こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日もグラインドハウス今昔物語というテーマで
マンハッタン・ベイビー(1982)
(原題:MANHATTAN BABY)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★グラインドハウス今昔物語とは?
本作は「サンゲリア」「地獄の門」「ビヨンド」に続く、ルチオ・フルチ監督のクトゥルー神話系ホラー映画!
前作までの3作品の共通点を簡単にまとめると…
1.誰かが太古の邪悪な何かを呼び出してしまう
2.呼び出された何かは制御不能となる
3.その結果、現代文明の頂点NYのマンハッタンにも死の匂いが漂い始める
4.不気味な末路を暗示して映画は終わる
という陰鬱な展開!
↑自分の死によって何かを呼び出してしまう
ダンウィッチの牧師!(地獄の門)
↑何かが地上に降臨するのを留めていた
磔死体を無自覚な取り除いてしまう女主人公(ビヨンド)
↑文明の頂点ニューヨークの壊滅を匂わせる
陰鬱なラスト!(サンゲリア)
…という事は本日の作品も、邪悪な何かがマンハッタンに降臨するの?
はい、その通り!!
ただし本作は、今までより刺激を抑えたジュブナイル向け作品となっていますので、前3作に比べると、絶望的ではない展開となっているのです😊 🎃 😈 💀
↑主人公は、マンハッタンに住む無垢な少女!
果たして彼女の身に何が!?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
↑母と遺跡巡りをする幼いスージー。
↑「墓地は死者のもの…」「???」
スージーには、盲目の老婆の言っている意味が全く分かりませんでしたが、ちょうどその頃ハッカー教授は、ピラミッドより遥か昔の古代遺跡を発見し、内部に侵入していたのです!
↑「あの黒い蛇の文様は何だ?」
「あの蛇の向こうには、墓所があるみたいだ!」
今まで誰も入った事のない太古の墓所の発見に喜ぶハッカー教授ですが、トラップに引っ掛かって助手が串刺しになって死亡し、教授自身も遺跡から発せられた謎の光線に目を貫かれて一時的に失明してしまったのです!
↑目に攻撃を受け失明するハッカー教授!
ちなみに、ハッカー教授の目を攻撃した遺跡に刻まれた文様は、スージーがもらったメダリオンと同じもの!!
ですがスージーは、謎のメダリオンを貰った事を父母にも伝えず、NYに帰った後も、秘密の宝物のように人目に触れないようにして持ち歩くようになっていったのです!
さて、NYのマンハッタンに帰って目の治療に専念する事になったハッカー教授と、メダリオンに憑りつかれたようになったスージーには、一体どんな運命が待っていたのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑スージーがメダリオンを持っている事を
偶然知ってしまった弟とベビーシッターの女性は
この後、メダルの呪いに憑りつかれるのです…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、ここまでの解説で何となくお分かり頂けるように、本作は全3作とは明らかに異なるテイストの"少年少女向けホラー映画"!
ですのでメダリオンの呪いによって多くの犠牲者は出ますが、全3作のような絶望的なラストではなく、スージーは九死に一生を得て、メダリオンから解放される事となります。
↑スージーの部屋に侵入した母親の同僚は
何故かエジプトの地で死体となってしまいした!
ハッカー教授の太古の墓所暴きは
スージーを媒介してマンハッタンに災厄を招きます!
そう。
人知を超えた呪いは、当事者たちの意思を越えて、周囲に災厄をもたらすもの!!
なお、ハッカー教授の発見した遺跡は、紀元前5千年前のもの!!
5千年前という事は、ピラミッドなどの文明が誕生する紀元前3千年よりも2千年も前に作られた、もはや記録さえ残っていない太古の墓所!!
そんな昔の墓所に埋葬されていたのは、私たちと同じ人類だったのでしょうか…
クトゥルー神話に登場する邪悪な存在が、人類の誕生前の地球に存在していたのだとすれば、5千年前の遺跡に埋葬された何かは、人類とは異なる存在だったのかもしれないのです…
↑クトゥルー神話の「無名都市」という小説の舞台は
アラビア半島南部の砂漠の地下にある都市!
かつてそこに住んでいたのは、人類とは別種の
爬虫類のような種族でした…
↑そしてスージーの持っているメダリオンは
ヘビのカタチを模したものであり
ハッカー教授が墓所で見たのもヘビの文様!
劇中ではハッキリと描かれてはいませんが
本作は「無名都市」に迷い込んでハッカー教授が
太古の呪いに娘にかけられてしまうという
クトゥルー神話系ホラーなのだと思います 🎃 😈 💀
という訳で次回は
太古の呪いより恐ろしいもの
というテーマで
マーダー・ロック
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいグラインドハウス系映画
「ルーヴルの怪人」
本作は「エジプトのミイラの呪い」と勘違いされてしまう場合が多いのですが、ミイラは人間が埋葬されたものですので、我々と思考が近い行動をします。
エジプトのミイラを持ち込んでしまったパリ・ルーヴル美術館で復活したミイラの幽霊は、自分と共に安置されていた埋葬品が失われた事で動き出したのであり、本日の作品の様に、スージーの周辺に災厄をまき散らしていくような邪悪な存在ではないのです…