こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とビヨンド自己実現!というテーマで
アンダー・ザ・ウォーター(2017)
(原題 QEDA)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★ビヨンド自己実現!とは?
自己実現とは、別名「マズローの欲求5段階説」とも言われている"人間は豊かになってゆくステップで、欲しいものの質が変わってゆく"という考え方!
5段階目に到達すると「自己実現の欲求(自分が望んだような人生を送りたい!)」という欲求に至るようです。
本シリーズは、映画の中で描かれいる自己実現に至った人々は、どんな行動をしているのかを検証してみようといシリーズです。
さて、自己実現は人生に幸福をもたらすものなのでしょうか?
本作は2017年に公開されたスウェーデン、デンマーク、フィンランドの合作映画。
北欧3国が作った「アンダー・ザ・ウォーター」というタイトルの作品だと、ヨーロッパ北海の海の底に生息しているクラーケンのような謎生物が登場するような作品を想像されるかもしれませんが、本作の原題の「QEDA」は「量子をもつれさせ分断するエージェント(Quantum Entangled Divided Agent)」の略!
「量子をもつれさせ分断するエージェント」と言われてもサッパリ意味が分からないのではないかと思いますが、本作の主人公が、自分の体を2つに分裂させる事ができる超能力者ですので、それがご理解できれば、このタイトルにも違和感を感じなくなるのではないかと思います😊
そんなタイトルの本作は、自分の分身を過去に送り込んだエージェントが、自分の分身に反乱を起こされてしまうという、ちょっと不思議なSF映画なのです!
↑自分を分裂させられる超能力者の映画です!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
はい。
↑昔大通りだった場所が水没した2095年!
水没の影響で塩害が発生し、多くの動植物が死滅してしまった未来では、海面上昇をストップさせる秘策として「エージェントを過去に送って、海水を真水にに変えられる研究していた女性科学者が死亡するのを防ぐ」という極秘プロジェクトを決行します。
…という事は、2095年にはタイムスリップ技術が確立していたの?
はい。
ただしタイムスリップ゛可能なのは、「QEDA」と呼ばれる超能力者だけ!
「QEDA」は、量子を分裂させ、感覚を共有している自分の複製を生み出す事ができる特殊能力者。
感覚を共有している自分のコピーを作れるのですから、例え一人が過去に戻ったしたとしても、もう一人と連絡を取り続けられますので、歴史を改ざんも自由自在!!
そんな「QEDA」の危険性を危惧した政府は、国防省のファン・ルン大尉に「QEDA」たちの逮捕して監視下に置き、事実上、タイムトラベルを禁止していたのです。
ですが塩害を止めるには「QEDA」にタイムスリップを実行させ、過去に事故死してしまった女性研究者の所持していた研究データを入手させ、現代にいる側と情報共有させるという難易度の高いミッションを実行しなくてはなりません
高い倫理観とプロ意識が必要なこの極秘任務を命じられたファン大尉は、薬物投与によって自らが「QEDA」となり、分裂させた自分の分身を2017年へとタイムスリップさせる事に成功します!
政府高官の高い地位にあり、妻子を大切にしているファン大佐は、歴史改ざんなど一切考えない真面目で高潔な男ですので、難なく任務は成功し、女性研究者のデータは、現代で待機していたファン大尉に無事届けられたのです😄
↑過去に行ったファン大尉が
女性研究者のデータを見つめていると…
↑感覚を共有している現代のファン大尉が
データを書き写します!
これぞ時空を超えたカンニング!!
という事は任務は成功して、海水を真水に変えられるようになったの?
はい。
ファン大尉の任務は大成功😆
ですが、データを送った後、戻るはずだった過去に行った自分は、いつまで経っても戻ってこなかっただけでなく、過去戻ったファン大尉が過去を改ざんしているらしく、現代の地球に深刻なダメージが発生し始めたのです!!
さて、真面目で高潔なはずの過去に戻ったファン大尉には、一体何が起こっていたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑こんな地球を救わなければと考え
タイムスリップを実行したファン大尉でしたが…
↑過去の自分は帰って来ないばかりか
気が付けば地球環境は以前より劣悪に!!
何やってんの!俺
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、人類救済という崇高な任務を抱いて「QEDA」となる事を決意したファン大尉は明らかに、マズローの5段階目の「自己実現の為の人生」を体現したような人物!
生存の為(1段階目)でもなく、安定した生活の為(2段階目)でもなく、他者との同化の為(3段階目)でもなく、他者から評価されたい為(4段階目)でもない、人類救済の極秘任務は、自分が望んだような人生を送りたいという5段階目の欲求を満たしたような行動であると考えられます。
けれど、自分の望んだような人生を送りたいという欲求の果てに、自分でも気づく事がなかった新たな欲求がある事を発見した場合、人はどう行動するのでしょうか?
↑政府に重用され、成果を出し、
幸せな家族を築いていたファン大尉は
不満なんかありませんでした…
そう。
人間の欲求や視点というものは、新たな視点が生まれるたびに変化してしまうもの!
自己実現こそが生きる目的だと信じていた2095年のファン大佐は、2017年の世界を知ってしまったファン大佐の心の中に生まれた新しい価値観に翻弄される事となってしまうのです。
私見ですがそんな本作は、自己実現の定義が簡単に書き換えられてしまう人間の心の複雑さを描いた心理系のSF映画でると共に、自分がファン大尉の立場だとしたら、果たしてどちらの自己実現に共感するのかを考えさせる哲学的な作品となっていると思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
↑塩害の2095年しか知らないファン大尉と…
↑涙が出るほど美しい2017年の世界を
知ってしまったファン大尉とでは
同じ人格でも価値観が変化するのでは?
自己実現というのは、立場や世界観によって
容易く変化するものなのだと思います。
という訳で次回は
自己実現のための人生!
というテーマで
イングリッド
-ネットストーカーの女-
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい人生観が変化する映画
「LIFE!」
自分のスタンスを変化させ、何かを始めるのなら人生は無限大!
今、立ち止まってしまっている全ての人々に捧げられたベン・スティラー渾身の成長物語である本作は、自己実現は見ている世界によって変化する事を教えてくれる、人生の応援歌のような作品なのです😄