A:ティア ♂or♀ ロボット
B:ルイン ♂or♀ 人間
アイ:戦闘用ロボット
イノリ:少女
* A:ティア は台本が進むに連れて感情を出していくイメージで、書きました。そのように進めていくとやりやすいと思います。
B:ルイン は13~15歳のイメージです。
アドリブOKです。楽しくやっちゃってください。
同じ役が連なっているセリフがあります。
語りが多いです
口調変更おk
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B「彼女は、鉄機材が瓦解した渦のコクーンに横たわっている。彼女を起こすは僕の役目… 白銀の空洞管を潜り、足元にまとわり付くブラックコードを蹴散らして、オレンジが明滅する電飾を横目に、僕は彼女のもとへと進む。彼女が目を覚ますまで、あと2分と48秒」
B「コクーン ドール」
A「人間はロボットを生み出した。ロボット学の歴史の中に進化と呼べる程の進歩はない。
だが、ある時。人間の脳と同じ電子パルスを模したAIを、一体の介護用ロボットに搭載した。その結果、性能は爆発的に飛躍した。その中で一番驚く点が、感情を生み出したことである。
研究者達は自身達の成果に驚愕し歓喜し、それと同時に、胸中を掠めた恐怖からは目を逸らした。
そこから先の人類の行動は素早い。AI端末が、情報共有できるネットワークフィールドを作成し、個と個の繋がりではなく、ロボット全体が一つの脳となるようにした。
原点は今から200年前、そこから人類文明の滅亡は始まっていた。では、人間は何故滅んだか」
B「ちょっとまって! その先も僕知ってるよ」
A「ここから先はまだ話してないはずだが?」
B「もう! ティアが眠ってる間、どれだけ僕に時間があると思ってるの? あそこに散らかった本を、食らいつくように勉強しているんだから」
A「それは素晴らしいことだ。知識は君の世界を豊かにする。しかし、一つ間違っていることがある。私の正式名称は『NWF:AI12943UM』である」
B「そんな長いの覚えられないよ。ティアの体が涙の色をしてるからティア!」
A「…まぁいい。ではルイン、この先はどうなった」
B「簡単だよ、歴史は繰り返される。新しい玩具を手に入れた人間たちは、AIを搭載した兵器を使って戦争を起こすんだ」
A「その通り、この戦争で破壊を目的とするロボットが生まれた」
B「その後、道具として使われる存在を不満に思ったロボット達が、人間に成り代わった。人類はせめてもの報いとして、ネットワークフィールドを破壊。けれど、これが原因となってロボットに個性が生まれたんだ」
A「なる程、よく勉強している。私が眠っている間は、ずっと勉強をしているの?」
B「まさか!? サプリメントを食べて、使えそうな部品を探して、後は…ティアにイタズラして!」
A「あまりに酷いと怒る」
B「ティアは怒らないよ、怒るって言っているだけ。はぁ、僕もロボットに生まれてきたかった…」
A「何故だ?」
B「僕がロボットなら、僕のバッテリーを分けられるし、ティアと同じ時間に目覚めるように設定しておけば、感覚的にはずっと一緒にいられる」
A「なる程、しかし長時間起動し続けられるが…その分エネルギーを消耗してしまう」
B「いいよ!? 僕はティアと一緒に居たいんだ。そんなことしたらすぐ動けなくなっちゃうよ」
A「…そうか」
B「そんなに落ち込まないでよ」
A「落ち込んではいない。私は感情に疎いのだから」
B「フフ、ティアはティアが思ってるよりロボットぽくないよ」
A「そう、か? 私の用途はコミュニケーションを必要としないのだが…」
B「ん? じゃあティアはなんのために作られたの?」
A「戦争兵器だ」
B「兵器? でもデータで見る資料には、兵器っていうのは箱型だったり、飛行機だったり、形が全然違うよ?」
A「それは、国家が経費と性能の折り合いを、考慮して制作してるからだ。私を作ったのは民間企業だ。でなければ、人型の様な非効率的な兵器は作らない」
B「そうか、だからこんなに綺麗なんだね」
A「そうか…」
B「うん」
A「……」
B「どうしたの?」
A「君の存在定義を如何に識別しているのか思考している」
B「?」
A「私は君を拾った。その行動は私の個性が生み出した気まぐれだと理解している」
B「うん」
A「では何故、君をまだ処理していない」
B「処理?」
A「定期演算では、君と行動を共にすることは非効率的と回答を出している。ならばなぜ私は…」
B「ティアは僕を排除したいって思ってる」
A「思っていない」
B「でしょ。その命題に答えを出すなら…僕とティアは家族だと思っているから?」
A「家族」
B「うん。大切な存在」
A「………わからない」
B「…そう」
A「…すまない、時間だ。私は眠る」
B「おやすみ、ティア」
A「おやすm……」
B「……………」
A(M)「私とルインが一日に話せるのは3分間だけ。エネルギーを節約し、充電をし続ければ、ルインが一人で生きていけるように成るまでは保てる計算だ。私は人間について考察していた。機械と人間とでは所有する感情が違う。機械の持つ感情は人間の真似事でしかない、基本的に全て合理的なのだ。私がルインを育成する理由は、人間の感情『愛』を知るために最も効率的な方法だと考えたからだ」
B(M)「僕は赤ん坊の頃彼女に拾われた。彼女は大切な家族、文字や喋り方を教わって、歴史も教わって、悲しみも知った。だけど、ティアは自分がいなくなっても僕は悲しまないと思ってる。ティア、君がいなくなったら僕は寂しいよ。彼女のブレイカーが落ちるその時を、僕はこの網膜に焼き付けなければならない。」
A「…というわけだ」
B「ねぇ、ティアは寝てる間に映像とか音楽とか聞こえないの?」
A「…夢か? 残念だが、私は見聞きしたことはないな」
B「そっか。もしそうなら、その話を聞いてあげられるのにね」
A「それは、私が人間にならないと無理な話だ」
B「ん? そういえば、そんな絵本がメモリーボックスにあったような…」
A「それは『ピノキオの冒険』だろう。私はあんなに性能が低くないぞ」
B「じゃあ、僕がピノキオをやるよ。それで魔法使いがやってきたら、涙色の体をしたロボットにしてもらおう」
A「ルイン。君は何故そこまでしてロボットになりたがる?」
B「だって、そうすればティアとずっと一緒にいられる。前にも話したじゃないか」
A「……」
B「ティア、僕は君がいなくなったら寂しいよ」
A「ルイン、それはできない。私の電源はいずれ落ちる。機動エネルギーを作り出す機能は、私には無いんだ」
B「…そっか」
A「あぁ、ほら!ルイン。今日は一体何してたんだい?」
B「ん? え~と、今日は西のエリアで部品を探してたよ」
A「! ルイン、あのエリアは危険だからあまり近付くなと言ったろう」
B「うん、すごかった。落ちてる破片は全部真っ黒だし、空気は淀んでるし、おまけに戦闘兵器がそこらじゅうにウヨウヨ! とっても面白かったよ」
A「……はぁ。たくましくなった」
B「あぁ。そういえばルインみたいなロボットが、鉄屑の丘の上に一人いたよ」
A「それは… 同機型だ。人間を制圧するために、ロボットが作り出したロボットだよ。私を元に作られている」
B「へぇ、じゃあ兄弟みたいなもんか」
A「まぁ、私の方が戦闘機能は高いがな」
B「ふ~ん、人間が作り出したのに…すごいね」
A「そうだろう! 私の武器は『ST:O2ANW』とっいてな、水素と炭素を使用した科学技術なのだg…あぁ、すまない。時間だ」
B「ははは。うん、おやすみ。ティア」
A「ああ、おやすみ」
A(M)「会話の途中で時間が来てしまった。また機会があれば話してやろう。…ルインは私と共に生きることを望む。寂しいと言う。私は、私は…寂しいが分からない。そんな葛藤が胸の中で渦をまいてる時だった…」
A「………ルイン? ルイン!!」
B「…ティア。ティア! ちょっとこっちに来て!」
A「よかった、機械に襲われたわけじゃ…」
B「見て! 見てティア! これ道に落ちてたんだ。で、拾ったんだ! まだ動くようだったから。もしからティアのバッテリーと合うかも知れない」
A「あ…」
B「この子、まるで僕みたいだ」
A「…ルイン。この子は、君が初めて会ったことになる、人間だ」
B(M)「僕が拾ってきたのは人間だった。名前は、小さな声で『イノリ』と呟いた。歳は僕と同じくらい、性別はメス、深緑色の瞳と銀色の髪。でも髪はティアのほうが綺麗かな。彼女はどうやら、この前ティアと話していたロボットと出会ったらしく、怪我をしていた」
A(M)「ルインが少女を拾ってきた。それからというもの、ルインは彼女と彼女の周りのことばかり話すようになった。イノリの携帯端末で人間の街を見たときのルインは、今までにないくらい上機嫌だった。私は、私が居なくなってからの話し相手ができたと安心した。…したと思う。ただ、私にしか言わなかった『家族』という言葉をイノリに向けて言ったとき、…何故だか悲しくなった」
B「…でさ、人間たちは、機材の瓦礫で外壁を作って、家を建てるんだって。」
A「…そうか」
B「街には僕やイノリ以外にも、いっぱい人間が居るんだって。ティアも一緒に人間の街に行こうよ」
A「私は人間じゃないよ。ロボットは人間の街に行けない」
B「ティア。人間だのロボットだのという以前に、ティアはティアなんだよ」
A「……」
B「ティアは、ティアのままでいい。僕はありのままのティアが好きなんだ。街の人達も、きっとティアの素敵なところを分かってくれるよ」
A「…ありがとう。だが…いや。 ルイン、今日は何していたの?」
B「いつもと同じ。あぁ、イノリの話を聞いていたよ。ほら、この間のロボットの」
A「同機型のか?」
B「そう! それ。そいつに名前をつけてた」
A「名前?」
B「うん。この前兄弟だって聞いたからね。名前を付けてあげないとって思ってたんだ」
A「そうか。それで名前は決まったの?」
B「うん。イノリが襲われたとき、肩のところにアルファベットの『I』が見えたから、名前はアイ」
A「フフ、ルインは…何というか。単純だな」
B「失礼な! それに名前を考えたのは僕じゃなくてイノリだよ」
A「イノリ?」
B「うん」
A「…そう、か」
B「うん?」
A「…すまない、時間だ。私は眠る」
B「うん、おやすみ」
A「おやすみ」
A(M)「イノリが来てから、私の感情プログラムは可笑しくなっていく 『面白くない』『面白くない』とアラームを出す。ルインは、ロボットを相手にするより 人と話した方が、楽しいに決まっている。ポリエステルでできた髪より、緑色のくせっ毛の方が可愛らしいと 感じるはずだ。イノリを見ていると、私の中にどんどんバグが生じて行くようだった」
B(M)「ある日、僕はティアと喧嘩した。理由は僕がバッテリーパーツを探しに遠出をして、いつもの時間に一分ほど遅刻してしまったからだ」
A「何で私が起きたときに、そばにいてくれないの?」
B「たった一分待たせただけじゃないか」
A「たった一分? 私には三分間しかないのよ!?」
B「その三分のために、僕がどれほど…!」
B「……ごめん。僕が悪かった」
A「ごめんなさい」
A(M)「ルインは優しく私を抱きしめてくれた。そして、私の中の焦燥と願いが狂わせた演算器が、一つの答えを導き出した… その日私は一時間早く目覚めた。そして、右手から破壊するための光があたりを照らし出す。平常時の私なら、故障でもしない限りその回答のは行き着かなかったと思う。だけど、…ただただ、寂しかった」
B(M)「僕がティアの所に着いた時には、彼女はいなかった。…彼女は、バッテリーが切れて西のエリアで横たわっていた。その白い髪を垂らして、まるでコクーンの中で眠るように」
間
A「…ん?」
B「起きた、ティア。調子はどう?」
A「………何で、私は起動しているの」
B「君に合うバッテリーが、ようやく見つかったからさ」
A「ここは…?」
B「人間の街。ティアもムチャクチャするね。型が同じってだけで、合うのかも分からないアイのバッテリーを奪いに行くなんて」
A「…そうするしかなかったんだ。君はイノリと話しているときのほうが楽しそうだった。私の電源はいずれ切れる、そしたら…そしたら君は私を忘れるかも知れない。そう考えると、ひどく寂しかった」
B「…これから、ずっと一緒だよ」
A「もし、私が人間だったら、ここで涙が出せるのにな」
B「関係ないよ。ティアはティアだ」
A(微笑む)
B「…ティア、君は前に『自分は感情に疎い』と言っていたんだよ」
A「フフ、私も随分人間らしくなった」
B「本当だよ。そうじゃなかった西のエリアなんかで倒れてないよ。ティアをここまで運ぶのに、あのエリア丸ごと奪い取る羽目になったんだから」
A「え! そういえば、ルイン顔つきが大人びた?」
B「当たり前だろ。十年も経ったんだから… 待たせてごめん」
A「私には一瞬だったよ」
B「ティア、君は僕の大切な家族だ」
A「私はあなたの家族」
B「おかえり、ティア」
A「ただいま、ルイン」
end