こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と世界の写窓からというテーマで

 

モールおじさんとチョコレート工場(2017)

(原題:PAPA MOLL)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

★世界の写窓からとは?

 

自由に海外旅行を楽しめたのが、遠い昔の様になってしまった2020年代。

 

今海外は、一体どのような状況になっているのでしょうか…

 

「世界の写窓から」は、そんな世界各地の状況を、映画に写った画像を通して観に行こうというコンセプトで映画紹介をしてゆくシリーズです😊

 

 

↑本日の写窓はスイスです😊
 

 

 

 

1952年に出版された児童文学

 

本作の原作は、スイスの作家エディス・オッペンハイム・ヨナスさんが1952年に出版された「パパ・モール(Papa Moll)」というコミック作品!

 

↑こちらが「パパ・モール」の原書。

 

 

頭長の毛が5本しかないモールおじさんと家族の物語は、長年スイス国民に愛されシリーズ化していたようですが、他国に翻訳された事はほとんどないようで、本作で初の海外デビューとなったようです😊

 

 

↑映画の内容から察するに、本作の原作は

 「Papa Moll und der fliegende Hund

  (パパ・モールと空飛ぶ犬)」だと思われます。

 

 

 

そんなスイス生まれの本作は、スイスが誇る特産品であるチョコレートも登場する、家族で楽しめるファミリー・ムービーとなっているのです😄

 

↑スイス生まれのチョコレートはいかが?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

本作は「キネマ旬報社」さんのデータベースに存在しませんので、amazonの紹介文によれば本作の解説は以下の通り。

 

「papa moll(パパ・モール)」は、1952年にスイスのエディス・オッペンハイム=ジョナスが描いた紙芝居のキャラクター。

当時、地元の青少年福祉局の要請により、すべてのアメリカン・コミックに対抗するキャラクターとして生まれた。

以来「パパ・モール」は、数々のコミック、ゲーム、ラジオドラマ化され、さらにはアミューズメントパークの開設を経て、ついに長編実写映画が誕生!

永く愛される馴染みのキャラクターが実写で動き出し、子供から大人まで家族全員が楽しめるカラフルでクリエイティブな映画に仕上がった。

 

 

 
 

はい。

 

これはとても素晴らしい解説ですね😆

 

↑恐らくですが、これがアミューズメントパークの画像!

 

 

本作は、アメリカナイズされた家族関係の作品ではなく、スイスの地方に住んでいる、ごく平凡な家族の暮らしをフィーチャーしたような牧歌的な作品!

 

 

モールおじさんは、地元のチョコレート工場で技師を務めている善良なおじさん。

 

彼はスイス・チョコの素晴らしさを、もっと人々に知ってもらいたいと日夜考えてますが、創業者の社長から会社を任されている工場長のシュトゥスは、薄利多売の経営方針を打ち出し、チョコの生産スピードを上げるよう命令します!

 

↑最近、売り上げが下降気味のマーモット・チョコを

 リニューアルして美味しくしたいと提案する

 モールおじさんでしたが…

 

↑シュトゥスの考えは薄利多売!

 沢山作って中国で売りさばく事にした!!

 

 

そんな仕事場での悩みが尽きないモールおじさんですが、彼の3人の子供たちも、彼らなりの問題を抱えていました。

 

 

 

長男ヴィリーは勉強好きですが勇気がなく、常にいじめの標的に!

 

次男のフリッツはイタズラばかりしており、ついに学校で呼び出しを喰らってしまいます!

 

めいぐるみ好きの末っ子のエフィの悩みは、本物の犬が飼いたい事!

 

↑左から、ヴィリー、フリッツ、エフィ。

 

 

そんなある日、彼らの町に空飛ぶ犬を連れたサーカス団がやって来る事を知ったエフィは大喜び!!

 

↑サーカスのポスターの犬にラブラブのエフィ!

 絶対行きたい😍行きたい😍😍

 

 

どうしても週末にサーカスに連れて行って欲しいとモールおじさんに頼んだエフィですが、モールおじさんさんはシュトゥスから、月曜日までにモーマット・チョコを1万個作れという無茶な命令を受けていたのです!!

 

↑すでに工場の稼働率は危険な状態でしたが

 シュトゥスは更なる増産を命じたのです!

 

 

 

さて、チョコレート工場をこよなく愛するモールおじさんは、果てしてエフィたちをサーカスへと連れて行く事にしたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑先生から呼び出しの手紙を渡されたフリッツは
 モールおじさんに手紙を見せずに
 捨ててしまいましたあせるあせる
 モール一家は問題山積です!
 
 

 

【私の感想】 家族と地域の幸福を再考しよう!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は子供たちの悩みを理解していなかったモールおじさんが、子供を理解する事で子供たちからも尊敬されてゆく、家族の融和を描いた作品であると同時に、地域産業に従事するモールおじさんのカッコよさを子供たちに伝えて行く「カッコいいパパの映画」でもあります!

 

↑子供たちと対立していモールおじさんが…

 

↑愛すべきパパとなってゆく映画です😊

 

 

そしてこれら2つはスイスに限らず、現代世界では忘れられつつある大切な問題!!

 

 

子供の生き方に関心を持って応援できる親になる事と、仕事をしている親の姿を見て、子供たちが親を尊敬する事は、表裏一体なのだと思います😘

 

 

 

そう。

 

人間とは尊厳によって繋がってゆく存在。

 

 

 

一方的な命令や叱責だけでは、幸福な家庭も職場も望めないものなのです…

 

↑本作を実写化するにあたって原作にはない

 モールおじさんを会社員にした理由は…

 

↑家庭でも仕事でも、思いやりを喪えば

 崩壊してしまうという事を

 伝えたかったからではないかと思います。

 

 

 

私見ですが本作のような作品は、崩壊しつつある地域社会を再生するためには、作っても損のない作品ではないかと思います。

 

日本には全国各地に特産品や名産品がいっぱい😄

 

そんな名産品づくりに誇りを持つ、保護者と子供たちがお互いに理解して、幸せになってゆく映画というのは、全国各地バージョンで作られ、繰り返し語られていても良いのではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

↑家族を愛し、名産品を愛し、仕事に誇りを持つ。

 そんな地域社会って、素敵だと思います😊

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

マージナルな世界

というテーマで

 

バクラウ 地図から消された村

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい親子の映画
「ミラクル7号」

 

チャウ・シンチー監督は、貧乏だけど慎ましく生きる人々の素晴らしさを描き続けている監督。

 

本作では、貧乏だけど息子に良い教育を受けさせるために日夜働き続けるお父さんが、オモチャの代わりにゴミ捨て場から拾ってきたボールが宇宙人のペットだったというファンタジー映画!!

 

自分が貧乏なのを恨んで父親に暴言を吐いていたディッキーは、本当の幸せとは一体どんなものだったのかを理解した時、泣きながら後悔するのです…