2012年8月。




8月も終わりに差し掛かったある時彼がツイッターを作ったとmi○iで書いていた。

普段の私ならふーん程度で特に見にも行かなかったと思う。

けどその時はなんとなく見に行った。

私はツイッターをやっていなかったので

どんなものか見たかったのもあったのかもしれない。


見て目を疑った。



「○○ちゃんといつから絡み始めたのか覚えてないよ」

「けど今は俺の安定剤だから!」



…なにこれ…


そこにあったのは

どう見てもただの友逹とは思えない

彼とある女の子とのやり取りだった。


そしてその女の子のツイッターのアカウントは

彼の本名をもじったものだった。




当時彼は家のことでよく思い悩んでいて

でもなかなか相談できない性格だと

私には愚痴ってくれることはほとんどなかった。


だからこそ「安定剤」と言う言葉にショックを受けた。



なんだ、私に言わなかったのは

他に言う人いたからなんだ…


あれだけ私のことを

今までこんな好きになったことないとか言いながら

他に本当は好きな子いるんだ…



相手のページは鍵がかかっていて見れなかったけど

TOP絵でゲーム関係の子なのはわかった。



その日

私は彼にメールを返せなかった。

そして夜勤で一人で仕事中に

別れようとメールを送った。


なぜ仕事中にしたのか。

仕事をしてれば辛さも半減することを知っていたからだ。



彼からはすぐ返事がきた。

納得いかないと。せめて理由を教えてくれと。


私はツイッターを見たことを遠回しに伝えた。

彼はその子のことを大事な友逹だと言いはった。

どう見ても友逹には見えなかったけど…


「あの子の問題に俺が首突っ込んだから

切ることはできない」


切ってほしいと言うと彼はそう言った。




疑ってしまうから辛いからもう離れたいと伝えると

「絶対離れないって言っただろ」

と返ってきた。



この言葉で私は反論をなくした。

確かに彼は日常別れるって言われても俺は絶対離さないと言ってくれていた。

その言葉が嬉しかった。



完全には信じられないかもしれない。

でもがんばろうと思った。


一度無理だと思った関係を立て直すのは

容易なことではないと知っていたけれど。

遠距離で相手の行動が見えないので

辛い想いをするのはわかっていたけれど。



でもその時にはもう私の中で彼は

なくてはならない存在になっていた。

付き合うと言っても

すぐに会えないので

関係は前とほとんど変わらなかった。


たまに電話をするようになったけど

それもあまり多くなく

本当に以前と同じメールがメインだった。


だけどお互いに色々な深い話もするようになり

彼のことをもっとよく知った。



よく彼は「こんなに人を好きになったことない」と私に言ってくれた。


私という存在を公にしてくれて

電話で彼の友逹と話したりしたこともあった。


「あいつがあんな幸せそうな顔で話すとか…あんな顔見たことなかったし。

少なくとも今までの彼女の中で一番好かれてるのは間違いない」


彼の友逹はそんなふうに言ってくれたが

ホストの店ぐるみ営業みたいだな、と信じきってはいなかった。

嬉しいことは嬉しかったけど

私も色々あったので闇雲に信じることができない人間だったのだ。




彼は自分の家が嫌いだった。

正確に言うと家族の一人が嫌いだった。

なのでしょっちゅうストレスを溜め込んでいるように見えた。

家出したこともあった。


でも私は遠くにいるのでなにもできない。

そんな時自分の無力さを痛感した。


仕事はまだ忙しく

休みも思うようにとれる状況ではなかったので

会う目処もたたなかった。


5歳年下の彼はまだ学生で経済力もない。

会う時は私が行くね、って言いながらも

なかなか会う具体的な約束ができない。


彼は会いたいとあまり口に出さなかったが

たまに言うと必ず私に謝った。


「かなこも仕事忙しいのにわがまま言ってごめんね」


その言葉を聞く度に心が痛かった。



2011年6月。


仕事づくしの私の生活の中に

すっかり彼とのメールが組み込まれていた。


すぐ返事をしなきゃいけない、という強迫観念もなく

お互い時間があるときに返すメールは心地よく

楽しかった。


なんとなく1日が楽しくなり

寂しいと思うことも少なくなった。



彼はものすごく真っ直ぐな人だった。

良くも悪くも正直者で

言葉を変に飾ったりしなかった。

そうゆうところに惹かれ

もっと知りたいという思いは強くなっていく。


会いたいと思った。

でも住んでるところが遠い。

仕事を休んでまで行くほどの気持ちではなかったので

残念に思っていた。


その間ゲームで遊ぶことは1度もなく

彼は私にとってはゲーム友逹と言うよりは

メール友達と言う感じだった。



相変わらず日記のコメントもまめにくれた。

それが楽しみで日記を書いている部分もあった。

悩み事や愚痴、そんなネガティブな内容が多い長文日記でも

ちゃんと読んでコメントしてくれる。

時には励ましてくれて

時には笑い飛ばしてくれた。


ただ優しいだけの言葉なら誰にでも言える。

けど彼のコメントはそれだけではなかった。

本当に自分が思っていることだけ書いてくれてるのがよくわかった。



彼からのメールを待っている自分がいた。

久しくなかった恋愛感情に似たものを抱き始めていた。


彼のほうでもそれは同じだったようで

なんとなく恋愛要素の強いようなメールをやり取りするようになった。


「俺かなこのこと本当に好きみたい」


そんな風に言ってくれることもあったけど

まだ会ったこともない相手だから半信半疑に聞いていた。




そんなある朝。



その日は早番で7時から仕事だった。

起きて彼にメールしてゆっくりペースで会社につくまでメールが続いていた。


ちょうど私が会社について

しばらくメール返せなくなる前に最後の返信しようとメールを確認する。


「かなこ、俺と付き合おう?

電話とかで言うつもりだったけど、我慢できない」


・・・びっくりした。


そして返信に迷った。



確かに好きとは言われてはいた。

私も彼が好きだった。


でも文字だけの世界だ。

会って話したわけじゃない。

バーチャル恋愛だ。

そんな中で「付き合う」と言う話は私は出すつもりはなかった。


その頃お互いに顔は写メやプリクラで知っていた。

mi○iにもお互い出していたし。

彼はいまどきの男の子だったし

女友達もmi○iで見る限りたくさんいた。


だから最初はなんで?って思った。

なんで私?周りにいっぱい女の子いるじゃん、と。

彼に彼女がいないことは知っていたけれど

2年ほど彼女作る気がなくていないと言っていたし

そこで私になる意味がわからない。


会ってイメージと違うってなるかもしれない。


私のほうは彼のことが好きではあったけど

その気持ちをはかりかねていた。

生活の一部、いなかったら悲しい。

でもここで付き合うと言う選択をするのはおかしいと思った。

だってまだリアルになっていない。

なにより恋愛はいいことばかりではない。



だからメールの返事では

なぜ私なのか、その気持ちは錯覚だと思うと言った。

もし錯覚じゃないと言うなら

会ってから付き合うでもいいじゃないかと。



「なんでって聞かれてもわかんないけど好きなんだからしかたなくない?

会ってからっていうけどすぐ会えないだろうし

逆になんで会ってからじゃないとダメなの?

お互い好きならいつ付き合ってもいいじゃん」



なんとなく迷いが晴れた。

こうゆうとこ、好きなんだよなーって思った。



2011年6月24日。

この日私は彼の「彼女」になった。

会ったこともない彼の彼女に。


メールでやり取りしていたので

彼のことは大体知っていると思っていた。


だけど実際私はこの時

彼のことをなにも知らなかったと後々になってわかっていく…。


2012年5月。


彼とマイミクになった翌日。


私は基本的にmi○iにはゲームの内容での日記は書かない。

リアルな友逹もマイミクに少しいたので

日記はリアルな生活のことしか書いていなかった。

だからゲーム関係で知り合ったばかりの人にとっては

日記は絡みにくかったんじゃないかと思う。


だけど彼はそんな日記にコメントを残してくれていた。

マイミクいっぱいいる人なのに

ちゃんと見てくれてるんだなと嬉しく思った。


彼はそれ以降も私の日記にマメにコメントを残してくれた。

特にメッセージを送ることはなかったけど

彼がコメントをくれるので日記のコメ欄でその返事を書き

そんなやり取りだけ続いていた。



5月も終わりに差し掛かったある日。

深夜、ボイスで彼が「暇」と言うようなことをつぶやいていた。

私も暇を持て余していたので

日記へのコメのお礼も入れて

スカイプのID記載でメッセージを送った。


彼からコンタクトが送られてきて

その日の夜長々とスカイプのチャットで会話した。


その時話した内容は細かくは覚えていないけど

大半がふざけた感じの話だった。

彼の年齢や私の年齢、お互いの住んでる場所なんかも話した。

ゲームの話はあまりしなかった。



彼は私より5歳年下で

東海地方の大きな都市近くに住んでいた。

私は東北住みだったので

かなり遠い場所になる。


人と話したり出会うのが大好きだと言う彼は

人見知りも全くしないらしく

チャットでもそんな感じだった。

ゲームの人やmi○iで知り合った人とも

リアルで会ったことも何度もあるらしい。


人見知りの私からは想像できない世界だった。



朝まで彼とチャットをして

すっかり打ち解けていった。

暇な時また話そうと言ったけど

彼のスカのIDはお兄さんと共有らしく

あまり見ないかもしれないと。

メールでもしてくれたら…というので

メールアドレスを交換することになった。



そしてメールを送るようになり

なんとなく、お互いに途切れさせることがなく

1日メールというわけではなかったが

暇な時は割りと早いペースで

忙しい時は半日あいたりしながらも

メールのやりとりが毎日続いていった。

2012年5月。


仕事にもだいぶ慣れ

少しずつ余裕が出てきていたこの頃

たまに寂しさを感じるようになっていた。



私はずっとオンラインゲームをやっていて

その時やっていたゲームは

別のゲームから一緒だったオン友逹とだけつるんでいて

他の人とはほとんど関わることがなかった。



ある日、mi○iでそのゲームのコミュがあることに気づき

友逹募集をしていた何人かにマイミク申請して

少しゲームの話なんかをして交流を持っていた。



マイミクが増えると

そのマイミクのマイミクが足跡をつけていたりする。



基本的に誰が自分のページを見ても気にしなかった私は

足跡ページ自体を見ることがほとんどなかったんだけど

ちょうどその頃mi○iの設定が変わって

マイミク以外の訪問があると目立つように表示されるようになっていた。

その表示は自分が確認するまで消えないのもあって

表示が出ていた時は足跡を確認するようになっていた。


でも確認したからと言って

相手のページに訪問したりはしなかった。

元々そうゆう性格で

知らない人にはあまり興味が無く

日記もたまにしか見に行かないような人間だし。


ただ「この人前も見たな」と言う名前の人だけは

相手がオンラインゲーム関係だったら

2回足跡残した人は自分からコンタクトとろうと思っていた。



彼に最初にメッセージを送ったのも

そんな経緯からだった。

共通のマイミクがいて

多分その人経由で彼が私のページに2度足跡をつけたから

私が彼にメッセージを送って

返事がきてマイミクになった。



彼のプロフィールは私にはよくわからないことばかりで

年齢とかも非公開で謎だったけど

とりあえず同じゲームをやっている人で

なんとなくキャラの名前も見たことあるような雰囲気だった。


その頃私は仕事の忙しさもあり

ゲームから少し離れていた時期ではあったけれど

やめるつもりはなかった。



「○○コミュから来ました。

私も○○やってます!

良かったら仲良くしてください」



そんな感じのメッセージを最初に送ったような気がする。

相手が最初に自分のページに足跡をつけたことには触れない。

自分からメッセージ送る場合はいつもそんな感じだった。

彼の場合はマイミクが200人以上いたので

どうせどこに足跡つけたかなんて覚えてないだろうと

そう思ったので尚更。



その日のうちに返事がきてマイミクになった。