こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と人間観察記というテーマで
わたしの可愛い人 シェリ
(原題:CHERI)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
さて、ここ数回は3人の監督の「危険な関係」を比較して解説して参りましたが、他の監督作品が「危険な関係」をラブストーリーとして描いているのに対して、スティーブン・フリアーズ監督作品だけは恋愛感情が人間にどのような影響を与えていくかという視点で描かれた作品となっていた事がお分かりいただけたかと思います😊
↑「クルーエル・インテンションズ」は恋愛映画
↑ホ・ジノ監督の「危険な関係」も恋愛映画
↑ですがスティーブン・フリアーズ監督の「危険な関係」だけは
恋愛感情が人間の行動にどういう影響を与えるかを描いた作品!
そしてこの傾向は、他のフリアーズ監督作品でも共通!
本日の作品も、第一次世界大戦直前までのパリで栄華を極めていたココット(高級娼婦)の恋を描いた映画なのですが、恋愛映画というよりは、人間観察記のような作品となっているのです!
↑こんな映画ですが、意外にも恋愛映画ではないのです!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り
本作の舞台は19世紀のパリ!
市民の消費活動が活発になったベル・エポックと呼ばれた時代、パリではココットと呼ばれた高級娼婦が人気を集めていました。
ココットたちはパトロンから莫大な援助を受けますので、みんな超お金持ち!!
そんな彼女たちは、引退した後も、まるで女王様のようなゴージャスな生活を送っていたのです😆
主人公のレアも、ココットを引退して優雅な生活を送っている女性!
↑ココットを引退したレア!
豪華な屋敷と莫大な財産を持ち、パリで優雅に暮らしていたレアでしたが、唯一の不満は、元娼婦である事が理由で一般人から距離を置かれていること。
引退したココットの話し相手は、元ココット仲間だけだったのです
↑引退したら、ちょっと退屈よね~。
ですがそんなある日、レアは元ココット仲間から楽しそうなお願いをされます。
そのお願いとは、依頼主の息子のフレッドが目的もなくフラフラしているので、悪い道に走らないようサポートして欲しいというもの!
幼い頃からリアを慕っていた依頼
頼まれ、フレッドとの同棲生活を始めたのです。
↑レア、あなたフレッドと同棲して守ってあげて!
???
それって、どういう意味😟
これは、かつて娼婦だったレアたちならではの考え方!
二人は、男性が女関係で身を持ち崩す事をイヤというほど見て来ていたので、フレッドが見知らぬ女に引っ掛かって破滅しないよう、現役時代に男性関係で失敗をしなかったレアにお目付け役を依頼したという事!
↑人気ココットだったけど、男性での失敗は0のレア!
特にする事もなかったレアは、自分の事を小さい頃からヌヌーンという愛称で呼んでくれたフレッドを預かる事に決め、二人は気ままな楽しい同棲生活を謳歌しますが、6年が経ったと時、フレッドの母親が息子の結婚相手を決め同棲を辞める事となったのです!
↑結婚相手は、別のココットの娘。若くてかわいい子です。
もろちんレアとしては、こんな日が来ることも想定内!
フレッドも結婚するために、家へと帰っていったのですが、その後レアとフレッドの行動がおかしくなってゆくのです。
あと腐れない関係だったはずの二人の関係は、一体どうなっていたのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑レアをヌヌーンと呼び、フレッドを「かわいい子」という意味の
シェリと呼んでいた二人の間に、一体何が?
ココットとして財を成して奢侈な生活を送っているレアは、一見すると人生の勝者のように見えます!
ですが周囲に人がいなくなって一人っきりにになると、レアはとても寂しそうな顔になり、泣き出したりするのです!
↑友達といる時は楽しそうなレアですが、一人になると泣きだします。
???
どうして勝ち組のレアが一人で涙を流しているの?
その理由は自分を愛してくれる人が傍にいない孤独な人生が辛いから…
高級娼婦のココットに求められていたのは、お客と深い関係にならずに上手に貢がせ続ける事!
シェリはココットとして誰も愛さなかった代償として、ココットを引退し後、誰にも愛されない人生を歩むこととなってしまったのです
ココットを引退した後、恋人も子供も作れなかったレアにとって、精神的に幼いフレッドは恋人であると同時に子供でもあるような存在!
フレッドを甲斐甲斐しく世話していたレアは、恋と子育ての両方を体験できる喜びを味わっていたのです😊
↑ん~ヌヌーン。ずっと僕と仲良くしてよ
(ああ。これこそ、私が求めていた理想の引退生活!)
ですがこの関係は一時的なもの…
フレッドが結婚する事になれば、もはやレアを愛してくれる人は誰もいません。
そう。
フレッドをシェリと呼んで愛した日々が終わった時、彼女の夢に描いた理想の引退生活も終わりを告げる事となったのです😥
↑劇中レアが持った花が、バラバラに崩れますが
これはフレッドとの関係を暗示しているような恐ろしい描写!
もう一輪引き抜いたとしても、やがては同じ結果に…
フレッドが去った時の空虚さは、どうやって埋めればようのでしょう…
ココットとして愛を拒絶し続けて来たシェリは、フレッドに去られて始めて、愛を拒絶される残酷さを実感する事になるのです…
↑さて、この後の光景は…
という訳で次回は
語られぬ愛の深さ
というテーマで
ハイロー・カントリー
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
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