クラシック+ミュージカル 次代へ!スーパーオペラ『紅天女』
日本の少女コミックの代表作、美内すずえ作「ガラスの仮面」が、歌劇「紅天女」となって上演されます。小林さんは、ご自身もミュージカルがお好きとのこと。昨年横浜で開催された”スタクラフェス”ではレ・ミゼラブル等のキャストとの共演も実現。一方笠松さんは、東京芸大声楽科~劇団四季出身。ミュージカル界では数々のステージで既に知られた存在。良い意味で2人の異なる個性を一度に楽しむことができるという意味で興味深いなと。ある意味”近くて遠い存在”的(?)だったクラシックとミュージカルが協力しあってこうしたプロジェクトに関わる流れが嬉しい。クラシック音楽の、極めてコンサバな概念を打ち破って、大規模なオペラに挑むのはそれなりのリスクも抱えるだろうし、その準備へのカロリーは裏方も表も大変なものがあると想像できるだけに、そもそもまずは上演すること自体が、僕としては感動もの。まさに日本の音楽界にとって、重要なターニングポイントとなる作品(そうあるべき!)と思った。今回の公演の大きなトピックスは、タイトルロール”阿古夜+紅天女”役を、オペラの小林沙羅さんとミュージカルをメイングラウンドに活躍する笠松はるさんの2人が務めたこと。今後のオペラとミュージカルのファン層 ”拡大と融合” の布石になって欲しい。本編、小林沙羅さんは登場した時からその存在感に溜息。そして少女阿古夜の中に、既に紅天女の深さ高貴さをしっとりと漂わせる。一方の笠松はるさんは、阿古夜の無邪気さから、紅天女での強さと力尽きるまでをコントラストをくっきり浮かび上がらせて描いていた印象。これこそお2人が、それぞれのフィールドで活動してきた経験が、この作品で独自の個性として最良の形で発揮されたと言えると思う。その他、沙羅さん組の一真役、山本康寛さんの日本語の明瞭な発声、はるさん組の一真役、海道弘昭さん、照房役の前川健生さんの豊かな表現力が印象的だった。それにしても、この阿古夜+紅天女役のお2人は全幕ほぼ出ずっぱりと早替えの多さ!、更にずっとフルスロットルで歌うので、体力的にとんでもなくタフなんです!。指揮の園田隆一郎さんと東京フィルも深いイイ音色。副指揮者は、鈴木恵理奈さんと石﨑真弥奈さんという実力あるお2人(石崎さんは東京国際コンクールの動画で良く観てた)寺嶋民哉さん作曲の音楽も、要所要所で耳に残るような美しい旋律。今でも口ずさめる♪。個人的には、シーンごとの繋がりが、転換含めスムーズになって欲しいと思ったり、掛け合いのような重唱のアリアがあると、よりスピード感が出るかなあ?と感じた。でも、何よりもこの初演という大変な偉業に関わった全員の力の結集で終えられたことが素晴らしい!。関わった方々に拍手!この作品、また観たいので長く生き続けて繋げて行って欲しい!。