今週は、昨日も今日も、外来でインフルエンザの患者さんを一人も診ませんでした。あれ? あんなに早くから流行が始まっていたのに……

 

今年のインフルエンザは、立ち上がりが例年よりも早い傾向がありました。下の表(東京での9月以降の定点報告数)を見ると、第36週(9月第1週)では昨年の方が多かったものの、第37週で逆転。その後はぐんぐん増えていきました。10月中旬(第42週)には、昨シーズンが0.74だったのに対し、今シーズンは5.59とかなり高い値を示しています。

 

36

37

38

39

40

41

42

43

44

45

46

47

48

49

50

51

52

1

2024

- 2025

0.50

0.48

0.59

0.69

0.80

0.94

0.74

0.73

0.92

1.12

2.09

2.39

4.32

8.19

17.36

40.02

56.52

13.81

2025

- 2026

0.39

0.67

1.00

1.96

3.30

4.76

5.59

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このまま一気に流行が広がるのかと思っていましたが、意外にも今週は患者数の増加が落ち着いています。実は、感染の「立ち上がりが早い」からといって、「ピークが早い」とは限らないことが知られています。つまり、今年は早くから増え始めたものの、結局ピークは昨年と同じく年末から年明けにかけて訪れる可能性もあります。

 

昨年の年末は外来が大混雑で、大変だったのを今でもよく覚えています。さて、今年のピークはいったいいつになるのでしょうか。少しドキドキしながら、日々の外来で様子を見守っています。