限りなく点に近い表現。
「心」は表現されると温度が下がる。
アーティストの心に隠る熱は
しばしば空気と観客の心に冷やされ
その伝達率は極めて低いように思う。
そこで「熱の質」を変化させないまま
表現しきる術を探したい。
「熱」は、ぶちまけるより
圧力を加えた方が温度が上がる。
圧力を加えれば加えるほど跳ね上がる。
それは外からだけでなく、
内側からも同時に加えれば
とんでもない温度にまで到達する。
一億度必要だと言われる水素爆弾は
両方から圧力を加えることで実現した。
まさにこの革新的な理論は
表現の世界でも用いることのできる技術である。
そこで、
激情型の表現に圧倒的な圧力を加え
限りなく点に近い状態に精神と作品を持ち込む。
それは作品単位ではすぐ分散してしまう
刹那的な「瞬間」に過ぎなくなるだろうが、
ライブ全体としての固定は可能だと思う。
すべてが点に収束するのではなく、
すべてが点に圧縮される「瞬間」の表現。
まだ具体的にどのような形で
ビジュアライズできるか分からないが
高密度ゆえに高温の表現を
「点」として感じられるものにしたい。
ライブできるのはまだ先になりそうだけど
いつか実現したい表現のひとつだ。