の混乱した頭の中の映像は必見です!

 

↑混乱した頭の中の描かれた幻覚とは!?