【UCトリコン】アッグ隊の栄光と挫折 | お小遣い2.5マソだけどリッターバイク買っちゃった

お小遣い2.5マソだけどリッターバイク買っちゃった

ヨメさんに事後承諾で買ったリッターバイク
維持費はお小遣いで賄う事になりました。本当にやっていけるのかしらん?

旧キットのアッグを作りながら

脳内妄想が止まらなくなった私の作ったストーリを読む?

 

ちょっと長いですよw

 

 

MSアッグの操縦席でグレイ・モア特務管はおよそ現実的とは思えない光景を目にしていた。
仲間を次々と壊滅させた連邦軍の白い悪魔と呼ばれているMSと何処からか現れたおそらくジオン系と思われる真っ赤なMSが信じられない動きで戦いあっているのだ。

「まるで二匹のディーモンの様だ・・・。」

俺はと言えば、数週間の間ではあったが、宇宙から地球まで付き合って来た仲間がボロ布の様にやられて行く様子をただ何も出来ずに見ているだけだったのだ・・・。
その時、赤いモビルスーツが洞窟の天井を無作為に撃ちだし、全てを飲み込むように岩盤と土砂が降りそそいだ。視界が奪われる中、視界の隅で俺の護衛任務してくれていたマリー・ブラスト伍長の武装型アッグの上に岩盤が落ちてくるのを捕らえていた。

「ブッダよ・・あなたは今も寝ているのですか!」

 

 




私はつい半年前まで小惑星パラオで民間の掘削会社の重機を扱うスペシャリストだったのだが、軍にスカウトされ遥々地球まで連れてこられた。(所謂最前線では無いのか!?)
軍に所属した訳では無いが、機密兵器であるモビルスーツAGGを操縦し、地球連邦軍の秘密基地ジャブローへの侵入経路を掘り進むのが目的らしい。
岩盤溶解用の高出力トーチ・レーザーに大型のドリルを持ったこいつは凄い機体だ。
地球の岩盤なぞ、宇宙(そら)の小惑星に比べたらアメの様なものであった。
数週間につづく掘削作業であったが、護衛とはいえ女性のマリー伍長がずっと側にいてくれるのは楽しい職場と言えた。
そして、なんなく広い空間へ穴を穿つことに成功したのだった。
「遂にやりました!ここは地球連邦のジャブローに違いありません!!」
マリー伍長の声が無線機から聞こえてくる。
かなり声が弾んでいる。
「これはジオン十字勲章物の功績ではないでしょうか?」
私はあまり実感が無かったが、伍長はかなり興奮している様だった。

掘り出した場所は鍾乳洞の様であったが、明らかに整地されていて、連邦の基地の一部であるのは疑いが無かったが、軍事施設的な物は見る限り確認できなかった。。
地上に展開している基地(と言ってもカモフラージュした駐屯地レベルの物であったが)に連絡を取ると、基地周辺を警備しているゾゴック隊を偵察任務に差し向けると言うことであったので、我々は待機する事となった。

―これで俺の役目も終わりなのかなあ・・

とぼんやり考えて居た私は
その時、ここが戦場である事なんて欠片も思って居なかったのである。
それが、その後起こる悲劇の原因の一つであるなぞと誰が想像できたであろうか。


そして、

その時が来た・・

唐突に鳴り響くアラーム音

コンソールには赤く"ENEMY”の表示




何が起きたのか理解出来ない私にマリー伍長の叫ぶ声が聞こえてきた。

「敵機です!隠れて下さい!!」

「敵機だって?え、もしかして連邦軍・・・?」

当然の如く戦場など経験した事の無い私は鳴り響く警告音に脅迫観念を伴ない思考停止して何をして良いのか理解が及ばないのであった。

「くっ!ここはわたしがやるしかないか!!」

マリ―伍長の武装したアッグが私の機体をかばうように前に出た。
そこに現れたのは白くひょろっとして、あまり強くなさそうに見えたモビルスーツであった。

「え、ガンダム!?ガンダムなんで・・・」

マリ―伍長の動揺した声が聞こえてくる、ガンダム?

「連邦の白い悪魔と呼ばれている機体です!グレイ特務管逃げて下さい!!」

その刹那、眩しい閃光と共にマリ―伍長のアッグがはじけ飛びんだ。

 



ゾアッグ隊の二機のモビルスーツが駆け付け、連邦の白いモビルスーツと戦闘が始まっても、私は一歩も動くことが出来なかった・・。何も考えられなくなっていたのだ。

ただただ、目の前で起っている事が現実とは思えなかった。

 




どこからか現れた赤いモビルスーツが去際に崩した鍾乳石の土砂に半分埋もれたまま、時間の経過が解らなくなっていた、
掘削した道をようやく掘り当て基地に辿り着いたものの、その後の経緯は殆ど覚えていない。

その後直ぐに大掛かりな戦闘が始まった。
どうやら私とマリー伍長で掘り当てた侵入経路は使われることは無く、宇宙港の位置を突き詰めた潜入班のデータを基に大掛かりな降下作戦が行われたようだ。

救援部隊を送るまで待たれたし

と本部からの連絡があったきり、我々の部隊は忘れ去られた様だ。
噂ではジオン軍は地球からほぼ撤退したらしい。

ジオン残党軍に身を寄せながら、私はひたすらに救援が来るのを信じ待った。
あの”ジャブロー降下作戦”を生き抜いた英雄ともてはやされたが、ただ隠れていただけだったのだ。



人は待つことにも慣れてしまう。そのまま待ち続けることも出来ただろう。だが、時は流れ始めた。

「連邦に一泡吹かせろ!協力されたし」

カークス隊によるトリントン襲撃の電が入った。

 

BGM井上大輔 - 哀 戦士


停滞していた時が動き出した。
あの時何も出来なかった自分に対してケリを付ける時が来たのだ。

あの白いモビルスーツが居たら一矢報いてやる!

「マリ―伍長見ていてください、俺はもう逃げない!!」


 




【エピローグ】
トリントン基地攻防戦の公式記録にアッグタイプとの交戦記録は残ってはいない。
ただ、砂漠を一直線に砂塵を上げながら突っ込んでくるMSが固定武装のビーム兵器によって撃破されたのを見たと言う連邦兵士の証言があった。
それがグレイの乗ったアッグだったのかは今となっては誰にも判別する事は出来ない

 

 

お は り !