こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と世界の写窓からというテーマで
トレジャー オトナタチの贈り物。(2015)
(原題 COMOARA)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★世界の写窓からとは?
自由に海外旅行を楽しめたのが、遠い昔の様になってしまった2020年代。
今海外は、一体どのような状況になっているのでしょうか…
「世界の写窓から」は、そんな世界各地の状況を、映画に写った画像を通して観に行こうというコンセプトで映画紹介をしてゆくシリーズです😊
本作は、2015年に公開されたルーマニアとフランスの合作映画。
ルーマニアと言えば、1989年にニコラエ・チャウシェスクの独裁政権が打倒されて民主化された東ヨーロッパの旧共産圏。
そんなルーマニアの現在は、一体どんな状態なのでしょうか?
本作は、そんなルーマニア人の暮らしを垣間見る事ができるコメディ映画なのです😄
↑ルーマニアのお父さんは、
子供に何を読み聞かせるのでしょう?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…隣人から怪しい宝探しの話を持ち掛けられる??
↑「祖父が財産を埋めたという証拠は!?」
「祖父が死ぬ直前に、俺に向かって
家を頼むと言ったんだ。
という事は、家に財産があるって事だ!」
「え… (そんだけ) 」
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、もし日本で本作のようなシチュエーションが起こったとしても、ほとんどの人はアドリアンの言葉を信用しないのではないでしょうか?
ですがルーマニアは、共産政権になった時に、多くの国民の私有財産を没収されてしまった過去がある国家。
当然ですが、共産政権になる前に裕福だった人々は、財産が没収される前に、何らかの方法で財産を隠しておいた可能性があったのです!!
そう。
人にも国にも歴史があり、自分の先祖が財産を隠さなくてはならなかった時代を経験した国では、財宝探しも決して夢物語ではないのです。
↑コスティの家計だって裕福ではありません!
このまま貧乏人生でいいのだろうか…
ただし裕福なルーマニア人が財産を隠してしまい、貴重な文化財が失われた事で困っていたのは現国家も同じ!
ですのでルーマニアにおいては、個人が宝を隠し財宝を発見した場合、警察に通報し、文化財だと判明すれば没収される決まりになっているようなのです!
私見ですがそんな本作は、もし国家が滅亡し、私有財産が接収されてしまった場合どうなるかを考えるキッカケになる映画であると共に、2007年にEUに加盟した事により、西洋諸国との賃金格差に悩まされ続けているルーマニア人たちが、夢みたいな財宝話にさえ、一縷の望みをかけなくてはならない現状を理解する上でも、貴重な作品となっていると思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
↑ところで、どうやって庭に埋めた財産を探すの?
全くノープランだったアドリアンの代わりに
金属探知機を扱える業者を雇って
庭を探知させる事にしたコスティ!
むむ。この木の下に、鉄以外の金属が!!
↑「ところで、お前の裕福だった爺さんは
共産国家になる前、何をしてたの?」
アドリアンの話を聞けば聞くほど
この財宝がある可能性は絶望的な感じ
ですが本作は悲劇でも、喜劇でもなく、
数奇な運命の国ルーマニアで実際に起こった
心温まるファンタジーなのです😊
という訳で次回は
ベトナム今昔物語
というテーマで
コウノトリの歌
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいルーマニアが舞台の映画
「ノスフェラトゥ」
第一次大戦後ルーマニア領となったトランシルヴァニアの古城に住む不死者ノスフェラトゥは、狂気と死をまき散らす災厄となってロンドンを死の街へと変えて行きます!
本作で描かれるトランシルヴァニアは、人間の住むところではないような恐ろしい辺境地帯!!
怪物ノスフェラトゥがロンドンに持ち込んだトランシルヴァニアの穢れた土の中は、ロンドンにペストをもたらします。
本作で描かれた中世のルーマニアは、今、死が蔓延する穢れた地なのです…