NHK「ためしてガッテン」
腐敗菌と食中毒菌が共存すると、食中毒菌の増殖が抑制されるということだ。
食中毒は食中毒菌が起こすのであって腐敗菌が起こすのではない、ということらしい。
しかし、腐ってるモノを食べて食中毒になるというのが一般的な認識ではないか。
「腐敗」≠「食中毒」ではないと。極論すれば腐ってるモノを食べても腹は壊さないと。
だからと言って腐敗したモノを食べることを推奨するわけではないとのことわり。
特にO-157のように少数でも病気を起こす強い病原性のある菌は要注意だ。
都合のよい腐敗を発酵と呼んできた、と言ってもよかろう。広義の発酵は腐敗との境界が恣意的である。
特定の食中毒菌は通常の調理の加熱では死滅しないと言うのも新しい認識。
それともうひとつ。空気に触れさせないほうが腐敗しないのかもしれないが、そうすると嫌気性の食中毒菌は大喜びで増殖。これも目からうろこが落ちた。
長年、食中毒に関してモヤモヤとしていたものが少し晴れてきた。
周辺環境から原因菌をすべて除去しようとするのは非現実的。
数を増やさないことが肝要かと。
作ったらすぐに食べる。
あとは己の免疫力が頼りだ。
そうそう、これは何度も言われていることだが、手をよく洗う。
だが、どの程度が「よく洗う」なのか一般的な認識とはまたもずれがあるようだ。
手指のしわなどのすき間に入り込んでいる菌を除去するには少なくとも20秒間、石鹸を泡立てなければ効果がないどころか悪影響を及ぼすのだそうだ。
特定の飲食店が何度も食中毒の発生を繰り返すのは、これらの根本的な誤認によるものかもしれない。
パーティーの料理などは作ってから客に出すまでに大分間があるものも多い。その間に菌は増殖しているというわけだ。
菌が増殖しやすい条件や温度帯を避ける努力が十分になされれば集団食中毒はもっと防げるのではないか。
乾杯の前にダラダラとくだらない話をする輩は食中毒菌に加担しているということになる。
そう言えば、自衛隊の特定任務についている飛行機の乗組員は全員が同じメニューを食べない、つまり2種類のメニューを半数ずつが食べるようにして食中毒によるリスクを回避していると聞いたことがある。