物心ついた頃から、私の将来の夢は「お嫁さん」でした。

結婚適齢期、２６歳頃までに、キレイなウェディングドレスを着て、華やかな結婚式を挙げて結婚すること。

そして２９歳までに子供を産んで、安定した家庭を作る。

それこそが私の幸せと、信じて疑っていませんでした。

自分の育った家庭がそうで、その形こそが幸せと、主に母親から教わって生きてきたから。

この夢を実現するために必須だったのが、「理想的な旦那様」でした。

物心ついた頃から２０代前半まで、私の興味関心は

「理想的な結婚をするための理想的な旦那様に出会うこと」に関係することしかなかった！と言っても過言ではありません。

趣味＝恋、恋愛。だった。

高校生になって初めての彼氏が出来てから、いくつもの恋愛をしてきたけれど、どの恋愛も真剣だった。この人と結婚したいと思えるかどうか、が高校生の頃から既に念頭にあって、その時なりに、そう思える人としかお付き合いをしなかった。

私にとって、恋愛は神聖なものだった。

愛し愛されるたった一人のお互いを選び、愛を、関係を育むことは、とても尊く神聖なものと感じてた。

だから相手も、私との恋愛を特別で大切なものと捉えてくれる人でなければいけない、と思ってた。遊びの恋愛なんてありえない！って。

今思えば、誰に教えられたわけでもないのに、いつの間にかそう思うようになっていたのは不思議。

思い出すのが、ほんの１０歳頃からいつしか心に浮かんでいたこと。

美しい景色、自然の美しさに出会い、深く心動かされた時。他にもう何もいらなくて、ただこの中に溶け込んでしまいたい、と、至福の感覚を覚えた時。

「いつかこの深い満ち足りた感覚。感動を分かち合える、自分以外の誰かに出会いたい。」って。

強く、その願いを持つようになりました。

それからずっと、その願いを心に持ち、出会い恋に落ちる相手が「その誰か」であってくれることを願ってた。

今思うと、「魂を揺さぶる、自分の真実に触れる体験を、自分の中の真実を、自分以外の誰かと分かち合いたい」。

このことは、私の深いロンギング。魂が求めていることだったんだ、と分かります。

そうだったのだけど・・・。

その部分とは別にあった、いわゆる結婚適齢期までに「安定した家庭を築くことのできる結婚をすること」＝私の幸せ。という強い信念の中には、なぜかそのロンギング（魂を揺さぶる体験を分かち合いたい）は含まれず、その当時幸せな結婚として思い描いていた通りの理想を手に入れます。

２０代後半が近づいていた、そろそろ設定した目標結婚年齢が近づいていた頃、当時リストアップしていた「理想の結婚相手の条件」に当てはまる人に出会いました。

それが、元夫。

本当にね、リストにぴったり当てはまっていた人だったんです。安定した収入を得ている安定した職業についている人で、彼の育った家庭は自分の家庭に近い価値観で、性格は誠実で、見た目も好みの基準を満たしてる。

他にも細かい条件があったんだけど。タバコを吸わない、とかね。全部当てはまってました。

もちろんちゃんと恋もして、トントン拍子に結婚へと進み、目標設定した２６歳に結婚しました。思い描いていた通り、オーダーメイドのキレイなウェディングドレスを着て、理想通りの華やかな結婚式を挙げて。

そしてまた目標通りに、２９歳で息子を産みました。ここまで本当に、パーフェクトでした。

妊娠中まで、本当に曇りなく幸せでした。

少しずつ、変化が生じ始めたのは、息子が誕生してから。

子供を産んで専業主婦として、子育てを楽しめるものと信じきっていたのに・・・産んでみたら想像を絶する大変さ・ストレスだらけの毎日。

こんはずじゃなかった・・・！と、人生で想定外のシナリオを初めて経験し始めました。

＜つづく＞

理想の結婚を手に入れた私が離婚を選ぶまで ①