私は学生時代、卒業したら心療内科医になろうと心に決めていました。そのための勉強もしていましたが、気がつけば基礎医学の道に進み、臨床から離れたまま長い年月が過ぎていきました。

 

 2023年に大学を退官してからは一般内科の外来診療に力を注ぐようになりましたが、どこか心に“やり残した思い”が残っていました。

 

 最近になって、その思いが再び強く燃え上がってきました。――残りの人生、心療内科医として奉職したい。

 

 「今さら…」という気持ちもありますが、挑戦しなければきっと後悔する。そう感じています。そこで、密かに心療内科への道を模索し始めました。

 

 もちろん、改めて勉強が必要です。そこで思い立ったのが、公認心理師の資格取得です。この資格を取得する医師も実際にいるようです。

 

 公認心理師とは、2017年に施行されたこころの支援の国家資格で、心理面接・心理検査・助言・メンタルヘルス支援などを行い、医療・教育・産業・福祉など幅広い分野で活躍します。

 

 果たして、私にその道が開けるのか。

 

 調べてみると「不可能ではない」ものの、道のりは決して平坦ではありません。しかし、それでも――挑戦してみたい。

 

 そんな思いが今、静かに、しかし確かに芽生えています。