独り言で何か

体の不都合を言っているお母さん

ああ、お母さんだ


歯の調子がねー、みたいなことを言って


ああ、懐かしい

そうだこんな風に独り言を言うの


「大丈夫?」

「平気、平気」


私は夢の中でも

母が亡くなったこともわかっていたし

これは夢だって知っていた


「短いスカートなんかはかないでしょう?

だから、そんなのはあるけど?」


目の前にワンピースがあった

見たことの無い柄のワンピース

お母さんの

お下がりの服をくれようとしたみたい


お母さんはベッドに横たわっていて

私は手を握り

目の前にいるのに大きな声で

「お母さん、お母さん」

と何度も呼んで

少しでも長くここにいて欲しかった


お母さん、

私に会いに来てくれたんでしょう?

頑張って来てくれたんでしょう?


私はこの時間が

短いものだと知っていたので


また会いに来てね!

私は心の中でそう話しかけて


そうしたら

うんうん、てうなづいて


看護師さんみたいな人が来て 

「もう検査だから行かないと」と

母を連れて行こうとするので


「もう少しだけいいですよね?」

長くここにいられないことも

知っていたけど、私は粘った


場面が変わって、

少しだけ若くて健康な頃の母が現れて


「お母さんの仕事、みんなすぐ辞めちゃうの

私は何でもないのよ」

と言うので

「お母さん、仕事、合ってたんだね」と私


そこで目が覚めた

涙が溢れた


お母さんが会いに来てくれた

夢でも嬉しかった


スタースタースター


お母さん

私の仕事も離職率が高いけど

でも、私はこの仕事が合ってるんだと思う

学びが多いんだよね

体は年々きつくなるけど


もう少し頑張ってみるね