こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と貴君の名は。
というテーマで
千年女優
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
前回ご紹介させて頂いた通り今敏監督は
後世の作品に影響を与えたであろうアニメ映画を
何作も作られている監督。
↑上:今敏監督作「パプリカ」(2006年)
下:「インセプション」(2010年)
下:「レクイエム・フォー・ドリーム」(2000年)
では、そんな今監督作品の中で
まだ類似作品が作られていない作品は
あるのでしょうか?
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
誰にも模倣作が作れない
極めてオリジナリティの高い
アイディアによって
作られている映画だから
本作は不思議な作品。
恐らく何の予備知識も持たずに観ると
何が何だか分からない!
という感想になる映画ではないかと思います。
というと、ストーリーが複雑なの?
(-"-;A
いいえ。
ストーリーは極めてシンプル!
若い頃に映画会社に勤めていた
映像制作会社の社長が
かつて彼が憧れていた女優さんに
インタビューしに行くというお話。
↑女優は引退し、業界人との接触を避け
隠遁生活をしていました。
…なんだか地味ですね。
はい。
あこがれの女優は
一世を風靡した大スターでしたが
30年前に突如引退し
スクリーンから消えてしまった女優。
社長が会いに行くと
彼女は既に白髪の老人となっていました。
↑すっかり年老いていた女優。
彼女へのインタビューは
彼女が女優となったきっかけから始まり
女優としての経歴の話となっていくのですが…
インタビューの途中で、どこまでが現実の話で
どこまでが映画のシーンなのかが
分からなくなってしまうのです!
↑女優になる前の彼女は
若い頃に出会った若い絵描きに恋をします。
けれど彼は満州へと旅立ってしまい
彼との再会を望んだ彼女は
女優になって満州へと旅立ち、彼の行方を…
↑と、話を聞いていると
いつのまにかそれが映画の1シーンになっているのです!
ですので観客は
真実と虚構の境界線が分からなくなり
ひたすら混乱する事となるのです!
↑あれ、大正時代の話になったの!?
↑あっ。ちがう!これは明治時代だ!!
さて、女優と絵描きは
果たして再開できるのでしょうか?
そして、このインタビューは
どんな結末を迎えるのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑千変万化の映像は混乱の極みですが
インタビューしている女優と社長はとても楽しそう!
彼らにとって、このインタビューは
自分たちの思い出の映画について語っている
幸福なひと時だったのです!
女優の語る思い出のシーンは
往年の日本映画の名シーンが重ねられます。
↑あれ?この立てた襟は
1953年の「君の名は」のシーンに似てますね!
↑このシーンは黒澤明の蜘蛛巣城ですね!
という事は
日本映画のシーン満載の映画?
はい!
ここが本作の凄いところなのです
ヽ(=´▽`=)ノ
本作は、3つの内容が
境界線を越えて交じり合っている映画。
その3つとは
①女優の人生(恋愛映画)
②女優の演じて来た作品
(女優としての人生の映画)
そして
③監督が愛した作品たち
(監督の心の内面)
です!
前回もご説明した通り
人間の心の内面というのは
視覚化してもらえないと分からないもの!
ですので今敏監督が
どんな映画を愛し、何にインバイアされてきたのかは
視覚化してもらえないと分からなかったのです!
推薦理由②
監督の影響を受けた作品を
視覚化した映画は
アニメだからこそ作れる!!
↑インタビュー時の机の上に広げられた
女優の出ていた作品のパンフ。
これは、架空の女優の歴史であると同時に
監督の愛した作品群でもあります!
ですので、もし本作に影響を受けた映画が
作られるとしたら
監督が愛した往年の名作映画のシーンが
交錯し続ける映画になるはずですが
そんな作品は、実写ではまず不可能!
つまり本作は、アニメという手法を使う事で
過去の実写映画を引用した
新しい作品を作る
というウルトラCをやってのけたているのです
\(^▽^)/
↑どんな作品でもアニメとして引用する事で
復活させる事が可能です。
このようなアニメの新しい可能性に
挑戦し続けた今敏監督は2010年に
46歳の若さでお亡くなりになってしまいます…
けれど本作を遺してくださったおかけで
今監督の心の中の映画は
今でも我々が知る事ができるようになっています。
映画というメディアは
過去を知り、次の世代へと受け継がれていくもの。
そんな時代の橋渡しの役割を
してくれている映画が本作なのです。
推薦理由③
映画の中には監督の魂を
記憶させることができる
↑劇中に登場する蜘蛛巣城の妖婆に似た女性は
「我はお前が憎く、お前をたまらなく愛している」
と言います。
これは、女優へのメッセージなのでしょうか?
それとも、映画に対する監督の想いなのでしょうか…
と言う訳で次回は
オリジナルアニメの
萌芽期
というテーマで
王立宇宙軍
オネアミスの翼
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑様々な女の子が登場する今敏監督の映画では
登場する女の子たちがみんな走ります。
そして本作の映画のラストで主人公の女優は
「私は、あの人を追いかけている自分が大好きなの」
と語っています。
これは彼女の思い出あると共に
監督が何かを追いかけて走る女性の姿が好き
という意味でもある気がしています。
皆様はどう思われますか?
↑パーフェクトブルー
↑パプリカ
↑千年女優
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