※本人の許可を取って書いています。

 

 

私が以前勤務していた通信制サポート校で出会った一人の女子生徒の話です。

 

 

8月、一年生のYちゃんが転校してきました。

一年生の8月に転校ということで少し気になり、入試記録を読みました。

 

 

入試を担当した先生は、その子の印象を大きな文字で

「無機質」

と書いてありました。

 

 

無気力ではなく、無機質です。

感情のない女の子で、笑顔も本当かわからなかったとのこと。

 

 

Yちゃんは中学一年生の頃にお母さんを病気で亡くし、お父さんが育てていました。

お姉ちゃんもいたのですが海外の大学に進学し、当時はお父さんと二人で暮らしていました。

 

 

思春期の娘と父親の二人暮らしで、家では会話の一つもなくLINEで話しているような状況でした。

 

 

ある日、Yちゃんの担任の先生から「Yちゃん、キックボクシングに興味があるらしいんです。」と言われました。

 

 

入試の時によくあるのですが、「転校して何か頑張りたいことある?」と聞かれ、生徒は「面接だから何か言わなきゃ…」と時間割の中から目に入ったものを適当に言います。

 

 

今回もそれだろうと思い、練習の見学に連れて来てもらいましたが練習に参加することはその後ありませんでした。

 

 

12月、Yちゃんにキックボクシングを教えるようになりました。

練習していた3年生の女子を見てカッコいいと思ったようです。

 

 

しかし、スポーツをしたことがなかったYちゃんは、腕立て伏せが一回もできません。

私は子供に教えている感覚で練習をさせていました。

 

 

1月、練習中にYちゃんが試合に出たいと言い出しました。

 

 

1ヶ月練習したくらいじゃ何も身についていないため試合なんて危険だと思いました。

それに運動したことがないのに加え、友達ともお姉ちゃんとも口喧嘩すらしたことのない気の小さい女の子です。

 

 

やめた方がいいと伝えたのですが、それでも出たいと言うので「まぁ負けたら試合は諦めるかな?」と思いキックボクシング団体R.I.S.E.が主催するアマチュア大会に出すことにしました。

 

 

2月、大会当日。

自信満々のYちゃん。

なぜこんなに自信があるのか意味がわかりませんでした。

 

 

当日はお父さんも応援に来ていましたがYちゃんとの関係は良くなかったため、Yちゃんとは会わずに陰から応援していました。

 

 

試合は当然負け、Yちゃんは大泣きしていました。

その時私は「本当に勝ちたかったんだ…」と驚きました。

 

 

Yちゃんは勝つために一生懸命頑張ってきたのに、私は最初から無理だと決めつけて本気になっていなかった、そのことに気づき本当に申し訳ない気持ちになりました。

 

 

試合が終わってから、毎日練習するようになりました。

 

つづく☆

 

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