こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と世界の写窓からというテーマで

 

エマ、愛の罠(2019)

(原題 EMA)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★世界の写窓からとは?

 

自由に海外旅行を楽しめたのが、遠い昔の様になってしまった2020年代。

 

今海外は、一体どのような状況になっているのでしょうか…

 

「世界の写窓から」は、そんな世界各地の状況を、映画に写った画像を通して観に行こうというコンセプトで映画紹介をしてゆくシリーズです😊

 

↑本日の写窓はチリのバルパライソです😉

 

 

 

情熱の異世界チリ!


本作は20年に公開されたチリの映画ですが、原題はシンプルに「エマ(EMA)」という主人公の女性名!

 

 

という事は本作は、主人公のエマが頑張ったり活躍したりする物語??

 

 

 

…えっと汗

 

チリは情熱の国スペインのラテン系の血を引く方々が住んでいる国。

 

 

 

感情豊かなラテン系の人々の思考や行動原理は、私たち日本人が想像しているものとは大きく違っているのです…

 

↑これがエマの情熱だ!!!!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

南米チリを代表する映画監督パブロ・ララインが贈る衝撃のドラマ。

放火事件を起こした7歳の養子を児童福祉局に返す羽目になったダンサーのエマ。

それがきっかけで夫との結婚生活も破綻し、絶望に沈んだ彼女は、ある思惑を秘めて女性弁護士に接近する……。

出演は、ラライン自身が発掘し、本作が映画初主演となるマリアーナ・ディ・ジローラモ、「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」などでもララインと組んだガエル・ガルシア・ベルナル。

 

 

 

 

…放火事件を起こした7歳の養子???

 

 

はい。

 

映画の冒頭、エマはポロという養子の少年への管理不行き届きを理由に、ポロの養育権をはく奪されてしまっています!

 

 

 

ポロが放火した理由はハッキリとは描かれていませんが、レトゲンという情熱的でややファナティック(狂信的)なダンスを踊る事に熱中しているダンサーのエマと、彼女の踊るダンスをの振り付けを担当している夫のガストンは、レトゲンに魅入られたような生活をしていてたようですので、ポロが二人の影響を受けて、過激な行動に出てしまったのではないかと想像できます。

 

↑没入感の強いレトゲンのダンス!

 

 

養育権を取りあげられてしまった事に激怒したエマは、ポロを取り上げたソーシャルワーカーに喰ってかかりますが、ポロが保護施設に引き取られた後、別の家に養子縁組させられたかどうかも教えてもらえませんあせる

 

↑ポロを返して欲しいと直談判するエマですが

 ポロが大事件を起こした責任は

 母親であるエマにあると言われてしまいます…

 

 

その上、ポロが通っていた学校で子供たちにレトゲンを教えていたエマは失職し、ガストンとも大喧嘩をして家を出てしまったエマは、唯一の心の拠り所として、益々レトゲンにのめり込んでいくのです!

 

↑自分が感じていたレトゲンへの情熱を

 そのまま子供たちに伝えていたエマでしたが…

 

↑「母親失格の人間は教員として失格」

 と言われ、失職してしまったエマ。

 

↑さらに夫のガストンとも言い争いになり

 家を出る事になってしまいます汗

 

 

 

さて、八方塞がりのような状態となってしまったエマは、果たしてどうなってしまうのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑何もなくなったエマが没入するレトゲン!

 彼女は胸中で、一体何を想っていたのでしょう?

 

 

 

【私の感想】 ラテンの世界で何よりも優先されるもの

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はラテン系の映画を観た経験が少ないと、何が描かれているかちょっと分かりにくい作品。

 

ラテン系の映画とは、スペイン、メキシコ、アルゼンチン、チリなどで作られた作品の事であり、これらの作品の多くでは、理性的な判断よりも情熱による実行力の方が尊いものであると描かれる事が少なくありません!

 

 

「アモーレ・ぺロス」は、愛を最優先する人たちが織りなす群像劇。

 

↑愛は論理を超えた感情である

 という人生を送る3人の人生が交差する作品!

 

 

 

 

「堕落の王国」は、退廃を追求する男女の物語。

 

↑「愛」の反対は「退屈」であると断じる男は

 様々な愛を試し続ける退廃こそが

 有意義な人生なのだと語ります。

 

 

 

 

「ブック・オブ・マイロ」は、死んだ後も家族の思い出を語り継ぐ事の大切さ。

 

↑家族は思い出を語ってくれる人がいる限り

 死んだ世界でも生き続けられる!

 

 

 

 

そう。

 

ヒスパニック的生き方というのは、自分の感情と真正面から向き合う事を何よりも尊いものだと考える、情念至上主義ともいうべき考え方なのです!!

 

 

という事は、ポロとガストンを失ったエマは、情熱の全てをレトゲンに向けるの?

 

 

 

いいえ。

 

レトゲンはエマの情熱を具現化する表現であって、目的ではありません!!

 

 

 

私見ですがそんな本作は、レトゲンを踊るエマの目の中に燃え盛る"絶対にポロを取り戻す"という情念を念頭に入れて映画をご覧になって頂けると、情熱で目的を果たしてゆくというラテン的な生き方の魅力が分かる映画となっているよう思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

↑一見、意味不明のエマのレトゲン・シーンですが

 彼女の想いを言葉でなくダンスで表現した本作は

 極めてヒスパニック的な情熱が描かれた

 "諦めない女の子の映画"だと思います😘

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

人生とはクラゲの如し

 

というテーマで

 

ジェリーフィッシュ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たいヒスパニック系映画
「4人の女」

 

原題は、スペインのギター曲と同じ「SOLO QUIERO CAMINAR(ただ、歩きたいだけ)」。

 

スペインで銀行強盗していた3人の女性たちは、数奇な運命に導かれてメキシコでギャングの金を強奪して、大切な仲間の命を弄んだ悪党に破滅の一撃を与えるのです!

 

本作に登場する4人もまた、情熱に突き動かされた人生を歩むのです😆