こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで

 

チェンジリング(1979年作品) 

(原題:THE CHANGELING)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ミステリアスなタイトル!

 

本作のタイトルは取り換え子を意味する「チェンジリング(THE CHANGELING)」

 

チェンジリングとは、ヨーロッパの妖精譚に登場する、人間の子供をさらってしまう悪い妖精の総称!

 

 

人間の子供をさらってしまう悪い妖精の映画と言えば「ラビリンス/魔王の迷宮」という作品が有名ですね😊

 

↑「弟なんて大っ嫌い!どこかへ行って!」と言ったら…

 

↑妖精の王様に弟を取られてしまいましたあせる

 (「ラビリンス/魔王の迷宮」より)

 

 

「ラビリンス」は、妖精たちから12時間以内に弟を取り返さなければゴブリンにされてしまういう映画!

 

ですので正確に言えば「ラビリンス」に登場する悪い妖精はチェンジリング(取り替え子)ではなく、トランスフォーミング(変化させる)という事になります!

 

↑2008年に作られた「チェンジリング」という別作品は

 失踪した自分の子を必死で捜索していた母親の元に

 全くの別の子供が戻ってきたという実話に基づく

 まさにチェンジリングなお話となっています!

 

 

 

ですが本日の作品は、娘を事故で喪った老教授が体験する幽霊譚!!

 

…娘は死んでしまっているのでチェンジリングというタイトルはおかしいのでは?という疑問を持ちながら映画を観て行くと、映画の中盤でチェンジリングというタイトルの真の意味が分かって来る、謎解き映画にもなっているのです😄

 

 

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通りと書こうと思ったのですが…

 

キネマ旬報さんの「チェンジリング」の項目は、思いっきりネタバレが書かれている観る楽しみを奪うような解説となってしまっているために、ご紹介するのを躊躇するような内容汗汗
 

 
ですので今回は、私なりの解説のみとさせて頂ければと思いますので、どうぞご容赦いただければと思います😅

 

 

 

本作の主人公は大学で音楽を教えていたジョンという老教授。

 

愛妻と娘と共に雪山をドライブしていたジョンですが、雪道で車が故障し動かなくなってしまいます。

 

助けを呼ぶために公衆電話に向かったジョンでしたが、そんな時、突如現れた対向車によって妻と娘がひき殺されてしまったのです!!

 

↑仲睦まじいジョンの一家でしたが…

 

↑ジョンの目の前で妻子は轢死してしまいました…

 

 

事故のショックで、しばらくの間休職していたジョンでしたが、シアトルの大学から招聘されたのを機に、妻子の想い出の残るニューヨークからシアトルへと転居する事を決めます。

 

↑ニューヨークに住んでいると、娘を思い出して辛い…

 

 

シアトルでジョンの招聘に尽力してくれたのはクレア・ノーマンとい歴史保存協会に勤めている若い女性!

 

彼女はジョンのために、チェスマン邸という屋敷を用意していてくれました。

 

チェスマン邸は長い間住む人がいなかった大きなお屋敷ですが、ピアノなどの豪華な調度品もそのまま残されており、作曲家であるジョンにはピッタリの場所!

 

他者とま交流を避け静かに暮らしたいジョンは、喜んでチェスマン邸に住む事を承諾しますが、チェスマン邸は毎朝6時になると金属を打ち鳴らすような大きな音が鳴り響く、幽霊屋敷だったのです!

 

↑人里離れたチェスマン邸で音楽と向き合って暮らせば

 妻子との想い出も忘れられそうだと思ったジョンですが…

 

↑チェスマン邸は人間ではない何かが棲みついている

 幽霊屋敷だったのです…

 

 

 

さて、チェスマン邸で朝6時になり響く怪奇音の正体は一体何だったのでしょう?そしてチェスマン邸が幽霊屋敷だと知ったジョンは、いったいどんな行動に出たのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑チェスマン邸の幽霊は一体何をしたいのでしょうか?

 

 

 

発掘良品セレクションからの推測

 

ここまでの解説ですと、本作はよくある幽霊屋敷系のホラー映画のように思われるかもしれませんが、屋敷で起こる怪奇現象は、ジョンを傷つけたり、怖がらせるようなものではなく、何かを必死に訴えているようなメッセージ性を帯びたもの!

 

その事に気づいたジョンは、なんとチェスマン邸過去を調査し、幽霊の想いを汲み取ろうとし始めるのです!!

 

↑どうも怪奇音は、あの部屋から聞こえてくるようだが

 あの部屋に行く通路なんてないぞ!?

 

 

…つまりジョンは幽霊が怖くないって事?

 

 

 

はい。

 

ジョンは幽霊を怖がらず、幽霊が行う謎めいた行為に辛抱強く向き合って、ジョンに何を頼んでいるのかを理解しようとし続けます。

 

 

 

私見ですがジョンが幽霊に対して親身になる理由は、娘にしてれなかった事に対する慙愧の念から!

 

娘が死んだ時、目の前にいながら見ている事しかできなかったジョンは、まるで娘への償いのように、幽霊の想いを汲み取ろうとしていくのです!

 

↑娘の夢を見て涙を流し続けるジョン。

 何かしてあげられる事はなかったのだろうか…

 

 

 

本シリーズを続けてお読み頂いていらっしゃる方はお気づきかもしれませんが、前回ご紹介させて頂いた「ジェイコブス・ラダー」は、交通事故で息子を亡くしたジェイコブが主人公!

 

↑可愛いゲイブは自転車の事故で亡くなっています。

 (「ジェイコブス・ラダー」より)

 

 

ジェイコブは死んだゲイブに再度会いたいと願い続けており、混乱した夢の中でもゲイブの面影を求め続けています。

 

↑大好きな大好きなゲイブに…また逢いたい

 

 

 

 

 

そう。

 

 

本作のジョンもジェイコブと同様、亡くなった娘にもう一度逢いたいと願い続けている男。

 

だからこそ彼は、チェスマン邸で亡くなったのが幼い娘だと知って、必死になって幽霊の想いに答えようとするのです!

 

まるで自分の娘にしてあげられなかった事の償いをするように…

 

↑今度は見殺しにはしないよ…

 

 

 

 

本作は謎解き映画ですので、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、タイトルのチェンジリングの意味は、亡くなったジョンの娘と、屋敷で亡くなった娘の事ではありません。

 

ジョンがチェスマン邸の幽霊の想いを完全に理解した時、それまで想像もしていなかったチェンジリングの真の意味が明らかになります!

 

 

 

本作は、屋敷系ホラー映画であり、家族との死別を描いた哀惜の物語であり、手に汗握るサスペンス映画にもなっている、大変贅沢な映画だと思います😊

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

愛憎相半ば

 

というテーマで

 

ウィズネイルと僕

 

という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛