朝日新聞 2008年03月06日10時45分 
5日のニューヨーク商業取引所の原油市場は、石油輸出国機構(OPEC)が同日の総会で増産を見送ったことなどを受けて急騰した。国際指標となる米国産WTI原油の先物価格の終値は前日比5.00ドル高の1バレル=104.52ドル。その後の時間外取引では一時、1バレル=104.95ドルまで上昇し、終値とともに史上最高値を更新した。
OPECは5日開いた総会で、原油の生産目標を日量2967万バレル(イラクを除く加盟12カ国分)に据え置くと決めた。原油相場の高騰については、ドル安で加速する投機資金の原油市場への流入のほか、中東やアフリカなど産油国情勢の緊張などが主因だと改めて指摘。「OPECは投機に対して影響力を持ち合わせていない。原油供給は十分だ」と、消費国の増産要求を拒否した。
5日の原油相場は、3日につけた取引途中の史上最高値103.95ドルを上回った後も上昇を続け、初の105ドル台に迫った。5日発表された米国内の在庫統計で、原油在庫が市場の事前予想に反して大幅に減少したことも、投資家の間に原油の需給が引き締まることへの警戒感を広げ、値上がりに拍車をかけた。
原油相場は4日、4営業日ぶりに終値で1バレル=100ドルを割り込んでいた。米アナリストらの間では、暖房油などの需要が減る春に向け、原油価格は次第に値下がりするという見方もあった。
だが、5日の急騰で、市場では「次は1バレル=110ドルを目指す展開になる」との予想も出ている。米景気の先行き不安などでドル安基調が続いているため、ドル建てで投資する原油相場に割安感が出ており、投資ファンドなどの投機資金が引き続き原油市場に流入していることも相場の支えになっている。
現在の原油価格はすでに、物価上昇率を考慮した米国内価格としても、かつて最高値を記録した第2次石油危機後の80年4月の水準を上回っている。過去に例のない高値で原油関連製品の値上がりがさらに広がれば、企業や個人の支出が圧迫され、先行き不安が漂う世界各国の景気に悪影響を及ぼす可能性も強い。
5日はニューヨーク市場の金相場も2日ぶりに上昇し、史上最高値を更新した。指標となる先物価格の終値は同22.20ドル高の1トロイオンス=988.50ドル。一時は995.20ドルまで急騰し、史上初の1000ドルに迫った。
一方、5日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が同41.19ドル高の1万2254.99ドルと、5営業日ぶりに上昇した。同日発表された非製造業の景況感を示す指標が事前予想ほど悪化していなかったことなどから、買い注文が優勢になった。

朝日新聞 2008年03月05日12時27分