こんばんは

ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/




本日も

想像力とアーカイブ


というテーマで

想像力と中島哲也
シリーズ

を振り返ってみたいと思います。




中島哲也監督は

人と人とは
理解しあえない


ということを

とことん突き詰めていく

哲学者タイプの監督。




だから

一見、コミカルだったり

映像が派手であったりしても

描いている内容は

結構シビアだったりするのです。




本日セレクトさせて頂いた作品は



人への想いは裏切られる
パコと魔法の絵本
(前編)


この作品は

極彩色の映像と、コミカルな展開のため

チャーリーとチョコレート工場

みたいな映画

と、評される方も多いのですが

私としては

いつもと同じテーマを扱った作品

だと考えています。





主人公の大貫は

他者に名前を覚えてもらいたくない

と主張する頑固な老人。





大貫もまた

人生で様々なことを経験し

人と関わりあったって
無駄なんだ


と悟った下妻物語の桃子と

同じ心境の人だったのです。

↑知者に覚えてもらっても
人生、何もいいことはなかったぞ!!



パコと魔法の絵本(前半)の回はコチラ!







人に謝る機会とは?
パコと魔法の絵本
(後編)


けれど、そんな大貫が

映画の後半では

人に名前を
覚えておいてもらいたい


と心から願うようになります。






この心境の変化は

覚えてもらえない辛さ

を実感したから。




彼が勘違いをして

暴力を振るってしまった少女は

不幸な事故によって

一日しか
記憶が続かない少女

だったのです…





誤解が解け

彼女に謝ろうと思った大貫ですが

彼女は大貫のことも

彼の行動も全く覚えてません。





謝ろうとしても謝れない…





人に覚えていて欲しくない

と願っていたはずの大貫は

いつしか

少女に名前を
覚えてもらいたい


と願い

彼女の大事にしている

父母からもらった絵本を劇にして

彼女の心に

自分のことを刻もうと必死になります。





愛する人の心の中に
覚えおいてもらえない

というは

とても辛く、哀しいものなのです…

↑ここまでやったら
ワシを覚えててくれるか~(涙)



パコと魔法の絵本(後編)の回はコチラ!








他者のペインを知れ
告白


中島哲也監督がこれまでの作品で

人気監督となっていく中で

定着したイメージは

POPな色彩と
コミカルなギャグの作品





けれど彼の作品の本質は

人と人とが
交流することの難しさ


にありました!





だから中島哲也監督作品に

POPな質感だけを

期待していたファンにとって

告白は

混乱とショックをもたらしました。


↑今までのPOPな色彩は影を潜め
物憂げな音楽と
寒色系の色彩の映画となりました。






けれど

映画で追求しているテーマは

今までと変わりません!






教師の子供を殺しても

謝るどころか

肉親を失った哀しみさえ
理解できない


2人の中学生。






彼らと被害者の担任教師とは

心が繋がっていない

状態です。





けれど彼女は教師。





だから

単なる復讐ではなく

愛する肉親と
分かり合えなくなる哀しみ


を彼ら2人に教育することにします。






人の心が分からない2人が

唯一心を許しているのは

愛するお母さん。





彼らにとって

愛する子供を失った
痛みを知るには


愛する母親を失う悲しみを
実感してもらう


というのが一番だと考えたのです。





人の心の痛みを知るには

自分自身が同じ痛みを知れ!




人と人とが繋がれないのなら
痛みを持って知れ




というのは

一見すると酷い考え方なのですが

恐らく、これ以外の方法では

2人の中学生に

彼女の痛み(ペイン)を伝えることは

不可能だったと思われます…

↑周囲の全ての人間に価値を感じていない2人。

そんな彼らに
人を失った悲しみを知るためには
どんな教育が必要なのでしょう…


告白の回はコチラ!





という訳で次回はいよいよ

渇き。

という作品について

細かく検証してみたいと思います。





ではまた(*^ー^)ノ