こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と貴君の名は。
というテーマで
百日紅
~Miss HOKUSAI~
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
他国でも優れたアニメは作られていますが
作品数とバリエーションと
アニメを描く事が好きな人の多さは
日本が突出している
というのは間違いない事実だと思います。
アイルランドのアニメ映画なども存在します。
けれど、日本でアニメが多く作られるのは
一体なぜなのでしょう?
私見ですが、日本におけるアニメの隆盛には
複合的な理由があると考えており
中でも最大の要因が
動画に近い絵画表現が
昔から受け継がれていたから
ではないか?
と考えているのです。
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
自らを画狂人とも名乗った
葛飾北斎の生活を
娘のお江の視点を通して
描いた映画だから
本作は江戸末期を舞台にした
画家、葛飾北斎と娘の生活を描いた映画。
↑北斎とお江。
と言っても二人の関係は
普通の親娘でははありません。
北斎は、絵を描くことにしか興味のない
求道者のような人物!
畳120畳の絵に挑戦したり…
↑顔の横の点のような存在が北斎!
米粒に雀の絵を描いてみたり…
↑繊細なネイルアートと同様の超絶技巧!
そう!
北斎は、絵の可能性に挑戦し続けた
画狂人だったのです!
↑緻密な人物描写も描け…
↑ユーモラスな戯画も描け…
↑デザインに極めて近いものまで描けてしまう
葛飾北斎に描けぬものなし!
そんな北斎の私生活は
絵さえ描ければ、あとは何もいらない
という野放図なもの!
↑部屋は荒れ放題!!
妻と。目の不自由な娘とは別居しており
絵の才能のあったお江は
弟子のような扱いで同居していたのです。
↑画狂人の弟子!
そして、そんなお江もまた
絵に取りつかれたような性格。
↑北斎の画才は受け継いでいるお江!
けれど大天才の横にいるのは
何気に苦しいもの。
本作は、そんな画狂人の傍らにいて
自分自身を探しながらも
絵への情熱も燃やしていくお江を
ソフィア・コッポラの映画のようなテイストで
描いていくのです。
↑強気の性格なお江は、多くを語らず
北斎も心の中を語りません。
この作品は、二人の心の中を
観客が読み取っていく映画なのです!
…あ。やっちゃいましたね
推薦理由②
心中を全てを口にするのは
現実的ではない
行間を読む楽しさこそが
読解の魅力である
↑目の見えない妹に花の色を伝えるお江。
そして感覚を他者に伝える事こそ
絵画の極意でもあるのです。
北斎とお江は、様々な日常の中に
絵を見出していきます。
波のゆらぎも絵に!
↑そうだ!波を絵は描にできる!
怪談話も絵に!
外で何かが、かさかさと音を立てる。
そうだ!怪物は絵にできる!
燃え盛る炎も絵に!
↑燃え盛る火事は、まるで竜のごとく!
そうだ!炎は絵にできる!
本作を観ていると
葛飾北斎のメンタリティの中には
森羅晩秋あらゆるものを
絵のモチーフとして活用する事ができる
豊かなイマジネーションがある
という事が再認識できます。
↑マジックアワーの夕焼けだって…
そして、この優れた特質は
もちろん葛飾北斎のものだけではありません。
鳥羽僧正だって!
↑そうだ!動物たちを絵にしよう!
久隅景隆だって
↑そうだ、素朴な一家団欒を絵にしよう!
河鍋暁斎だって
↑そうだアヴァンギャルドを絵にしよう!
狩野探幽だって
↑そうだ静寂な空気を絵にしよう!
どのような絵を描くことも許されていた日本では
絵は庶民のための自由な表現の場であり
どのような挑戦も許され
人々は自分の心の赴くままに
様々なタッチの絵に挑戦する事ができました。
そして、このような自由な発想と表現は
アニメの表現の源となっていきます。
絵を自由に楽しんできた日本人が
様々なアニメを愉しむ事ができるのは
そんな土壌を生んでくれた先人たちからの
プレゼントなのかもしれませんね
推薦理由③
絵の自由さを満喫できる
日本の社会風土は
現代においてアニメを発展させた
↑本作では、絵の世界に魅了されつつも
女性としての恋心にも
ちゃんとスポットを当ててくれています。
本作は絵の映画であると同時に
江戸時代に生きた女性の映画でもあるのです。
本作を監督された原恵一氏は
普段は心の中に隠されている想いを
映像化する事のできる監督。
原監督の作られたクレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲や
カラフルなどの作品も
胸を打つラストが待っている名作なのです
ヽ(=´▽`=)ノ
↑普遍的なメッセージが込められた
嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲は
時代を超えて語り継がれるべき名作なのです。
と言う訳で次回は
ジュブナイルの陥穽
というテーマで
宇宙ショーへようこそ
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作の原作を描かれた杉浦日向子氏は
江戸時代に想いを馳せ
漫画の中に江戸を再現できる事ができた
稀有な作家でした。
残念ながら2005年に46歳の若さで
お亡くなりになりました…
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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