「あはれ」とは何かと子供たちに尋ねられた。
例えば、芥川龍之介の「袈裟と盛遠」の袈裟の最期。
あるいは映画「真昼の情事」のヒロインが泣きながら男を追うシーン。
また夏目漱石の小説『草枕』の那美さんのラストの表情。
アンデルセンの小説『人形姫』の王子を殺せず、海の泡になって風になって王子の頬をなでていくシーン。
それも別れの場面に口には表現できない「あはれ」がにじみ出ている。
ああああ、と深く嘆く嘆じて、道理で説明するものではなく、感性に訴えるものである。そのとき、心にしみじみと残る感慨こそ、「あはれ」であると言えようか。
理解するには人生の喜怒哀楽を味わうことでもある。
難しいだろうか。あるいはもう理解している子もいるかもしれない。