先週、知人からの紹介で
『映画 日本国憲法』というドキュメンタリーを観る機会があった。
監督はジャン・ユンカーマン
企画・制作は山上徹二郎 (株式会社シグロ)
2005年の作品だ。
映画の公式サイトには、イントロダクションとして以下のように紹介されている。
"戦後60年目を迎えた2005年、自衛隊のイラク派兵をきっかけに憲法についての踏み込んだ議論が始まった。国内のあまりに性急な改憲への動きを、世界に視野を広げて見つめ直す。それがこの映画の出発点だった"
https://works.cine.co.jp/kenpo/about.html
わたし個人としては
今年7月の参議院選挙で政治界隈に興味を持ち、無所属連合の街宣などを応援してきたけれど、いまの日本の様々な問題についてはあまりに付け焼き刃のにわか知識で..
特に日本国憲法については、その存在の意義や意味について考えたことすらなかった。
だから
「憲法改正」について、
自分はどう考えるのか?の意見すら持つことができなかった。
少しでもその経緯を知ってみたいと思い参加を決めた。
映画はナレーションが一切入らず、全体がインタビューの映像で構成されている。時々フラッシュバックするかのように、当時の小泉首相の発言やブッシュ大統領の映像が入る。
出演者は、社会学者の日高六郎氏以外は海外の識者の方ばかりで、"視野を広げて"の意図が感じられる構成だった。
特に
中国人のバン・チュンイ(作家・映画監督)さんがインタビューの中で語っていたこと。
自身の出身の村で旧日本軍が何をしたか?
あれだけの残虐な行為を、日本人はもちろん知っていると思っていたが、その村の名前さえ知らないことに愕然としたと。
中国だけでなく韓国も含め
1930年代に日本がアジア諸国に対して行ったことについて、何も知らされていない、教育されていないのだと改めて認識した。
日本国憲法は戦後GHQが考えた(押し付けた)と言われているが、その経緯にも触れられており興味深かった。
また、一番大切な
「日本国憲法」は誰を主としているのか?
という点について。
GHQ草案では
"All natural persons"と書かれていたものが、"日本国民は"と意訳され、さらに第10条で"日本国民"とは?を定義する条項まで追加されたということだった。
上映後、プロデューサーの山上徹二郎さんの講演があり、参加者からの質問に丁寧に解説、説明をしてくださるという貴重な機会もあった。
「映画を制作する動機は怒りと愛が最初の原点。映画なのであくまで娯楽であること、プロパガンダにならないことが大事。
テーマを考える上では、歴史のやすりにかけられて変質するようなものではなく、永くちゃんと観られる映画になるか?という視点を持つこと」
淡々と静かなトーンで、しかし確固たる意志を持って(と、言うふうにわたしには感じられた)話されていたのがとても印象的だった。
また最後に
映画では触れていないが、もう少し深い問題として、戦争をすることで誰が得をするのか?経済というものがそこにある、という点についても言及されていた。
憲法を知る出発点としてとても良い機会を得られた。
シグロ制作の、別のテーマのドキュメンタリーをまた観てみようと思う。