≪登場人物≫
凌 :主人公。三流芸能誌「すきま」の記者。
最近妙な視線を感じるヘビースモーカー。
安 :「すきま」のカメラマン。凌と組むことが多い。
波さん:「すきま」のベテラン記者51歳。本名は磯野。
哲 也:「すきま」のアルバイト。波さんの助手として働く。
プロボクサーでもあるが、最近試合がない。
沢 木:「すきま」編集部の課長。
美菜子:「すきま」の社員。主に波さんの助手。
亜 希:凌の情報屋。本業はレザー職人。
藤 田:波さんの昔の相棒。現在は元町の茶店のマスター。
輝 :亜希のバイト先の店長。
凌 :主人公。三流芸能誌「すきま」の記者。
最近妙な視線を感じるヘビースモーカー。
安 :「すきま」のカメラマン。凌と組むことが多い。
波さん:「すきま」のベテラン記者51歳。本名は磯野。
哲 也:「すきま」のアルバイト。波さんの助手として働く。
プロボクサーでもあるが、最近試合がない。
沢 木:「すきま」編集部の課長。
美菜子:「すきま」の社員。主に波さんの助手。
亜 希:凌の情報屋。本業はレザー職人。
藤 田:波さんの昔の相棒。現在は元町の茶店のマスター。
輝 :亜希のバイト先の店長。
5-3,つながり
(波さんか…)
凌は震える携帯を見ながら、どうしようか迷っていた。店長の行方を追って少しずつ、消えたあたりまで身をかがめて近づいている途中だ。今出れば、気づかれるかもしれない。
(波さん、悪いけど…)
迷った末、凌は電話を切ってポケットにしまった。後もう少しで、店長が見えなくなったワゴン車の手前に出る。止まってはあたりの様子をうかがったが、何も聞こえない。しばらく周りの音に注意しながら、またワゴン車に近づこうとすると、風に乗ってタバコの匂いがするのに気がついた。
(近くにいる?)
凌は路面に這い蹲って、タイヤのすきまを探した。しかし、どこにも人影は見あたらない。
ガチャッ…
近くの車のドアが開く音がした。
凌はそのまま黙って地面に這い蹲って、耳を澄ませた。
「ヘマするなよ…」
割と年配の男の声がした。声の感じから、車の中に乗っているようだ。
「はい…」
緊張気味に返事をしたのは店長の声。
足早に遠のく足音が聞こえ、車の中からラジオの音がして流れてきた。
(聞いたことあるような…)
年配の男の声は、どこかで聞いたことがあるような感じがして、凌は這い蹲ったまま考えた。
(しかも、最近だったような…)
しかし、なかなか思い出せない。
少しして、また携帯が震えた。
車の男に気づかれないように、凌はゆっくりと駐車場から離れた所に移動した。
見つかっていないのを確認してから、携帯を見ると波さんからだった。
「…RRRRRR…RRRRRR…」
急いでかけ直したが、今度は波さんがでない。
「タイミング悪いな…」
とりあえず凌は、美菜子と安を探した。
「あれ、あいつは…」
安は、先の店長の姿を見つけた。なんだか緊張した顔つきで、さっきいた所とは全然違う方から歩いてくる。
「あれれ!?」
ニューハーフ軍団の方に向かって急いでいるようだ。
声をかけようと思ったが、また凌に怒られそうなのでそのままやり過ごし、美菜子を探した。
「おい!」
後ろから波さんの声が聞こえた。
「ああ、波さん!美菜子は!?」
「こっちだ…」
そう言うと波さんは人混みの中を足早に進んでいく。
「おおっと…」
安は慌てて波さんを追った。
「おっさん、早ええ…」
油断すると見失いそうだ。
「今日だ!」
突然叫んで、凌は立ち止まった。
(さっき聞いた声は、今日どこかで聞いた。どこだ!?…どこで…)
揉もう少しで思い出せそうだが、なかなか思い出せない。
凌は今日起きてからの自分の行動を頭の中で追っていった。
(茶店のマスターか?…いや違う。直接会話はしていない。耳に入ってきた声だ…どこだ…どこで…)
凌は立ち止まったまま、しばらく考え続けた…
「ヘマするなよ…」同じセリフだ。同じ言葉を聞いたのだ。
凌は、どこで聞いたか、必死で考え続けた…
凌は震える携帯を見ながら、どうしようか迷っていた。店長の行方を追って少しずつ、消えたあたりまで身をかがめて近づいている途中だ。今出れば、気づかれるかもしれない。
(波さん、悪いけど…)
迷った末、凌は電話を切ってポケットにしまった。後もう少しで、店長が見えなくなったワゴン車の手前に出る。止まってはあたりの様子をうかがったが、何も聞こえない。しばらく周りの音に注意しながら、またワゴン車に近づこうとすると、風に乗ってタバコの匂いがするのに気がついた。
(近くにいる?)
凌は路面に這い蹲って、タイヤのすきまを探した。しかし、どこにも人影は見あたらない。
ガチャッ…
近くの車のドアが開く音がした。
凌はそのまま黙って地面に這い蹲って、耳を澄ませた。
「ヘマするなよ…」
割と年配の男の声がした。声の感じから、車の中に乗っているようだ。
「はい…」
緊張気味に返事をしたのは店長の声。
足早に遠のく足音が聞こえ、車の中からラジオの音がして流れてきた。
(聞いたことあるような…)
年配の男の声は、どこかで聞いたことがあるような感じがして、凌は這い蹲ったまま考えた。
(しかも、最近だったような…)
しかし、なかなか思い出せない。
少しして、また携帯が震えた。
車の男に気づかれないように、凌はゆっくりと駐車場から離れた所に移動した。
見つかっていないのを確認してから、携帯を見ると波さんからだった。
「…RRRRRR…RRRRRR…」
急いでかけ直したが、今度は波さんがでない。
「タイミング悪いな…」
とりあえず凌は、美菜子と安を探した。
「あれ、あいつは…」
安は、先の店長の姿を見つけた。なんだか緊張した顔つきで、さっきいた所とは全然違う方から歩いてくる。
「あれれ!?」
ニューハーフ軍団の方に向かって急いでいるようだ。
声をかけようと思ったが、また凌に怒られそうなのでそのままやり過ごし、美菜子を探した。
「おい!」
後ろから波さんの声が聞こえた。
「ああ、波さん!美菜子は!?」
「こっちだ…」
そう言うと波さんは人混みの中を足早に進んでいく。
「おおっと…」
安は慌てて波さんを追った。
「おっさん、早ええ…」
油断すると見失いそうだ。
「今日だ!」
突然叫んで、凌は立ち止まった。
(さっき聞いた声は、今日どこかで聞いた。どこだ!?…どこで…)
揉もう少しで思い出せそうだが、なかなか思い出せない。
凌は今日起きてからの自分の行動を頭の中で追っていった。
(茶店のマスターか?…いや違う。直接会話はしていない。耳に入ってきた声だ…どこだ…どこで…)
凌は立ち止まったまま、しばらく考え続けた…
「ヘマするなよ…」同じセリフだ。同じ言葉を聞いたのだ。
凌は、どこで聞いたか、必死で考え続けた…

