こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日は想像力とレイト・ナイト・テイルズというテーマで

 

トーク・レディオ

(原題:TALK RADIO)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ディスクジョッキーと語ろう!

 

 

本作は、ラジオの深夜番組でDJとリスナーとがトークをする映画!

 

 

 

ああ。

 

そういう深夜番組いっぱいありますよね😄

 

 

 

だとしたら本作の内容はDJとリスナーが会話で繋がるレイト・ナイトのハートフル・ストーリー??

 

 

 

いいえ!

 

本作に登場するDJのバリー・シャンプレーンは、リスナーを罵倒し、中傷し、苛立たせるショック・ラジオ(shock jock)の達人だったのです!!

 

↑あんたみたいなバカと話しても時間の無駄!!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

現在欧米で議論を呼んでいる“ショック・ラジオ”を舞台に、マス・メディアと聴取者との間の敵意と憎悪を描く。

製作はエドワード・R・プレスマンとA・キットマン・ホー、監督は「ウォール街」のオリヴァー・ストーン、スティーブン・シンギュラーの原作と主演のエリック・ボゴジアンの同名戯曲を基に、脚本はボゴジアンとストーンの共同、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はスチュワート・コープランドが担当。出演はほかにエレン・グリーン、レスリー・ホープなど。
 

ショック・ラジオって何?

 

 

 

ショック・ラジオは、今で言う“炎上マーケティング”みたいなもの!

 

ウィキペディアによれば炎上マーケティングとは炎上を意図的に引き起こし、世間に注目させることで売り上げや知名度を伸ばすというマーケティング手法のこと!

 

 

 

…でも、リスナーを怒らせてしまったら、番組が成り立たないのでは😟

 

 

 

いえいえ。

 

そうでもないのです!

 

 

 

炎上系DJは、わざとリスナーを怒らせるような話をしますので、リスナーはDJの言っている事にイラっとしたり、ムカついたり、反発します。

 

激怒したリスナーの中には、DJに文句を言うために電話をかけ、DJと口論する事になりますが、そんなやり取りを聴くのが楽しい他のリスナーは、今夜も番組をチェック事となるので、結果的に話題の番組になってゆくのです😁

 

 

本作の主人公のバリー・シャンプレーンは、そんなショック・ラジオの第一人者!

 

彼がパーソナリティーわ務めているナイトトークという深夜番組には、今夜も多くのリスナーがバリーと話をしたくて電話をかけてきます!

 

↑今夜も多くのリスナーが電話をかけてきました!

 さて、今夜はどいつをイラつかせるかな?

 

 

風の吹くまま気の向くまのアドリブで、リスナーたちと丁々発矢のやり取りを楽しむバリーですが、ユダヤ人であるバリーは、他民族への蔑視やヘイトに近い暴言を連発する傾向があり、本気で怒り出す人も少なくありません!

 

 

ですが激怒したリスナーこそバリーの大好物!!

 

 

相手を怒らせ、怒りが頂点になった頃を見計らってガチャ切りするバリーは、喧嘩上等の嫌われ系DJだったのです!

 

↑今夜もリスナーを怒らせまくりだ!いよっ嫌われ者!!

 

 

そんなバリーの番組は話題となり、なんと全国放送の話が舞い込んで来たのです!

 

 

 

さて、炎上マーケティングの達人バリーは、果たして全国放送の人気パーソナリティーとなれたのでしょうか?
 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑全国ネットを審査する役員の前で行う今夜のDJ

 負けられない戦いがここにある!!

 

 

 

憎まれる才能に恵まれて…

 

本作は、ほとんどがバリーの一人芝居で進行する舞台劇のような作品!

 

 

相手の姿が見えないにも関わらず、人をイラつかせる才能に恵まれたバリーは、次から次へとリスナーを罵倒し、怒らせていきます!

 

当然ですがそんなリスナーの中には、バリーに殺意を抱いたり、バリーの発言に傷つき自殺をほのめかす人も出て来るのです!

 

↑バリーへの脅迫状や殺人予告も日常茶飯事!!

 

 

 

…一体どうしてバリーは、そこまでして嫌われようとするのでしょう?

 

 

 

 

実はバリーは嫌われようとしているのではなく、好かれようとしていたのです!!

 

 

 

以前深夜ラジオのリスナーだったバリーは、番組での悪口トークが面白かったためにゲストとしてラジオ局に呼んでもらい、それが縁でDJになれた男!

 

つまりバリーにとって悪口とは、他者から認めてもらった唯一の才能だったのです!

 

↑君おもしろいよ!是非ラジオ局に来てトークしよう!

 洋服屋の店員だったバリーは、悪口を認めらて成功した男。

 

 

 

だからバリーは、どんなに人から嫌われても罵詈雑言をやめる事はできません。

 

 

 

そう。

 

 

もし毒舌の才能がなくなれば、彼はきっとお払い箱!!

 

だからバリーは今夜も、自分の本当の気持ちを殺してリスナーに嫌われ続けます!

 

 

 

たとえ恋人に去られても、たとえ周囲に誤解されても、悪口だけが他者がバリーを認める唯一のアイデンティティなのですから…

 

↑バリー今夜も君はサイコーだ!!!!!

 … … … 😥

 

 

 

恐らくですが近年SNSやYOUTUBEなどで炎上を繰り返している人の中にも、少ならずバリーと同じ悩みを抱えている人はいると思われます。

 

 

「我思う故に我在り」ではなく「我ディスる故に我在り」という哀しい才能を持ってしまった人は、今夜もきっと他者に嫌われる言葉を発し続けているのです…

 

 

 

 

 

おまけ①

今宵のレイト・ナイト・サウンドトラック (late night soundtrack)

 

本作のラストは、バリーの心中を知らないリスナーたちの勝手な発言の後で終わりますが、その後に流れる不思議な音楽は、映画以上に心に残ります。

 

ペンギン・カフェ・オーケストラの電話音とアコースティック・サウンドのミックスは、この映画を知らない方にとっては“いやし系サウンド”😊

 

ですが、レイト・ナイトに憎まれ口を発信し続けるバリーの心中を想像すると、なんだか寂しくなる“泣ける音楽”なのです。

 

↑「Telephone and Rubber Band」 by The Penguin Cafe Orchestra

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

夢の回廊

 

というテーマで

 

夜更かし羊が寝る前に

~君を捜しに行くまでの物語~

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

おまけ②
「危険な関係(ホ・ジノ監督版)」を推敲しました!


 2020年1月10日にアップした「危険な関係(ホ・ジノ監督版)」という作品の解説を推敲してアップいたしました😊

全面改稿させて頂き、かなり読みやすくなった思いますので、興味がある方は是非!!

※本年の目標は2020年にアップしたブログを推敲して、より読みやすいものにしていきたいと思っております😆