※本人に許可を取っています
中学一年生で母親を病気で亡くし、お父さんと二人で暮らすYちゃんは、感情を出さない無機質な16歳の女の子。
通信制高校でキックボクシングを習い始めたことで、人として大切なことを学んでいきました。
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高校2年生になっても毎日練習するYちゃん。
しかし、学校という場所でキックボクシングを教えるということは、ただ強くすることが目的ではありません。
技術はキックボクシングジムで習うことができます。
私にとってキックボクシングは教育のツールの一つであり、基本的な考え方や指導方法は剣道から学んだことをキックボクシングに置き換えて生徒たちに教えています。
練習場は使う前より綺麗にする、みたいな感じですね。
Yちゃんと関わる中で気になった点がいくつかありました。
・お父さんとの関係
・嫌なことに対し極端な行動をとる
・人への感謝がない
・挨拶ができない
・基本的に無関心
など、ここら辺を伝えていかないと大人になった時幸せにはなれないと感じました。
Yちゃんは試合に出ると1ヶ月くらい学校に来なくなり、またやる気が出たら学校に来て毎日練習しました。
私は「試合の次の日こそ学校に来て、応援に来てくれた先生や生徒に挨拶しなさい。」と伝えました。
「先生達は授業の準備を土日にやってたりもするなかで、時間を作って試合の応援に来てくれているんだよ。」と。
他のことも一つ一つ時間をかけて伝えてしていきました。
試合に出るということすら教えてもらえないお父さんは、毎回自分の娘の試合をネットでマメにチェックし、こっそり会場に来て自分の娘が戦っている姿を見て声もかけずに帰っていきました。
「試合にはお父さんを呼んであげなさい。それがYちゃんが今できる最高の親孝行だから。」とお父さんを呼ぶことを勧めました。
最初はすごく嫌そうに呼んでいましたが、徐々に応援に来ることが普通になっていきました。
キックボクシングは個人競技のため、一人で戦っていると勘違いする子が多いですが、個人競技だろうが一人で成り立つスポーツなんてありません。
練習に付き合ってくれる仲間や指導者、応援に来てくれる人、体を思ってご飯を作ってくれる親、対戦相手、その他にも多くの人に支えられて戦うことができます。
なので、自分のまわりの人への感謝の気持ちは絶対にないといけません。
それは仕事にも同じことが言えますよね。
スポーツは自分一人がやりたいからやるという考えでは絶対に強くなれないです。
辛い、苦しい、痛い、そんな時に必ず周りの人たちの顔が目に入ってきます。
応援してくれる人がいるから頑張れます。
私自身も剣道を16年間やっており、高校はインターハイ常連校、大学も剣道で入りました。
しかし、二度とあの辛い生活には戻りたくありません。
そんな生活をずっと続けてこれたのは、親のためです。
「うちの息子は剣道の名門校にいるんだ」と嬉しそうに自慢している親の顔を見ると、辞めたいなんて思いませんでした。
私自身、喜んでいる親を見る度にまた明日も頑張ろうと思っていました。
Yちゃんも少しづつですが色々と学んでいきました。
全日制高校にいればバイトしておしゃれな洋服を着て友達と遊んで、毎日楽しい高校生活だったと思います。
一般的に、全日制高校がダメで通信制高校へ転校すると思われていますが、全日制高校以上に大変な道をYちゃんは選びました。
今思えば、何事にも無関心で、嫌なことはすぐ辞めてきたYちゃんが三年間よく昭和のスポ根漫画のような生活を送ったなと思います。
もしかしたらYちゃん自身、変わりたいと思っていたのかもしれません。
つづく☆
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