こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/





本日も
 

想像力と
どことなくなんとなく

 

というテーマで
 

オンリー・ゴッド
 

 

という映画を


ご紹介させて頂ければと思います。






★どことなくポイント★


強烈なインパクトは感じるけど
 

内容がよく理解できなかった映画に
 

出会った事ってありませんか?


↑私にとってゴダールの「気狂いピエロ」は

初めて観た時に

内容がよく理解できない映画でした!






けれど、そういう作品は
 

映画ばかりではありませんよね。






絵画だって音楽だって
 

理解しにくい作品はたくさんあります。
 

 

 

 

 

 

 

では、理解できない絵は駄作なの?

 

 

 

 

 

 

 

いいえ。

 

そんな事はありませんよね

 

ヽ(=´▽`=)ノ

 

 

 

 

 

見ただけでは描かれている内容や

 

意図が分からない作品でも

 

作者自身の体験や想いを理解することで

 

興味深い作品となっていくのは

 

どの芸術でも同じ!

 

↑強烈なインパクトは感じるけど
内容がよく理解できない絵画の例③

 

パウル・クレー「赤のフーガ」。

これは、空気を伝わる音楽の振動の絵!

なるほど!納得ですね

ヽ(=´▽`=)ノ

 

 

 

 

 

本日のオンリー・ゴッドは

 

そんな、監督の想いを理解することで

 

興味深い作品となっていくタイプの

 

映画なのです!

 

↑ストーリーを追うのではなく

作者が描こうとしたものは何だったのかを

探っていきましょう!

 

 

 

 

★アバウトなストーリー★

 

 

主人公は

 

タイで麻薬ビジネスに携わっている

 

ジュリアンという男。

 

↑ジュリアン。

 

 

 

 

 

ジュリアンは、兄のビリーと一緒に

 

仕事をしていたのですが

 

ある晩ビリーは、売春宿で暴力をふるい

 

売春婦を一人撲殺してしまいます。

 

↑売春婦を殺したビリー!

 

 

 

 

 

当然、警察が駆けつけますが

 

やって来たチャンという警察官は、異様な男!

 

↑背中にドスを隠し持っている警察官のチャン!

 

 

 

 

チャンは、娼婦の父親を呼び

 

娘の復讐をするチャンスをくれるのです!

 

 

 

 

 

娘を失った男はビリーを襲い

 

今度は、ビリーが撲殺されてしまいます。

 

 

 

 

 

けれど、その復讐が終わると

 

チャンは、娘の父親を郊外へと連れ出し

 

娘が死んだのは

 

未成年にも関わらず風俗で働かせた

 

お前のせいだと父親を攻め

 

父親の腕を刀で切り落としてしまいます!

 

↑お前も、罰を受けろ!!!

 

 

 

 

…自分で手引きしておいて

 

罰を与えるの汗

 

 

 

 

 

はい。

 

 

 

 

チャンは、殺人に対しては

 

必ず罰を与える、裁判官のような男!

 

↑腕を切り落とした後は

クラブで部下たちを前に歌を歌うチャン。

 

↑そんなチャンは、タイの闇社会における

殺人者への処罰執行人です!

 

 

 

 

 

 

 

という事は、次は兄を殺されたジュリアンが

 

娘の父親を殺して

 

チャンに処罰されるという展開!?

 

↑チャンよ!兄の敵を殺した俺を殺すのか?

 

 

 

 

 

いいえ。

 

 

 

 

ビリーが殺された事を知っても

 

ジュリアンは、何故か黙って何もしません。

 

↑兄が殺されても、何もしないジュリアン。

 

 

 

 

 

ジュリアンがやった事といえば

 

自分の手を、じっと見つめる事だけです!

 

↑劇中、何度も写されるジュリアンの腕。

 

 

 

 

 

 

…だとしたら

 

殺人の連鎖はこれでおしまい?

 

 

 

 

 

いいえ。

 

それもちがいます!

 

 

 

 

 

ビリーが殺された事を知った

 

麻薬の元締めである二人の母親が

 

怒り狂ってタイへとやって来て

 

ジュリアンが兄の仇討ちをしない事をなじり

 

自分で殺し屋を手配して

 

娘の父親と、手助けしたチャンを殺そうと

 

仕掛けて来たのです!

 

↑兄の仇もとれないなんて!

見損なったわ!!

 

 

 

 

 

さて、母親の放った殺し屋は

 

娘の父とチャンを殺害できるのでしょうか?

 

 

 

 

 

そして、ジュリアンは心中で

 

一体何を思っていたのでしょうか?

 

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身の目で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑表向きの仕事としては

ボクシングジムを経営しているジュリアン。

ジュリアンのムエタイは

チャンにさく裂するのでしょうか?

 

 

 

 

 

★作品を愉しんで頂くために★

 

 

本作の原題は

 

オンリー・ゴッド・フォーギブンス

(ONLY GOD FORGIVES)
 

↑「ONLY GOD FORGIVES」ですね。

 

 

 

 

これは

 

神よ、お許しください

 

という意味。

 

 

 

 

 

ですので、まず本作を理解するカギは

 

ジュリアンが何に対して

 

神の許しを請うとしているのかを

 

理解する必要があります。

 

↑劇中ずっと、虚ろな表情のジュリアン。

彼の過去に何があったのか?

 

 

 

 

 

その答えは、ジュリアンの母が

 

彼の過去について説明している時に

 

ジュリアンは

素手で父親を殺して

アメリカから逃げてタイに来た

恐ろしい子だ

 

と、言っているのです。

 

↑あの子は、残虐な子なのよ!

 

 

 

 

 

はい。

 

 

 

 

これで本作の内容は

 

かなり分かりやすくなりましたね

 

(*´∇`*)

 

 

 

 

 

ジュリアンが感じでいるのは

 

父親殺しの慙愧の念!

 

 

 

 

 

何度も何度も手を眺めているのは

 

素手で父親を殺ししまった事を

 

思い出しているからだと思われます。

 

↑顔を洗っている手が突然血まみれに!

 

そう。ジュリアンの手は

父殺しの罪で穢れていたのです!

 

 

 

 

 

そんなジュリアがタイで出会ったのが

 

殺人に対して厳格に罰を下す

 

罪の執行者である超越者のチャン!

 

↑チャンの刀は、殺人者に罰を与えます!

 

 

 

 

 

 

ですので、父殺しの罪に苦しみ続けていた

 

ジュリアンにとっては

 

チャンとの出会いは、神の采配だったのです。

 

↑チャンと手合わせをして

圧倒的な力の差を感じたジュリアンは

チャンこそが、自分の罪を裁いてくれる人だと

理解したのです。

 

 

 

 

 

本作を監督した

 

ニコラス・ウィンディング・レフン氏は

 

常に、心の中の暴性をテーマに

 

作品を描いてきた方。

 

 

 

 

 

そんな彼が、この作品で目指したのは

 

自分の中の暴力性に

苦しむ人の心は

どのような状況でなら

解放されるのか?

 

という事ではないかと思われます。

 

↑ジュリアンは時より

他者に暴力をふるってい幻覚に襲われます。

彼の心は、暴力衝動から解放されず

苦しみ続けていたのです!

 

 

 

 

 

けれど、この感覚は

 

人を殺した罪の意識を理解できない

 

ほとんどの観客には理解できず、本作は

 

どことなくなんとなく

ジュリアンの心が読めない

難解な映画

 

と、評価される事が多い気がします。

 

 

 

 

 

心の中の暴力性について

 

突き詰めて考続けたレフン監督だけが

 

辿りつく事ができた境地は

 

この映画の中にこそ、存在するのです!

 

 

 

 

 

 

と言う訳で次回は

 

影響力の陥穽

 

というテーマで

 

ロスト・リバー

 

という映画を解説してみたいと思いますので

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

↑ジュリアンにとって罪を犯した自分の腕は

罰を与えるべき存在だったのです…