国際通貨マーケットで市場が行方を睨んでいるのが米ドル、ポンド、円、新興国通貨でしょう。

・米ドル市場
現在のマーケットは市場想定内のレンジオプション内で推移している 対円推定110.60~108.70
市場はIMFが2019年の世界経済成長率の予想を3.5%へ下方修正したこと、FRBが年内の利上げを休止する姿勢、対中国関税問題、米政府機関の一部閉鎖など悲観する材料で年内はドルが弱くなる予想をしているマーケットやアナリストも少なくない。
しかし直近のファンダメンタルは悪くない。
米雇用統計は1月雇用者数は30.4万人増加と堅調、政府機関閉鎖で懸念されていた米消費者マインドも予想ほど低下していない。
経済統計の回復具合によってはFRBが利上げ姿勢を見せる可能性や楽観的な景気指数も期待できる。
その一方長く引きずられる可能性があるのは米中関税問題と政府機関の閉鎖、これらは米ドルだけでなく国際的にネガティヴな材料です。

・ポンド市場
今年のスタートダッシュは堅調でソフトブレグジットの観測が去年よりは高まったことが背景。
しかし、日本時間1/30早朝に行なわれた離脱案協議では期待されていた代替案がいくつも否決されユンケル欧州委員長はメイ首相に「再交渉は不可能」と伝えた。
その日ポンドは下落したがメイ首相がソフトブレグジット交渉を引き継ぎしていく姿勢を示したことで下落幅は限定的。
最終的にはソフトブレグジットで合意すると予想しているがメイ首相が望む方針のブレグジットは難しく、いくつかの案を譲歩するかと思う。

・円市場
年始のフラッシュクラッシュ以降、円の活躍は乏しく一昨年からリスク資産としても買われにくくなっている。
日銀の低金利政策や物価指標、景気指数の低下などファンダメンタル的に長期保有はしたくない通貨の一つ。
今年の日銀金融政策の路線変更はほぼ無いとみて円が買われる時は短期的にリスク資産として他通貨から円に移される時でしょう。

・新興国通貨
去年は悲惨な目にあった新興国通貨は今年息を吹き返す可能性がある。
それらが現実になるにはFRBが利下げ、又は利上げ休止をして米長期金利が2.5%台になれば新興国通貨の上昇が見込める。
どうしても米金利が高いと新興国の資金が米ドルに流れてしまう。




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