こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/

 

 

 

 

 

 

本日も

 

想像力と
ヒスパニック見聞録

 

というテーマで

 

ビリディアナ

 


という映画を
 
ご紹介させて頂ければと思います。

 

 

 

 


スペインの文化を語る時

 

忘れてはならないのがキリスト教の影響です。

 

 

 

 


彼らが信じているのは

 

ローマ・カトリック。

 

↑荘厳な装飾や美術で

圧倒的な神の偉大さを伝えるのがカトリックです。

 

 

 

 

 

イスラム教のトルコに占領されていたスペインは

 

キリスト教を心の拠り所にすることで人々が団結して

 

国土を取り戻していきます。

 

↑神と共に、異教徒からスペインを取り戻すぞ!!

 

レ・コンキスタ(再征服運動)は

キリスト教の名の下に行わました。

 

 

 

 


だからこそスペインでは

 

教会が強い権力を持っていたのです。

 

↑異端審問による行き過ぎた拷問は

異教徒から国を守ろうとする思想が暴走したもの

だと思われます。

 

 

 

 

 

本日のビリディアナは

 

カンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)を

 

受賞したにもかかわらず

 

スペインで上映禁止となった映画!

 

 

 

 

 

 

という事は

 

スペインを侮辱した内容なの?

 

 

 

 

 


いいえ。

 

 

 

 

 

この映画は

 

キリスト教的には許されなかった

 

作品だったのです。


↑この映画をご覧になった教会の方々の反応は

恐らくこんな感じ…

 

 

 

 

本作の主人公は

 

ビリディアナという

 

修道僧を目指している若い女性。

 

↑心の清いビリディアナ

 

 

 

 

 

正式に修道女となる直前に

 

彼女の叔父さんから

 

会いに来て欲しいという手紙をもらいます。

 

 

 

 

 

叔父さんは

 

妻に先立たれて一人暮らし。

 

 

 

 

 

 

 

気が向かないビリディアナでしたが

 

無視する訳にもいかず

 

彼女は叔父の家へと向かいます。

 

↑叔父さんの家に行きたがらないビリディアナ。

 

どうも叔父さんに

あまり良い感情を持っていないようです。

 

 

 

 

 

 

 

叔父は豪邸に住むお金持ちですが

 

ビリディアナに恋する

 

汚れた欲望を持つ男でした。

 

↑ああ…

ビリディアナをワシのものにしたい!

 

 

 

 

 

叔父はビリディアナに

 

修道女になる前に

 

一度だけ頼みをきいて欲しいと言い

 

自分の妻が着たウェディングドレスを

 

着て欲しいと願います。

 

 

 

 

 

 

最初はいやがるビリディアナでしたが

 

優しい性格のため断り切れず

 

ウェディングを着た姿を叔父に披露します。

 

↑(イヤだけど)これでいいですか…

 

 

 

 

叔父さんは大喜びで

 

ビリディアナに紅茶を勧めますが

 

実は、その紅茶の中には

 

睡眠薬が入っていたのです!!

 

↑あら、なんだか眠く…

 

 

 

 

 

さて、眠ってしまったビリディアナは

 

一体どうなってしまうのでしょうか?

 

↑ああ。一体どうなってしまうの!

 

 

 

 

 

ありゃりゃ!

 

 

 

 

こんな展開じゃあ

 

教会だって怒りますよね!

 

↑まるでエロ映画のような展開です!!

 

 

 

 

 

ところがこの映画は

 

想像を遥かに超える展開となるのです!

 

 

 

 

 

 

ビリディアナを眠らせた叔父でしたが

 

最後の最後に理性が勝ち。

 

 

 

 

 

結果としては

 

彼女に何もせずに終ります。

 

↑やっぱり、こんな事はいけない!

 

 

 

 

 

翌朝、全てを打ち明けて

 

改めてビリディアナに求婚した叔父ですが

 

彼女は激怒して立ち去り

 

叔父は首を吊って死んでしまいます!

 

 

 

 

 

叔父の死を知り

 

ショックを受けるビリディアナ。

 

↑ああ、なんてこと…

 

 

 

 

 

そして広大な屋敷と遺産が

 

ビリディアナに遺されたのです。

 

 

 

 

 

 

ビリディアナは

 

自分ができる事は何かを考え

 

修道院には戻らず

 

叔父の家を恵まれない人たちのための

 

救護院にする事を決意するのです。

 

↑苦しんでいる皆さん。

私と一緒に新しい生活を始めましょう!

 

 

 

 

 

あれれ?

 

 

 

 

この展開だと

 

教会が怒る理由がありませんね!

 

 

 

 

 

 

神に仕えるビリディアナの純潔は守られていますし

 

悪い叔父は死んでしまいました。

 

叔父の遺産は、恵まれない人々のために使われ

 

彼女は貧者を救済する人生を歩みます。

 

 

 

 

 

 

何がいけないの?

 

(・_・;)

 

 

 

 

はい。

 

 

 

 

実は、ここまでは映画の前半。

 

 

 

 

 

映画の後半

 

彼女の望んでいたはずの人生は

 

大変な結果を迎えます。

 

 

 

 

 

一体どんな展開に?

 

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑彼女はキリストの証である

イバラの冠を持ち歩いていますが…

 

 

↑映画の最後で

それを火にくべてしまいます!!

 

 

 

 

 

この映画が教会を怒らせた理由。

 

 

 

 

 

それは

 

宗教の欺瞞を暴いた映画

 

だったからです!

 

 

 

 

 

 

どんな宗教でも

 

神を信じ行動した者は

最後には幸福を手にする

 

と説きます。


↑正しい行いをした人は

たとえ死んでしまったとしても神に祝福されます!

 

 

 

 

 

 

けれど、それは本当でしょうか?

 

 

 

 

ひょっとするとそれは

 

理想であって

現実ではないのでは…

 

 

 

 

 

 

この映画は、そんな

 

キリスト教を

無条件に信じる事への疑問

 

が生まれてしまう映画とだったのです!

 

 

 

 

 

 

キリスト教を批判するのなら

 

反撃することも可能ですが

 

キリスト教への疑問が生まれてしまったら

 

教会を信じることさえ不可能になりかねません!

 

 

 

 

 

 

そして

 

神を信じなくなった人に待ち受けているのは

 

堕落

 

なのです。

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ本作は

 

見てはいけない映画

 

となっただけでなく

 

監督したルイス・ブニュエルは

 

スペイン人にも関わらず

 

入国禁止にさせられてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

そして

 

宗教を強い拠り所にするスペインは

 

寛容の精神を説きながらも

 

本作とブニュエルに不寛容を貫く事で

 

より権威を失墜させていきます。

 

 

 

 

 

 

現在のスペインでは

 

過去ほど教会の影響力はなくなったようです。

 

 

 

 

 

 

批判を受ける事を自覚しながらも

 

タブーに挑戦した本作は

 

神と人との関係性を考えるきっかけとなった

 

思想的に意義ある作品でもあるのです。

 

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ヒスパニック的残忍さ

 

というテーマで

 

ザ・チャイルド

 

という映画を解説してみたいと思います。

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

↑この映画が、教会を怒らせたもう一つの理由は

このシーン。

 

 

↑これは、最後の晩餐のパロディですね!

 

偶像崇拝を禁止しているはずの教会は

絵のシーンを模倣した事を怒っていたのです。

 

ああ…

宗教も矛盾に満ちているのです…