断熱性高い住宅「病気リスクを軽減」byNHKニュース
住まいの環境によって健康状態がどう変わるのか、断熱性が高く部屋ごとの温度差の少ない住宅に移り住み、健康状態の変化を調べる実験が行われ、「心拍数の変化が小さくなり脳卒中のリスクなどを軽減する傾向がある」という調査結果がまとまりました。
この実験は、慶応義塾大学の伊香賀俊治教授の研究チームが行い、高知県梼原町の住民28人が参加しました。
住民は自宅で朝晩の血圧を測ったり、24時間の心拍数を記録したりしたあと、実験用の住宅に移り住みました。
この住宅はガラスを2重にするなど断熱効果が高く、家の中の温度変化が少ないのが特徴で、ここでも血圧や心拍数の変化を調べました。
その結果、特に起床時と入浴時の心拍数、それに起床時の血圧に大きな違いがあることが分かりました。
70代の男性の場合、自宅では朝起きた時や入浴時に心拍数が急上昇しましたが、実験用の住宅では上昇の幅がおよそ半分だったほか、自宅で測った時には平均で150を超えていた起床時の最高血圧も145に下がりました。
同じような傾向は実験に参加した多くの人に見られ、研究チームの鈴木昌医師は「血圧が改善されたり、心拍数の変化が小さかったりすれば、心臓や血管への負担が少なく、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを減らすことが期待できる」と話しています。
伊香賀教授は、「住宅によって実際に健康状態がどう変わるのかデータを得られたことは大きな成果です。さらに研究を進め、住宅が健康に及ぼす影響をもっと明らかにしていきたい」と話しています。
要は家全体の断熱性が高いので各部屋ごとの温度差が減り、ヒートショックを起こしにくいので血圧の急激な変化が少なく、脳卒中や心筋梗塞へのリスクが減る、という事ですね。
住宅業界からすれば常識的な話ですが、NHKという大きな媒体で一般の人たちに伝わるのは良い事だと思います。