こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と幽霊奇譚
というテーマで
エクソシスト
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
本作は、幽霊ではなく
悪魔が少女に取り憑くホラー映画。
映画の冒頭
イラクの遺跡に立ちはだかる
悪魔パズズの像が映り
不穏な空気が漂って来る作品です。
↑遺跡の中に怪しげなパズズ像が立ち
不穏な空気が流れます…
ですので本作は
悪魔パズズと戦う人間の映画なのですが
映画において人間に憑依する怪異は
悪魔でも悪霊でも幽霊でも
憑依した後の行動は、皆ほぼ同じ!
ですので今回はあえて
怪異をパズズだと断定せず
人間に憑依した怪異の特性について
考えてみたいと思います
ヽ(=´▽`=)ノ
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
人間に取り憑いた怪異は
憑依した人間を助けようとする人を
冒涜する存在である事が
理解できる映画だから
本作はあまりにも有名なので
ストーリーを解説するのは気が引けますが
簡単に説明すると…
ある日、有名女優の娘リーガンが
暴れたり暴言を吐くようになる。
↑おかしくなってしまったリーガン。
母は医者に相談するが
医者では手に負えない現象が多発し
神父に相談する
↑これは医学の範疇ではありませんね…
リーガンを見たカラス神父は
彼女には悪魔が憑いていると確信して
教会が行うことを禁止していた
悪魔祓いをする事を決意し
少女に取り憑いた怪異と対峙する
↑彼女の中の悪魔を追い払え!!
というお話です。
これだけのストーリーだと
ホラー系ファンタジーみたいですが
本作が衝撃的だったのは
憑りつかれたリーガンの行為や発言が
正視に耐えないような
冒涜的なものだったから!!
カラス神父に向かって
謎の液体を吐くなんてのは序の口!
↑わっ!なんか吐いた!!
お客様の前でいきなり失禁したり
宇宙飛行士に向かって
お前は宇宙で事故に遭って死ぬ!
と予告したり
十字架を股間に出し入れしながら
キリストとフ〇ックしろ!
と叫んだりするリーガンを観ていると
悪魔に憑かれたとしか
いいようがないような気します…
↑恐ろしい存在となっていくリーガン!
けれど…良く考えてみると
憑りつかれたリーガンのしている事は
母親や周囲の親切な人を
絶望させるような行為に過ぎません!
↑なんと首が回った!!
でも、別に人類には影響ありません。
そう。
実は、映画で怪異に憑りついた子供の行為は
人類や社会にほとんど影響を与えない
私的な怪異なのです!
推薦理由②
憑依による怪異の多くは
家庭内暴力である
↑前回の「ポゼッション」でも
憑りつかれた少女が行っている事は
家族や周囲の人を困らせる行為でしかありません。
あれれ?
でもこれって反抗期の子供と同じでは…
そう。
子供が憑依される怪異の映画では
子供の置かれた環境に
憑りつかれた遠因がありそうな描写が
少なからず描かれているのです。
↑広い家に住むリーガンと母親ですが
父母は離婚しており
父は誕生日のプレゼントも届けません。
また、撮影のための引っ越しや
母親の新しい恋人も
リーガンの心を不安定にさせていくのです…
ですので、多くの憑依映画で
怪異から子供を救うのは親の仕事!
壊れてしまった子供の心は
保護者が真剣になって立ち向かう事でしか
解決しないものなのです。
では、悪魔祓いをする宗教家は
映画ではどのような役回りなのでしょう?
残念ですが映画における宗教家の多くは
狂言回しに過ぎません。
↑「悪魔の棲む家」では
神父は怪異に対して無力な存在です。
家庭内の問題に対して
第三者である宗教家の立ち入るスキは
存在しないのだと思います。
↑リーガンがおかしくなっていった原因は
パズズではないのでは?
けれど本作のタイトルは
エクソシスト
(悪魔祓い)
つまり本作の主役は
悪魔祓いを行うカラス神父なのです!
と言ってもカラス神父は
人間的な弱さを持つごく普通の人間。
↑汚物を吐きかけられて怯むカラス神父。
彼は、リーガンと出会う前
母親を一人で放置して死なせてしまい
激しい後悔に苛まれ
酒浸りになってしまっています。
↑俺に神父の資格なんてない…
そして、そんな弱みを見抜いた怪異は
リーガンとしてではなく
亡き母としてカラス神父を責めるのです!
↑あんたは私を見捨てたのよ!
カラス神父に幻影を見せる怪異。
母を救えない男にリーガンを救う資格はある?
リーガンは、母親の面子をつぶし
汚い言葉で周囲の人を侮辱し
母親の心を代弁してカラス神父を傷つけます。
↑お前がこの子を救う?笑わせんな!
このクズ!!
さて、カラス神父はこんな状況において
赤の他人のリーガンのために
戦い続ける事ができるでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑この子を救う前に、自分の母親を救いな!
傷つき、苦しみ、絶望したカラス神父は
映画のラストである決断をし
それによってリーガンを救う事になります。
エクソシストが唯一できる事。
その唯一の事とは、自分の命を投げ出して
他者を救う事だったのです…
推薦理由③
肉親以外が他者を救うつもりなら
命を捧げる覚悟をせよ!
↑悪魔よ立ち去れ!悪魔よ立ち去れ!
けれど、何度祈りを唱えても悪魔は去りません。
悪意に対しては言葉は無力なのです。
命を賭したカラス神父は殉職しますが
リーガンの暴力や暴言は
彼の死と引き換えに消滅するのです…
と言う訳で次回は
憑依された子供の
育て方
というテーマで
リトル・デビル
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作におけるカラス神父の立ち位置は
「ポセイドン・アドベンチャー」のスコット牧師に似ています。
スコット牧師も、絶望している人々を救うため
無慈悲な神に立ち向かう決意をし
犠牲となって死亡します。
けれど彼の死を見た乗客たちは
憑き物が落ちたように冷静さと勇気を取り戻し
死から生還していきます。
宗教家が他者を救うというのは
自分の命を投げ出すという事なのです…
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