医師専用サイトを見ていたところ、「2024年の死因において、初めて認知症が最大の死因となったと公表した国はどこか?」というクイズが出ていました。
私はすぐには答えられなかったのですが、正解は オーストラリア でした。
では、日本ではどうなのでしょうか。
実は日本でも、類似した報告があります。ある大学研究グループの分析によると、1990年には死因の第6位だった認知症が、2021年には第1位へと上昇した とされています。
一方で、厚労省の最新の人口動態統計を見ると、2024年の死因1位は悪性新生物(がん)、2位が心疾患、3位が老衰、続いて脳血管疾患が並びます。
「認知症(アルツハイマー病)」は、公式統計では上位に入らず第10位前後です。
つまり、「認知症が死因1位」という研究報告と、公式統計の死因順位には、“死因の定義” と “集計方法” の違いがあるという点に注意が必要です。
- 研究報告:認知症が背景にある死亡を“広義”に捉えて分析
- 公的統計:死亡証明書に記載された“直接の死因”を基に集計
このような枠組みの違いによって、順位が大きく変わるわけです。
ただ、どちらのデータからも読み取れるのは、認知症が寿命や健康状態に大きな影響を及ぼす病態になっているという現実です。
もちろん、ここで「認知症になると長生きできない」という単純な話をしたいわけではありません。
うまく表現できませんが、今回の情報から、“長生きとは何か” “健康で生きるとは何か”を改めて考えさせられたのでした。認知症であるなしにかかわらず、人生の質を見つめていきたいと思います。