今日は、鎌倉・建長寺で催された朗読会に、妻と二人で参加しました。
演目は永井路子さんの『寂光院残照』。平家滅亡後、建礼門院徳子が山あいの寂光院で一門を弔いながら生きた姿を描く作品です。
朗読講師の松浦このみさんが、音楽を伴奏に語り上げる声に耳を傾けながら、私は50年前、高校生のときに訪れた寂光院の風景を思い出していました。
鎌倉に移り住んで今年で13年目になりますが、建長寺を訪れたのも、おそらく50年前以来のこと(本当に行ったのかどうか、少し記憶はあいまいですが…そんな気がしています)。
ところで皆さん、けんちん汁の語源をご存じでしょうか?
実は、建長寺で作られていた「建長汁(けんちょうじる)」が由来だという説が最も有力なのです。
けんちん汁は、根菜、豆腐、こんにゃくなどを使い、野菜の切れ端も無駄なく活かした“もったいない精神”のこもる精進料理。
栄養面でも、資源循環の視点でも、実に優れた一杯です。つまり、けんちん汁は修行僧の健康食。
身近な椀物にも、意外と深い歴史と、健康のヒントが詰まっているものですね。

