子宮筋腫合併妊娠・その3
が、大学病院って本当に待ち時間が長い~!
重病だったら大変なことになること間違いないです。
母ちゃん、新しい本1冊完読して、椅子に座ったまま一時間以上うつらうつらできちゃいましたよ。
待つ間、不安ではありましたが、気持ちは割合安定していました。
本当にネットのある時代で良かったと思います。
母ちゃん、大体自分がどんな状況にあるのか、検討がついたからです。
そして4時間後、ようやく番号が呼ばれました。
中にいたのは、多分同年代か、ちょっと若いくらいの女医さんです。
手際よく、お腹の上からのエコー、それから内診でのエコーを行って下さいました。
「9センチと、4センチ、2つあります。両方とも子宮の外側に出ています。
おそらく筋腫でしょう」
母ちゃん、思わず「よかった……」と言っちゃいました。
ほら、他のもっと怖い病気も想定内に入っていましたから。
女医さん、苦笑です。
「良かったですか?」
「あ、もっと悪いことも想像していたので。赤ちゃんを諦めざるを得ないとかの」
「確かにそれは大丈夫だと思います。
ですが、妊娠中、子宮筋腫には変性が起こる確率が非常に高くなります」
ここで説明しておきますと。
子宮筋腫の中は最初ちゃんと細胞が詰まっています。
ですが、栄養が足りなくなるなどすると、この中の細胞の元気がなくなり、膿み出したり、石灰化しちゃったりすることがあるのです。
妊娠中は赤ちゃんに栄養を摂られるため、膿む変性が起こりやすくなります。
激痛で日常生活を送ることができないくらいですが、妊娠中は強い薬を使うことも切り取ることもできないため、変性が起こった場合は
入院して激痛がが治まるのをひたすら待ちます。
女医さん、厳しい顔つきになり、話し始めました。
「私の患者さんで、今4人子宮筋腫を持って妊娠していらっしゃる方がいます。
うち二人は変性を起こして入院中です。
一人は退院しましたが、変性を繰り返して入退院を繰り返しています。
何ともないのは一人だけです」
そうか、入院する可能性があるのか。
母ちゃん、心に刻みます。
「それと、経過を観察したいので、病院はこちらに転院してください」
……仕方ありません。
とりあえず、最悪ではないけれど、良くもない結果を受けて、診察は終わりました。
MRIとか大層な検査は結局ありませんでした。
それにしても、大学病院って設備が整っている分、健診代も高いんですよねー。
それまで通っていたところの倍。
ちょっとおサイフに痛くなりました。
さて、ここで母ちゃんの病状を簡単に説明します。
子宮筋腫には大きく分けて3種類があります。
粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜化筋腫です。
母ちゃんの場合は、前回のお腹の絵を重ねれば一目瞭然なのですが、一番大きくなりやすい漿膜化筋腫でした。
特に9センチのものはお腹の上に向かって突き出していたため、妊娠・出産には影響が出にくい場所。
母ちゃんが受けた子宮筋腫合併妊娠の注意点をまとめるとこんな感じです。
・変性が起こる可能性があります。
・赤ちゃんと一緒に成長して大きくなることがあります。
・筋腫があると陣痛が起こる際、比較的微弱陣痛になりやすいようです。
・出産後は普通よりも子宮の戻りがゆっくりになる可能性があります。
・出産の際に筋腫に傷がつくことがあり、その場合、悪露が長く続きます。
さあ、自覚を持って、母ちゃんの子宮筋腫合併妊娠生活の幕開けです。
つづく