こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

わが青春のマリアンヌ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

世界的な「わが青春」

 

「わが青春のマリアンヌ」という邦題は、なんだかちょっと恥ずかしいタイトルですねあせる

 

けれど、本作はフランス語の原題もほぼ同じ意味の「MARIANNE DE MA JEUNESSE(JEUNESSE=青春)」

 

 

そして恐らくですが、1950~60年代に映画少年だった世界中の人たちにとっては、本作は永遠の「青春映画」になっているのかもしれないのです…

 

↑ポスターに描かれている燭台を持つ美女は…

 

↑当時若者だった多くの方の永遠の恋人となってゆくのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「埋れた青春」「ドン・カミロ頑張る」に続いてのデュヴィヴィエ作品。ドイツのペーター・ド・メンデルスゾーンの『痛ましきアルカディア』の映画化でデュヴィヴィエ自身が脚色と台詞を書いている黒白映画。この幻想的な雰囲気を出すために、マリアンヌの住む謎の館にはオーストリア、フッシェル湖畔の旧家が選ばれ、少年達の屯する館には、バヴァリア地方に残っているリヒアルト・ワグナーに関係のある館を選んだ。音楽はフランスの作曲家ジャック・イベール、撮影はレオンス・H・ビュレルが当っている。映画はフランス語版とドイツ語の両国版が平行して作られ、二組の配役のもとに同じ場面の撮影が二度ずつ行われた。封切されるのはフランス語版の方で、ドイツ語版の方は少年達の顔振れもガラリと変っているがマリアンヌ・ホルトとイサベル・ピアの二人の少女は両国語版にわたって出演する。マリアンヌ・ホルトはドイツ映画二本に出演したことのある新人、イサベル・ピアは「虫も殺さぬ男」「デュバリイ夫人」に出演している。

 

…めちゃくちゃ詳しく、そして熱い解説ですねあせるあせる

 

この解説にある通り、本作はとても幻想的な雰囲気を持った作品!

 

舞台となるのは、森の奥深くにある寄宿舎制の男子校。

 

↑人里離れた寄宿舎制の学校。

 

 

学校の男子校の学生たちの多くは、湖の向こうに見えている謎の古城に興味津々。

 

既に城主はおらず、幽霊屋敷だと噂されている古城は、寄宿舎の少年たちにとっては格好の肝試しスポットでした!

 

↑あの城に探検に行こうぜ!

 

 

けれど城に近づいても入る勇気がない少年たちは、毎回直前で撤退してしまっており、謎は謎のまま残り続けていたのです。

 

けれどある日寄宿舎にやって来た転入生のヴァンサンは、そんな状況を打破するようなバイタリティーを持った陽気で大人びた青年でした!

 

アルゼンチンで農場を経営していた父親に育てられたヴァンサンは、野生の動物と心を通わせられるような超然とした青年!

 

↑小鳥や鹿と心を通わせられるヴァンサン。

 

ヴァンサンは幽霊話も怖がらなかったため、生徒たちは古城探検の仲間に入れる事にし、遂に船に乗って古城探検に向かったのですが、城の中で巨漢の男に遭遇した生徒たちは、ヴァンサンを残して退散してしまい、変える術を失ったヴァンサンは古城に取り残されてしまいます…

 

 

寄宿舎に逃げ帰った少年たちは、ヴァンサンが返って来ない事に焦りますが、その晩、大嵐と共にヴァンサンは寄宿舎へと戻って来て、親友のマンフレッドに、古城で起こった出来事を打ち明けたのです!

 

 

さて、謎めいた古城の中でヴァンサンが体験した出来事とは、一体どんなものだったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑古城に住む巨漢に誘われたヴァンサンの運命は…

 

 

 

人生とは夢に向かって進む事也!

 

この後の展開は、かなり衝撃的なものですので、詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、少しだけ解説を加えさせて頂けるなら、ヴァンサンが古城の中で体験したのは、自分の未来を自分で決定して進むキッカケのようなもの!

 

 

実はヴァンサンが寄宿舎へやって来た理由は、運命を享受したから。

 

アルゼンチンで牧場を経営していたヴァンサンの父は死んでしまい、母親は新しい恋人と生きる事を決め、牧場を売り払ってしまっただけでなく、新生活に邪魔になるヴァンサンを厄介払いのように寄宿舎へと送り込んだのです…

 

つまりヴァンサンにとって運命に従う人生は、未来を失ってゆく事だったのです!

 

↑大人びていたのではなく、人生を諦観していたヴァルテル。

 

 

けれど、古城でマリアンヌという女性に出会った事で、彼は父を懐かしんだり、母に絶望したり、寄宿舎で諦観した生活を送っているのとは異なる、新しい価値観を発見します!

 

↑この美しい女性は誰なんだ…

 

 

ヴァンサンが古城で出会ったマリアンヌは、単なる美しい女性ではなく、今のヴァンサンでは何もしてあげる事ができない状況に陥っていた人!

 

けれど、今のヴァンサンでは何もしてあげられなかったとしても、未来のヴァンサンなら…

 

 

そう。

 

 

人生とは、希望を失わない限り絶望する事はありません😊

 

映画のラストでヴァンサンは、人生をかけてマリアンヌを追いかけてゆく事を決意して寄宿舎を去っていきます!

 

↑古城に置かれたもう一つの肖像!

 もし彼が、マリアンヌと僕との間の障害だったとしても…

 

 

果たしてマリアンヌとヴァンサンにどんな未来が待っているのか?

 

それは本作で語られる事はありませんが、それはまた別の話。

 

 

1955年に作られた本作を観た青年たちは、きっと、マリアンヌを追い続けるヴァンサンの物語を想像し、創作活動や自分の人生そのものに投影して行ったのです。

 

 

寄宿舎に残るマンフレッドは、目標を見つけ旅立ってゆくヴァンサンの姿を見て、羨ましく思います。

 

過去を振り返らなくて良い人生を見つけたヴァンサンの姿は、きっと今の若者にも眩しく見えるのではないでしょうか…

 

↑本作はラブストーリーであり、絶望の物語であり、

 同時に、絶望を乗り越える人間の物語なのです!!

 

 

 

という訳で次回は

 

人非人への罰

というテーマで

 

奇人たちの晩餐会

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格