こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力としりとり映画旅というテーマで
追撃者
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日の作品は「カレ・ブラン」という映画を撮ったジャン=バティスト・レオネッティ監督の作品。
「カレ・ブラン」は、近未来のデストピアで、自分の子供を作る事を、異様に恐れている男性が主人公の作品ですが、作中で描かれる残酷な描写は、血の通った人間とは思えない冷酷なもの!
↑常軌を逸した暴力描写が怖い「カレ・ブラン」…
そんな、レオネッティ監督の長編第二弾は、金持ちが砂漠で若者を標的にハンティングをするという、これまた、常軌を逸した展開のサスペンス映画なのです…
↑至近距離から攻撃!もちろん遠距離でも攻撃してきます!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…この解説だと、富豪はただの狂人ですね
けれど、本作に登場する大富豪のマデックは、傲慢ですが、知性的で頭の回転が速い老人であって、狂人ではありません。
ビックホーンをハントするためにモハベ砂漠にやって来たマデックは、ガイドとして、トレッキングを得意としいてる現地の青年ベンを雇い、二人は砂漠へ出発します。
けれどビッグホーンの狩猟解禁日は一か月も先のはず。
不思議に思ったベンが、何故狩猟の許可が出たのかとマディックに尋ねると、彼は保安官に大金を払って便宜を図ってもらったと言って、保安官が貰った以上の金額をベンに差し出し、違法である事を見逃して欲しいと申し出ます。
正義感の強いベンでしたが、両親に先立たれ、一人きりでトレーラーハウスで暮らしていたベンにとって、マディックの差し出した金は大金!
ですのでベンは逡巡した後、金を受け取ってマドックの違法行為に目を黙認する事にしたのです…
↑高価なジープを所有するマデックは、金でトラブルを解決する人!
↑大金を渡されたベンは、マドックの違法に目をつぶる事に…
ちなみにマデックの狩猟の腕は超一流!
彼は、ビッグホーンを仕留めるために遠距離の目標に向けて銃弾を発射しますが、彼が撃ったのは人間だったのです!
↑所有している銃も、射撃の腕も一流のマデック!
↑けれど、そんなマデックが逆光の中で打ち抜いたのは…
↑砂漠に住んでいたチャーリーという老人だったのです…
…これは、明らかに過失致死ですね
チャーリーの友人だったベンは、マデックに街に通報するよう即しますが、その時マデックはベンに対して、この問題も金で解決しないかと持ち掛けてきたのです。
↑事故を無かった事すれば大学への奨学金全額支給!
卒業後は、初任給30万ドルで雇用するよ!
さて、ベンはこの状況下で、一体どんな決断を下したのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑映画の中盤以降、ほぼ全裸で砂漠を走る事になるベン!
一体何が起こったのでしょうか?
本作において恐ろしいのは、マデックの冷徹な思考回路。
彼は悪人というより、優秀な将棋の指し手のように、半歩先を行く思考力と決断力を持った男で、ベンをどうやれば自由に操れるかを、何気ない会話の中から読み取っていました。
マドックと会った日の朝、ベンは幼馴染の恋人にふられていたこと。
恋人はデンバーの大学へ行ってしまったのに、ベンは、お金がないために居残る事になったこと。
例え、大学を卒業したとしても、トレッキングの才能しかないベンには、就職先などないであろうとこと。
これらを全て計算した上で、ベンを懐柔しようとしたマドックでしたが、ただ一つの誤算は、金の切れ目で幼馴染にふられた事で、ベンがお金の豊かさに対して、憧れよりも嫌悪感を持っていたという感情の読み違い!
↑トレーラーハウスから、彼女が去るのを見送っていたベン。
その心の中に渦巻いていた感情とは?
裕福な人間が考える金とは、夢を叶える万能薬のようなものなのに対し、持たざる者の考える金とは、自分のポリシーと取引する試金石のようなものに映る可能性があるのです!
↑お金に苦しむ人間は、裕福な人間が思っているほど、
拝金的な人間ではないかもしれないのです…
では、お金という価値観でベンとは分かり合えないと知ったマドックは、どう考えるのでしょう?
そう。
本作で最も恐ろしいのは、お金という価値観で共有できない人間だと分かった時の裕福な人間が取る手段!
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、金が通じないと分かった瞬間、頭の回転の速いマドックは、ベンを人間としてではなく、砂漠で事故死した被害者という視点で見るようになったのです!
鳴かぬなら殺してしまえホトトギス
金という価値観で共有できないのなら、もはや人間としては扱わない。
そんなタイプの裕福な人間は、きっとマドックだけでなく、世界中に存在するのではないでしょうか…
↑金になびかぬなら、死んでもらおうホトトギス…
という訳で次回は
追跡者の「しゃ」
というテーマで
シャッター アイランド
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
備考:これまでの「しりとり」が…
① アリータ:バトル・エンジェル → 「る」
② ルビー・スパークス → 「す」
③ スガラムルディの魔女 → 「じょ」
④ ジョジョ・ラビット → 「と」
⑤ トースト 幸せになるためのレシピ → 「ぴ」
⑥ ピンチクリフ グランプリ → 「り」
⑦ リリオム → 「む」
⑧ ムタフカズ → 「ず」
⑨ 図々しい奴 → 「つ」
⑩ 追撃者 → 「しゃ」
となっておりますので、以降使えない最初の文字は…
「あ」、「じょ」、「す」、「ず」、「つ」、「と」、「ぴ」、「む」、「り」、「る」、「ん」の(10文字)です😄
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①選外となってしまった「つ」の映画(その1)
「追想(1975年版)」
理由:ああ残念!以前に紹介済みの作品でした…
②選外となってしまった「つ」の映画(その2)
「ツイスター」
理由:語尾が「ター」の別映画をセレクトする予定のため…
②選外となってしまった「つ」の映画(その2)
「月に囚われた男」
理由:迷いましたが「想像力と孤高の男子」というテーマで
セレクトしたいと思っているため選外に…